海外競馬

2015年06月19日

結局4回かかってしまったAmerican Pharoahのレビュー(笑)。
American Pharoahの詳細な血統構成を見て、ラストとしたいと思います。

American Pharoahは5代血統表で見るとノーザンダンサーの5×5クロス持ち。また、Key to the Kingdom≒Secretariatの4×5というナスキロ(ボルキロ)の相似クロス持ちでもあります。
で、相対的に見ればノーザンダンサー×Secretariatのストームキャットを強調した配合形態ですね。まぁ、ノーザンダンサークロスもナスキロも現代競馬ではよく見ますし、一見よくいる米国馬って感じの血統です(笑)。
ですが、ちゃんと見ると最近の米国の活躍馬にありがちな「ミスプロ濃いめ」「ナスルーラ(特にボールドルーラー)濃いめ」「ノーザンダンサー濃いめ」だけという配合ではありません。
もちろん、父系はミスプロのラインで、ノーザンダンサーの血もありますし、ボールドルーラーの血も5・7×6・6とそれなりに持っていますが、全体で見るとUnbridled×ストームキャットを異系血統、欧州スタミナ血統ががっちり脇を固めた底力と活力に溢れた配合形態なんですよね。

異系・欧州スタミナ血統ということで言えば、象徴的なのが父母の血統構成。
 
American Pharoahの父であるPioneerof the Nileは5代内に父母間のクロスは1本も持ちません。その父エンパイアメーカーからはクロスを1本受け継いでいますが、それがマンノウォーに遡るIn Reality の5×4という異系ぶり(笑)。
さらにPioneerof the Nileの母Star of Goshen は、5代内クロスが0という徹底さ。
それもそのはず、Star of Goshenの父はアルゼンチン馬Lord at War。父系はいまや衰退してしまった名馬Brigadier Gerard~Fair Trialに遡る欧州スタミナ血統です。
ちなみに、Pioneerof the Nileの血統ミスプロ系×母父Lord at Warって、ウォーエンブレムと同じなんですね。
Pioneerof the Nileは日本でも活躍馬を出すUnbridled の系統ですし、産駒はマル外として日本でも活躍できそうな感じがあります。
 
また、American Pharoahの母Littleprincessemmaは5代血統だけ見るとボールドルーラーの5×5持ちといかにもな米国血統に思えますが、よくと見ていくと母系の奥底に眠る欧州スタミナ血統、特にハイペリオンがその姿を現します。
まずLittleprincessemmaの母母Zetta Jetは、父系こそTom Foolですが、それ以外は全て欧州血統で固められていてハイペリオン系種牡馬Olympiaの3×4・4(25%!)というかなり濃いクロスを持っています。
で、Littleprincessemmaの母Exclusive Rosetteは父がExclusive Nativeで欧州色は薄まりますが、Olympiaの父であるHeliopolisの5×5・6・6持ちでまだハイペリオンの血を継続。
Littleprincessemmaの父Yankee Gentlemanはストームキャット産駒ですが、その母Key Phraseはかなり欧州色濃いめの血統。
スゴいのはやはりハイペリオンの血で、Alibhaiの5×5に加えハイインロー配合馬の相似クロスTudor Minstrel≒Flower Bowl≒Swaps≒Rich and Rareの4×4・4・3からなるハイペリオン6・6×5・6・6・6というクロス持ち。
で、結局Littleprincessemmaは8代目まででハイペリオン7・7・8・8・8・8・8×7・7・8・8を持つことになります。

もう一度American Pharoahの父であるPioneerof the Nileに目を向ければ、この馬も5代目にOlympia、6代目にSwapsがいて、Alibhaiの6×7クロス持ち、また5代目に見えるAtlasもハイペリオン系で、さらに父母の代でもハイペリオンとハイインローの血を継続しまくっています。
おっと、よく見るとLuna de Miel≒Graustarkでさらにリボー&ハイインローの血も継続してました。
これらの橋渡しに大きな役割を果たしているのが先ほども出てきたLord at Warです。

さて、そうして見るとスピード一辺倒でないAmerican Pharoahの血統構成がよくわかると思います。
メインはUnbridled系×母父ストームキャット系の現代米国配合でありながら、Eight ThirtyやWar Relicといった米国異系血統による頑強なパワーの補充、Lord at Warのスタミナ・底力補充、そしてハイペリオンがさらなるパワーとスタミナと底力を補強しながら、硬質なスピードを血統の土台の奥底で支えていたんです。


いや~、長くなりましたが何とか終わりました。
今回は疲れましたが(笑)、それだけにブログを書く中でも自分で勉強になった部分が大いにありました。
できればこの経験が今期以降のPOGに生かせればいいんですが(笑)。

さて、次回以降は身内POG以外の指名馬レビュー。
こっちは少しずつコツコツやっていこうかな。。。


2015年06月18日

またまた更新が遅れてしまいました。。。
で、火曜日の更新の追記分から。
American Pharoahの配合、Unbridled系×母父ストームキャット系の配合は相性がいいという話をしましたが、その逆もまた然りというお話です。

実はストームキャット系×母父Unbridled系も相性がよく、海外ではプリークネスS馬Shacklefordがいます。
日本でも該当馬は数が少ないながらけっこう活躍馬がいて、重賞勝ち馬もエーシントップ、アルビアーノ、エスメラルディーナと2~3歳時で活躍した3頭が出ています。

ちなみに今期のドラフトがまだ終わっていない方、今年の該当馬は判明しているだけで以下の8頭がいますよ!
【Unbridled系×母父ストームキャット系】
レーヴドフィユの2013、キャットニップの2013、ミスサイベリアの2013、ヘンメイレンの2013、ナムラドロシーの2013、Aspenglowの2013
【ストームキャット系×母父Unbridled系】
Embur's Songの2013、Hopeoverexperienceの2013

Embur's Songの2013は某サイトで吉田勝己氏がおススメされていたというGiant’s Causeway産駒の高馬(80万ドルで落札!)。父もマイルCS馬エイシンアポロンを出したGiant’s Causewayですから、マル外枠で狙ってみるのも面白いかも。。。

こうして見ると、この配合って今後POGで面白いんじゃないかという気がします。
なにせ、今日本にはAmerican Pharoahの父父であるエンパイアメーカーと、その息子であるバトルプランが輸入されているんですから!
また、ストームキャット系種牡馬も一昨年数の少ない産駒からホウライアキコなどを出したヨハネスブルグがいますから、こそっと見つけ出してきて2歳戦のポイントゲッターとして狙うのはアリなんじゃね?って感じですね。

さて、今日ももういい時間で続きが書けそうにありません。。。
さすがに今週中でAmerican Pharoahのレビューは終わりたいので、明日はしっかり更新…したいです。


2015年06月16日

本当は日曜日に更新予定のはずが、ちょっと体調を崩してしまい明けて火曜日の更新になってしまいましたが…米3冠を達成したAmerican Pharoah血統探検をしていきたいと思います。

まず、American Pharoah の父母のプロフィールのおさらいから。
Pioneerof the Nile は、今年日本で生まれた産駒がデビューするエンパイアメーカーの産駒。
現役時代は2~3歳時にサンタアニタダービーなどGⅠ2勝を含む重賞4勝。父系はUnbridledを経たミスプロ系という血統です。
Littleprincessemma はストームキャット系種牡馬Yankee Gentlemanの産駒。
自身未勝利ですが、同じストームキャット系の父を持つ3/4兄姉の Storm Wolf と Misty Rosette はそれぞれ米重賞を勝っています。

血統ですが、自身はミスプロ(Unbridled)系×母父ストームキャット系という配合。
ストームキャットって、自身アメリカではリーディングサイアーに2回つき、産駒のGiant's Causewayもすでに3回リーディングサイアーとなっているように父系としては非常に優秀です。
しかし、日本でディープ×母父ストームキャット配合がブレイク(昨日もエイシンヒカリがエプソムC勝ってましたね)しているのとは違い、米国で母父としてはチャンピオン級は出していなかったんですよね。
ただ、なぜかUnbridledの系統とは相性がよく、Unbridled系×母父ストームキャットの配合ではウッドメモリアルSを勝ったBuddhaなど、調べた限りでも4頭のGⅠ馬が出ています。
日本関連では、NHKマイルC勝ち馬カレンブラックヒルの母チャールストンハーバーがUnbridled系のGrindstone×母父ストームキャットの配合馬です。

血統研究家の望田潤さんによると、Storm Catの血を引く大物には、Eight Thirty≒War Relic(≒Good Example)の相似クロスがあることがキモになっているそうで…。
確かにUnbridledには母方にWar Relicの6×6があり、そしてStorm Catは母方5代目にEight Thirtyの血が。
この2頭はFairy GoldとRock Sandの濃いクロスと、Himyar~Domino~Commando親子、Bend Or、そして名馬Man o'Warを通じた相似配合馬です。

Storm Catがノーザンダンサー系×母父Secretariatですから、基本的には柔らかい馬体にしなやかなキレのあるスピード能力を伝えやすいはず。
でも、大物になるためにはそこに米国血統を凝縮したEight Thirtyの血で頑強なパワーを補ってやる必要があって、War Relicは相似クロスによってアメリカンパワーを強力に増幅する…と書かれていたのはくりがしらさん

というワケで、Unbridled系×母父ストームキャット系の配合はスピードとパワーのいいとこどりができる素晴らしい組み合わせってわけですな(笑)。
確かに、American Pharoahのこれまでのレース振りは逃げ・先行しながら直線に入ると他馬をあっという間に置き去りにするスピードと、泥田のような不良馬場もものともしないパワーが見て取れます。

ここまで書いて、これはもっと長くなりそうだと気づいてしまったので(笑)、もう少し詳細な血統については明日以降に引き続き書いていきたいと思います。


2015年06月13日

American Pharoahが1978年のAffirmed以来37年振り12頭目の米3冠達成という快挙を成し遂げたということで、今回は最初で最後になるかも知れない(笑)現役米国馬についてレビューしてみたいと思います!

まず、American Pharoahのプロフィールと戦歴を調べてみました。

American Pharoahの父はサンタアニタダービーなどGⅠ2勝のPioneerof the Nile。母Littleprincessemmaは、3/4兄姉のStorm Wolf、Misty Rosetteが米重賞を勝っているものの、自身は未勝利です。
生産、オーナーは父と同様にオーナーブリーダーでもあるZayat Stables LLC。Zayat Stables LLCはエジプト人のAhmed Zayat氏が実質的オーナーです。このあたりが父同様馬名に表れてますね。

同馬は、これまでウォーエンブレムなど4頭の米二冠馬を育てている米西海岸の名伯楽、B・バファート師のもとに入厩し、昨年8月にデルマーのAW6.5FのレースでM.ガルシア騎乗でデビュー。しかし、そのレースでは圧倒的1番人気に応えられず10頭立ての5着に敗退してしまいます。。。

ところが、師がこの馬の2戦目に選んだのはなんと!GⅠデルマールフューチュリティ(AW7F)でした。
American Pharoahは前走で着用していたブリンカーを外し、耳には綿を詰めるという工夫を施され、鞍上には米西海岸の名手V.エスピノーザ騎手を迎えます。そしてレースでは2番人気に押されると、軽快にハナを奪うや影も踏ませず4.3/4馬身差の圧勝!!
初勝利がGⅠ勝ちという快挙を成し遂げます。そして、ここからがこの馬の怒涛の快進撃のスタートに。
今思えば、このレース選択と乗り替わりこそがAmerican Pharoahにとって三冠ロードへと続く大きな転機だったのかも知れません。

続いて中2週で出走したサンタアニタのGⅠフロントランナーS(ダート8.5F)でもハナを制し、直線に入ると力強く末脚を伸ばし、後続を振り切り3.1/4馬身差の完勝でGⅠ連勝を飾ります。

しかし、好事魔多し。次に出走を予定していた2歳王者決定戦・GⅠブリーダーズカップジュヴェナイルは、左前脚の挫石のためにレースを回避することになります。
ただ、今思えばこの激しいレースを使えなかったことによって2歳時の消耗を最小限に抑えられたというのも、三冠に向けての好材料となったのだと思います。

こうしてやや中途半端な形で2歳シーズンを終えたAmerican Pharoahですが、ブリーダーズカップジュヴェナイルを勝ったTexas Redは当時6番人気だったこと、American PharoahはTexas RedをフロントランナーSで3着に下していることから、15票差でエクリプス賞最優秀2歳牡馬に選出されたのです!
現在2歳GⅠが牡牝一つずつしかない日本ではありえないですね。ただ、ここでAmerican Pharoahに投票した方々の慧眼はスゴいですよ。。。

さて、明けて3歳になったAmerican Pharoahは足慣らしに3/14、オークローンパークのGⅡレベルS(ダート8.5F)に出走しました。
ここで同馬は他馬より4ポンド(約1.8kg)重い斤量を背負わされますがそれもなんのその。
これまで同様ハナを奪うと、他馬が泥んこ馬場でもがく中、軽く追われただけで直線で6.1/4馬身差を付ける圧勝!
正直ここでは半年ぶりの休み明けでも格が違うところを見せ付けました。

そしてAmerican Pharoahは次に中3週でケンタッキーダービーへのステップレースとなる、GⅠアーカンソーダービー(ダート8F)に出走します。
このレースは過去にも米2冠馬Smarty Jones、Afleet Alexなどが出走していた大変重要な前哨戦。日本で言えば皐月賞まで中3週のスプリングSなんかに相当する感じですかね。
ここではなんとAmerican PharoahはBridget's Big Luvyという伏兵にハナを譲り2番手に控えます。
鞍上のV.エスピノーザ騎手や調教師のB・バファート師にとっては、超絶ハイペースもありえる本番を見据えての試走として番手に控える競馬を試したかったのでしょう。
さて、American Pharoahのレース振りですが道中は番手でもしっかり折り合いがつき、4コーナー手前でBridget's Big Luvyがバテると待ってられん!とばかりに早々と先頭に立ちます。
そしてここからが圧巻。
V.エスピノーザ騎手は直線軽く気合を付けただけなのですが他馬は引き離される一方。最後は2着馬に8馬身差と、これまでで最大着差を付けるとんでもない強さを見せつけたのです。
アーカンソーダービーで大きな差を付けて優勝した馬達は間違いなく本番ケンタッキーダービーでも勝ち負けしていますし勝ち時計も優秀だったことから、American Pharoahは勇躍最大の有力候補として本番へ臨むことになりました。

さて、そして迎えた5/2の米三冠初戦、GⅠケンタッキーダービー(ダート10F)。
やはりここまで圧勝続きの2歳王者American Pharoahはここで1番人気に推されました。
2番人気は2冠馬Big Brownの産駒でここまで6戦無敗、前哨戦サンタアニタダービーの勝ち馬Dortmund。なんとこの馬もB・バファート厩舎の逃げ馬。鞍上はAmerican Pharoahのデビュー戦で手綱を取ったM.ガルシアです。
3番人気はここまで5戦4勝2着1回、前哨戦GⅠブルーグラスS勝ち馬でGiant's Causeway産駒のCarpe Diemと続きました。

レースは2番人気Dortmundが逃げる展開でスタートします。2番手には5番人気のFiring Line。
American Pharoahはアーカンソーダービー同様に外目の3番手に控える競馬。Carpe DiemはAmerican Pharoahを手前に見る位置でレースを進めました。
レースはスローペースで淡々と流れ、最後の直線勝負へ!
最内で逃げ粘ろうとするDortmundをFiring LineとAmerican Pharoahが捕まえにかかり3頭の叩き合いに。
Dortmundは残り200m地点で叩き合いから脱落。残った2頭の叩き合いは、やはり自力で勝るAmerican Pharoahが残り100mでFiring Lineを競り落し、1馬身差で先頭ゴール!!
レースはスローの前残り競馬でしたが、15番という不利な外枠からスタートし、終始外を回って最後に叩き合いを制したAmerican Pharoahは強いと思わせる内容でした。
ちなみに、米2歳王者のケンタッキーダービー制覇は2007年Street Sense以来8年振り2頭目です。
同オーナーの父・Pioneerof the Nileはケンタッキーダービー2着でしたから、その鬱憤も晴らした形となりました。

ケンタッキーダービーを勝ったAmerican Pharoahは、当然三冠2戦目のGⅠプリークネスS(ダート9.5F)に中1週で向かいました。
ここでAmerican Pharoahは単勝1倍台の圧倒的1番人気に推されます。
2番人気はケンタッキーダービー3着からの雪辱を狙うDortmund。
3番人気もケンタッキーダービーに出走して2着、逆転を目論むFiring Lineでした。
レースは激しい雨の中行われることに。馬場もまるで泥田のようです。
American Pharoahは今回1番枠からの発走で、好スタートを決めハナを奪います。
対するDortmundはやや離れた3番手に控え、ケンタッキーダービーとは逆の展開に。Firing Lineは5番手と中段からの競馬。
4コーナーを回り、他馬は騎手が手綱をしごき、鞭をふるう中American Pharoahは余裕の手応え。
直線に入り鞍上V.エスピノーザが後ろをチラリと見ると、スパート開始!あっという間に他馬との差は広がっていきます。
最後は手綱を緩める余裕を見せながら、7馬身差圧勝で2冠制覇を達成しました。
V.エスピノーザはウォーエンブレム、前年California Chromeに続く2回目の米2冠制覇。
B・バファート師はシルバーチャーム、Real Quiet、ウォーエンブレムに続く4度目の2冠制覇。

そして3週間後の6/6、運命の三冠最終戦・GⅠベルモントS(ダート12F)が行われることに。
三冠達成の期待が高まる中、ベルモントパーク競馬場には9万人の観衆が詰めかけました。
V.エスピノーザ騎手、B・バファート師ともに過去数回三冠制覇の夢を打ち砕かれた中、再びの三冠制覇のチャンスということで期するものがあったでしょう。
ただ、American Pharoahの三冠を阻止しようと他7頭も虎視眈々。
三冠2戦を戦ったDortmund、Firing Lineの姿はここになく、ケンタッキーダービーからプリークネスSをスキップしてここに臨む馬が5頭、ケンタッキーダービーは不出走でプリークネスSから参戦の馬が1頭、三冠2戦は出走しておらずベルモントSのステップレース・ピーターパンSから臨む馬が1頭。
なんと全馬有利なローテーションで、完全にAmerican Pharoah包囲網が敷かれたのです。

American Pharoahはここでも単勝1倍台の圧倒的1番人気。
2番人気はGⅠウッドメモリアルSの覇者でケンタッキーダービー4着から逆転を狙うFrosted。
続く3番人気はGⅠフロリダダービー勝ち馬で、ケンタッキーダービー6着から臨むMaterialityでした。

レースがスタートすると、5番枠からのスタートだったAmerican Pharoahは勢いよく飛び出し、前走同様先頭に立ち自らレースを作ります。2番手にMateriality、Frostedは中段から差す競馬。
American Pharoahは軽快に逃げます。4コーナーに差し掛かり、他馬は先頭に進出すべく追撃を開始!
しかし、American Pharoahの手応えには圧倒的な余裕が!この時点ですでに、多くの人が歴史が変わる確信を持ったはず。
直線に入り、中段から2番手に上がったFrostedが追いすがりますが、脚色の違いは歴然。
最後まで力強く伸びたAmerican Pharoahはプリークネス史上6番目の大差となる5.1/2馬身差の完勝で三冠制覇のゴール!!!
まさにアメリカの王という名前にふさわしい素晴らしい走りを見せてくれました。
走破時計も2分26秒65と過去7番目のタイムという芝並みの速さで、このレースを勝ったことでAmerican Pharoahは昨日発表されたワールドベストレースホースランキングで128ポンドの単独トップに立っています。

そして、American Pharoahはすでに世界ナンバーワンの生産グループであるクールモアスタッドが種牡馬としての権利を買い取っており、今年いっぱいで引退し種牡馬入りすることが確実視されています。
Galileoなども擁するクールモアのバックアップを得たことで、種牡馬としての未来も前途洋々。
果たして、残された期間で夏の上り馬や古馬と戦い、どんなレースを見せてくれるのか楽しみです。

明日は、当ブログらしくAmerican Pharoahの血統探検に行ってみたいと思います!