2020年01月

2020年01月19日

前回更新からだいぶ間が空いてしまい、新年を迎えてしまいました。。。
お久しぶり&遅ればせながら明けましておめでとうございます。管理人のfreamです。
相変わらずの遅筆で昨年は(も?)あまり記事を書けませんでしたが、身内POGは指名時の微妙な手応えの割にはなかなかの好調子(1/7現在4位)なのはうれしい誤算でしょうか。
また、年明け最初の3歳重賞・GⅢシンザン記念を1位指名馬サンクテュエールが勝利!
今年も血統をしっかり見てPOGに活かしていきたいですね~。

そして今年最初の更新となる今日のエントリーは、引き続きの身内POG指名馬レビューです。
理想を言えば年をまたがずにこのレビューは終わらせたいんですが、なかなかそういかないんですよねぇ…。
仮にもネット上に文章を公開している手前、中途半端なものを書くわけにもいかないんですが、しがないリーマンはやっぱり平日に時間を作るのが難しい。。
土日の空いた時間で馬の血統を見、解説文を書いていくと1週間では終わらなかったり。
それでも、4年半以上休みをはさみながらもこうして血統を見てきたおかげで、格段に知識は増えてきたのかな~とは思います。

さて、自分語りが長くなってしまいましたが、戻って今日ははりまさんの指名馬レビューです。
優勝1回、トータルプラスの猛者のはりまさんですが、いい馬を指名して上位に食い込んでもさらに走る馬を指名した人がいたり…という状況で、このところは優勝から遠ざかられています。
今年は久しぶりの優勝を狙い、以下の馬達を指名されましたね。


1位.アルジャンナ(コンドコマンドの2017)
2位.ディアスティマ(スウィートリーズンの2017)
3位.アドマイヤミモザ(キラモサの2017)
4位.ブルーミングスカイ(ブルーミンバーの2017)
5位.ヴィアメント(ダイワズームの2017)
6位.イデアル(プリンセスオブシルマーの2017)
7位.ゴールデンレシオ(ディヴィナプレシオーサの2017)
8位.エムテイオー(サーキットレディの2017)
9位.サングノーブル(サングレアルの2017)
10位.ローヌグレイシア(アーデルハイトの2017)


1位指名はアルジャンナ(牡)。
父はディープインパクト、母はコンドコマンド(父Tiz Wonderful)。
生産はノーザンファーム、馬主は吉田勝己(社台GO)、栗東・池江泰寿厩舎所属。
2017年セレクトセール当歳セッションでは、税込1億8360万円という高額で落札されました。
ただ、その後購買者であった(株)KTレーシングが色々()あって今年春に馬主業から撤退、吉田勝己氏名義の社台GO所属馬となっています。
この情報を見てドラフトの指名を躊躇された方も方かも知れませんね。。。

母のGⅠ勝利は2歳時のスピナウェイSのみ、しかし全5勝(重賞3勝)で2着に付けた着差の合計は約44馬身と、勝つときは非常に強かったようです。
また、祖母Yearly ReportはGⅠ勝ちこそありませんが米GⅡ3勝の活躍馬です。
本馬は母の初仔。

血統は5代アウトクロス。
何せ、母父が貴重なGodolphin Arabian(ゴドルフィンアラビアン) - Man O' War(マンノウォー)から伸びる異系のIn Reality系種牡馬ですからね。

とはいえ、母は異系配合というワケではなく、Seattle Slew5×3・5にRaise a Native5×5クロス持ちでNorthern Dancerも5代内でクロスは発生していないものの、計6本を保有しています。
また、Mr.ProspectorやAlydarにSecretariatの名前も血統表に見ることができますね。
実は血統の大部分は米国主流血統で固められているワケです。

ちょっと細かくこの馬の母系の血統を見ていきます。
まず4代母Fiscal Goldは父Slew o' Goldと母父Foolish PleasureともにBold Ruler×Tom Fool系という相似配合の持ち主。
※さらに言えばSlew o' Goldも、Striking=Busher≒BusandaとPrincequilloクロス持ちの強い相似配合馬。
で、曾祖母Fiscal Yearは「Northern Dancerとナスキロの血の組み合わせ」の父母から誕生したこれまた相似配合馬。
祖母Yearly ReportはSeattle SlewとNorthern Dancerクロス持ちで、曾祖母の相似配合を継続発展しています。
そして母の代でCee's SongにStorm Catとやはり「Northern Dancerとナスキロの血の組み合わせ」を2本持つTiz Wonderfulとの配合により、さらなる相似配合の継続発展がみられるワケです。

ここまで来るとや煮詰まった配合になってしまうんですが、そこで血統に1本Relaunchという完全異系の血のエッセンスが注入されることで、活力が産まれているというのが母方の血統構成になります。

戻って、母とディープとの相性という部分で言えばStorm Cat持ちがまずポイント。
母は、先程述べたようにStorm Cat同様の「Northern Dancerとナスキロの血の組み合わせ」が多い強い相似配合馬でもあるため、その威力は増しているでしょうね。
また、パワーの増強については母父が異系米パワーを供給してくれるRelaunch系、母母父もパワー満点で母系に入って良いGeneral Meeting、代が遠いながら母系から継続してNorthern Dancerのクロスが発生…ということを考えるとあまり心配はないかな、と。

総合すると、母が米国血統馬なのでスタミナと持続力を補強する仕掛けはなく中距離ランナーという印象ですが、5代アウトクロスでも母系からスピードやパワーの増強はできているというのが評価になります。
もちろん、クロスを持っている馬に比べれば爆発力は見劣る可能性はありますが…。

本馬は9/8阪神芝2000m新馬戦でデビュー。
5頭立ての少頭数でしたが、じっくり後方からレースを進めると直線では図ったように抜け出し、余裕の手応えで1着ゴールを果たしました。
ここでは力が違った感じでしたね。

2戦目は強気に格上挑戦し、GⅢ東京スポーツ杯2歳Sに参戦。
ここでは1番人気を譲ったコントレイルをマークする形でレースを進めました。
直線で追い出し先に抜け出したコントレイルを追います……が、同馬は化け物でしたね。。
追いつくどころか逆に広げられ、2着は確保したものの5馬身差を付けられる完敗でした。

さすがに続くGⅠホープフルSも完勝したコントレイルでは相手が悪かった印象ですが、それでも賞金加算には成功しOPクラスのレースには確実に出られるようになりました。
とは言え、来春のクラシックレースに参戦するには微妙なラインです。
また、馬体重も460kgですからさらに成長し賞金を加算する必要がありますね。


2位指名はディアスティマ(牡)。
父はディープインパクト、母はスウィートリーズン(父ストリートセンス)。
生産はノーザンファーム、馬主はサンデーレーシング、栗東・高野友和厩舎所属。
サンデーレーシングから一口375万円×40口の総額1億5000万円の世代最高額で募集されました。

母は2歳夏のデビュー戦を圧勝後に出走したGⅠスピナウェイSをこれまた圧勝。
明け3歳夏にはエイコーンS・テストSとGⅠを2連勝し計GⅠ3勝をあげた快速馬です。
また、おばにはGⅢフロリダオークス勝ちのドントフォゲットギルがいます。
本馬は母の初仔。

血統はNorthern Dancer5×5クロス持ちとシンプルですね。
全体的に母の血統を見ると、米国馬にかかわらず3/8欧州血統が入っている点が一つポイントでしょうか。
Helen Street、Majestic Legend、Blushing Groomがそれにあたりますが、これらがFair Trial・Donatello・Hyperion・Wild Riskを通じてBurghclereと脈絡し、スタミナと持続力を増強します。

また、母父ストリートセンスは祖父がディープとニックスのMachiavellian。
これはもちろんHaloクロスが発生することが要因になってます。
本馬の場合はHalo≒Sir Ivorの3・5×6にさらにRed Godが脈絡して、父の配合を継続発展させています。
また、MachiavellianとRed Godの息子Blushing Groom持ちという点はヴィルシーナ・ヴィブロス姉妹と共通ですね。
ただ、Machiavellianが4代目まで後退していてHaloを5代内でクロスしていない点で、ヴィルシーナ・ヴィブロス姉妹と比べるとクロスの影響力は弱いでしょうね。

配合的にはNorthern DancerとHalo≒Sir IvorにRed Godの脈絡と弱めのクロスを活かしたからゆるやかな父母相似配合と言えます。
父母の能力を活かしながら瞬発力などの長所を伸ばす方向性でしょう。
また、スタミナと持続力を増幅する仕掛けがあることから中距離~クラシックが距離適性と考えられます。
この2つの要素からは、明け3歳以降の中距離戦で真価を発揮しだすのかな…と感じますね。

本馬は10/5京都芝1800m新馬戦でデビュー。
スタートを出ると、平均~スローペースの2番手を進み、余裕の手応えから直線残り300m地点で先頭に立ちます。
外から2着馬が差してきますが、そのまま馬体を並ばせずに1番人気に応え1.1/4馬身差の勝利を飾りました。

2戦目に出走したのは阪神芝2000mの1勝クラス・エリカ賞。
ここでも好位につける競馬でレースを進めます。
レースはスローペースで展開し、先行勢に有利な流れとなり結局逃げたヒュッゲが押し切り。
ディアスティマは差してきたチュウワノキセキに交わされ、3着に終わりました。

しかし、強気に格上挑戦したGⅢ京成杯では1,2着馬からはやや離されたものの、直線しぶとく伸びて3着に入線しました。
クロスの影響が弱く、キレッキレのディープ産駒でないことからも毎回勝ちきれはしないながらも、しっかり好走するタイプでしょうか。
ただ、本賞金は加算できなかったためまだ1勝馬の身であり、勝ちきれないタイプと考えると今後クラシックに参戦するためのローテーションは厳しくなってきそうです。


3位指名はアドマイヤミモザ(牝)。
父はハーツクライ、母はキラモサ(父Alamosa)。
生産はノーザンファーム、馬主は近藤旬子氏、栗東・友道康夫厩舎所属。

母はニュージーランド産まれ。
重賞は2勝、3歳時にGⅡウエイクフルS、GⅠVRCオークスと2連勝を飾っています。
曾祖母Olga's PalはGⅠNZ1000ギニーの勝ち馬で、代々ニュージーランドで血を繋げてきた牝系ですね。
本馬は母の初仔。

血統は、5代アウトクロス。
母はNorthern Dancer5×5クロスを1本持つのみ、祖母Freyjaも5代アウトクロスという状況で、クロスに頼らない健康的な配合となっています。
母父Alamosaの母Lodore Mystic、4代母Tinawinがニュージーランドの雑草血統で構成されているのがアクセントになっていますね。
一方、母は3代父ラストタイクーンと母父DanskeがNorthern Dancer×ナスキロ(ロイキロ)でゆるやかに脈絡しており、ここが母の血統の最大のポイントと言えます。

一方で、本馬の血統ではハーツクライ産駒でパワー増幅の定番手段となっているNorthern Dancerクロスは5代内にはありません。
また、他に脈絡するような血も近い代には見当たりません。
遠い代ならHalo≒Sir IvorやFair Trialクロスがありますが、劇的に能力を底上げするようなレベルではないですかね…。
配合から見るとやや晩成型の中距離タイプという感じの判断になるでしょうか。

本馬は8/25新潟芝1800m新馬戦でデビュー。
道中は後方で脚を溜め、4コーナーを回ると新潟の長い直線を利して外から追い込みます。
最後はさらに外から追い込んできたリグージェとの追い比べになりましたが、牡馬と牝馬、追うものと追われるものの差か最後はハナ差差し切られ2着に敗れました。

2戦目は10/12京都芝2000m未勝利戦。
1番人気に推されましたが、雨の不良馬場が応えたか、後方追走から勝ち馬に大きく離された4着に終わっています。
まずはパワーを付けて未勝利を脱出したいところです。


4位指名はブルーミングスカイ(牡)。
父はディープインパクト、母はブルーミンバー(父ファルブラヴ)。
生産は社台ファーム、馬主は島川隆哉氏、栗東・角居勝彦厩舎所属。
2018年のセレクトセール当歳セッションにて、1億800万円の高値で取引されています。

母は現役時代、信越S・ラピスラズリSと芝1200mのオープンを2勝、計7勝をあげています。
さらに祖母のタヤスブルームはGⅢフェアリーS勝ちと、2代続けてオープン勝ちを果たしています。
半姉トーセンブレス(父ディープインパクト)も現在オープン勝ちはないものの、GⅢフラワーCでは2着に入っていますね。
半兄ブランクエンドも2勝して現役で活躍中と、堅実に活躍馬が出ているファミリーです。

半兄とは血統的には血統はNorthern Dancer5×4・5・5クロス持ちが共通していますね。

さらに父がディープに替わり、母父ファルブラヴという配合はハープスターと同じですね。
また、母母父Caerleonの血を持つディープ産駒といえば、ダノンシャークが思い浮かびます。
いずれの血も、Northern Dancer+ナスキロ・ロイキロという血統構成でAlzaoと脈絡するのがポイントです。
さらに言えば、曾祖母ゲイロレンヌも同様にNorthern Dancer+ナスキロ血脈なので、徹底してAlzaoを強化する配合になっています。

全姉トーセンブレスの成績を見ても最速上りを何回も使い、直近2戦の3勝クラスのレースではいずれも32秒台の脚を使っていることから配合通り瞬発力に優れたタイプになりそう。
ただ、配合的にはその一点のみに収束しているため、距離に限界があったりパワーでやや見劣ったり…ということは考えられますね。

本馬は7/7中京芝2000m新馬戦でデビュー。
スタート後は後方待機も、3コーナーから位置取りを上げる積極的な競馬を見せました。
ただ、その後GⅢ京都2歳Sまで3連勝を飾るマイラプソディに差し切られ、このレースは3着でした。

次走の小倉芝1800m未勝利戦では、2,3番手の好位を追走し直線では末脚一線。
最速上りで2着に7馬身差をつける圧勝で初勝利を飾っています。

3戦目の1勝クラス紫菊賞では出遅れながらもまた最速上りを使い、2着。
しかし、その後は黄菊賞4着、ホープフルS7着と着順を落としています。
ただ、未勝利と紫菊賞を見ても良馬場の末脚比べになれば充分2勝目もあげれるはずです。
次走は2/1の梅花賞を予定。


5位指名はヴィアメント(牡)。
父はキングカメハメハ、母はダイワズーム(父ハーツクライ)。
生産は社台ファーム、馬主は社台レースホース、美浦・鹿戸雄一厩舎所属。

母は現役時代4勝、勝ち上がるまでは7戦を要したもののそこからデイジー賞→スイートピーSと3連勝を飾り、GⅠオークスにも出走しています(6着)。
祖母フォルナリーナは桜花賞トライアルのGⅡ報知杯4歳牝馬特別で3着に入線しました。
本馬は母の初仔。

血統はMr.Prospector3×5クロス持ち。
配合的には、4代母から継続する父母相似配合が特徴です。
まず、4代母Halo ReplyはNearco、Almahmoud、Sir Gallahad=Bull Dogクロス持ちの父母相似配合。
曾祖母プレイヤーホイールはNative Dancer、Turn-toクロス持ちの弱めの父母相似配合。
祖母フォルナリーナはNasrullahとTurn-toの多重クロス、Hail to ReasonとBold Rulerクロス持ちの父母相似配合。
母ダイワズームはHaloとNorthern Dancerクロス持ちの弱めの父母相似配合ですが、Halo×Northern Dancerという血統構成の4代母Halo Replyをハーツクライが強調する配合でもあります。

そして、本馬の代では5代内クロスこそMr.Prospectorのみですが、Specialとトニービンの脈絡、ラストタイクーン・ハーツクライ・Halo Replyの脈絡が見られる配合形。
これまで牝系で積み上げてきた父母相似配合を継続発展させています。
まぁ、いずれも米血をクロスしているため持続力・スタミナ・底力に関してはあまり強調できないかも知れませんが、スピードの上積みはしっかりしているはずです。

一点気になる点を挙げるとすれば、父母相似配合を重ねている=似た血が集まり、煮詰まった血統構成で活力が失われていないか…というところでしょう。

本馬は8/11札幌芝2000m新馬戦でデビュー。
ここでは2番人気に推されるも、3番手から後続馬に交わされ5着に終わりました。
その後、9/15中山芝1800m未勝利戦3着、10/15東京芝1800m未勝利戦2着と着順を上げ、11/23東京芝1800m未勝利戦で4戦目にして初勝利を挙げています。

その後、格上挑戦で本日行われたGⅢ京成杯に挑戦しましたが、さすがに相手が強かったか1.2秒差の8着に敗れました。
ただ、母も勝ち上がりまで時間を要しながらしっかり力を付けましたから、本馬も1勝クラスから出直しという感じでしょうか。


6位指名はイデアル(牝)。
父はディープインパクト、母はプリンセスオブシルマー(父マジェスティックウォリアー)。
生産は社台ファーム、馬主は社台レースホース、栗東・矢作芳人厩舎所属。

母は米国産で15戦9勝2着3回。
ケンタッキーオークス、CCAオークス、アラバマS、ベルデーム招待SまでGⅠ4連勝を飾った活躍馬。
大一番のブリーダーズCディスタフこそ6着に敗れましたが、それ以外の全レースで掲示板を確保していました。
全兄ダノンラスターは新馬勝ちを飾りましたが、その後2勝目はまだあげられていません。

血統はNorthern Dancer5×6・6・5クロス持ち。
そこから発展して、Alzao≒Golden Wave Band≒Spinning Round≒Storm Catの3×3・4・4という多重相似クロスが発生しています。

さて、GⅠ4連勝を果たした母ですがその源は強烈なクロスを有するその血統にあります。
Dixieland Bandの4×3、Northern Dancerの5×5・4、Secretariatの4・5×5、Mr.Prospectorの4×4と4つのクロスが発生。
さらにそれらのクロスの脈絡からSpinning Round≒Storm Cat≒Golden Wave Bandの3×3・2という強烈な相似クロスが発生しているのです。

そもそも、母父であるマジェスティックウォリアーはSecretariat、Bold Ruler、Buckpasserのクロスを有する父母相似配合。
そして祖母Storm DixieはStorm Cat≒Golden Wave Bandの2×1という強烈な相似クロスを有しています。
さらに祖父母間で先程述べたクロスと強烈な相似クロスが発生し、とにかくスピードと瞬発力を突き詰めて強化する配合になっています。

もちろんそれがディープとの配合でさらに発展継続されてはいるのですが、本馬の代までこれだけ相似クロスを重ねると煮詰まった配合ですよね…。
そして血統表中でHalo≒Sir Ivor≒DroneにSecretariatが脈絡するということは、とにかく緩さが強調されてしまうという弊害があります。
Northern Dancerクロスもやや代が遠く、パワーを増幅する要素も他に目立ったものはありませんから、能力を3歳戦で発揮できるかはやや厳しいかも知れません。

本馬は12/14阪神芝1600m新馬戦でデビュー。
調教であまり動いていなかったことから6番人気の評価でしたが、レースでは後方追走からそのまま脚を使うところもなく、勝ち馬から2秒差の15着に敗れました。
勝ち上がるには、しっかりとした再鍛錬が必要そうです。


7位指名はゴールデンレシオ(牡)。
父はディープインパクト、母はディヴィナプレシオーサ(父Crocker Road)。
生産は追分ファーム、馬主はDMMドリームクラブ、美浦・国枝栄厩舎所属。

母は南米チリで産まれ、ミルギニーズ(チリ1000ギニー)、タンテオデポトランカスとGⅠを2勝しチリの2歳牝馬チャンピオンに選出されています。
その他近親に目立った活躍馬はいませんが、4代母は1981年に牝馬ながら創設期のジャパンカップに勝利したメアジードーツと日本にも馴染みのある牝系です。
全兄カズマークセンは現在未勝利を勝ったのみと、まだ目立った産駒成績は残っていません。

血統はNorthern Dancer5×5・6クロス持ち。
さらに、AlzaoとCrocker Roadがゆるやかに脈絡しています。

ちなみに母はNorthern DancerとTurn-toのクロスを持つ父母相似配合馬。
しかし、強烈なのは母父Crocker Roadで、名牝Gay Missileの2×4にこれまた名牝Somethingroyalの4×4、そこから発展したSecretariat≒Sir Gaylordの3×5・3という強い相似クロスを持っています。
とにかく、しなやかな馬体から繰り出される斬れる末脚という特徴を強調しており、母の能力もこの血を恩恵を受けたものと考えられます。

そして、本馬の代でもその配合は発展継続しているワケですが、瞬発力の強化はやはりCrocker Roadの配合の強烈さを考えるとパワーよりも緩さが目立つ配合なのかな、と…。
母はチリ産ですが血統構成的には米血中心のため、スタミナや持続力・底力を増幅できないのも物足りない点ではあります。

本馬は7/7福島芝2000m新馬戦でデビュー。
1番人気に推されましたが、スタートで出遅れ後方からの競馬に。
直線の短い福島競馬場でスローペースとなったこともあり、馬群を縫って最速上りの末脚を伸ばすも、3着に敗れました。

次走8/24の新潟芝1800m未勝利戦でも変わらず出遅れ最後方からの競馬となります。
しかし、直線外に出されると勢いよく伸び、先頭ゴールインを果たしました。
2位と1秒差の最速上りを使っての完勝でした。

しかし、この快走が祟ってしまったかその後左前浅屈腱炎を発症。
経過は良好のようですが、POG期間内の復帰は厳しそうですね。


8位指名はエムテイオー(牡)。
父はジャスタウェイ、母はサーキットレディ(父Grand Slam)。
生産は千代田牧場、馬主は大野剛嗣氏、栗東・須貝尚介厩舎所属。

母は米国産で短距離戦中心に3勝をあげた中級条件馬。
いとこには障害重賞を2勝しJ.GⅠ中山大障害で2着に入ったタイセイドリームがいます。
きょうだいで勝ち上がったのは6頭中2頭ですが、そのうちの1頭3/4半姉ダノングラシアスはGⅢファンタジーSで2着に入線しています。

血統は5代アウトクロス。
ただ、相似クロスでいえばIcecapade≒Northern Dancerの6・5×5・6があるでしょうか。
母はBold Ruler、Northern Dancer、Buckpasserクロス持ちの弱い父母相似配合馬ですが、父ジャスタウェイと脈絡する血は見当たらないですね。
血の活力を上げつつ、シンプルに父母のスピードの引き継ぎを目指す配合でしょうか。

本馬は12/8中京芝2000m新馬戦でデビュー。
スタート後に先手を取ると、そのままスローペースの逃げに持ち込みます。
直線に入っても先頭のまま粘りましたが、最後は2番手を進んでいたテンピンに交わされ2着でした。

2戦目は矛先をダートに変えて阪神の未勝利戦に出走。
2番人気でしたが出遅れ、最後方追走からバテた馬を3頭交わした13着に終わっています。

ダート戦は結果が出ませんでしたが、芝に戻れば未勝利は脱出できそうです。


9位指名はサングノーブル(牡)。
父はロードカナロア、母はサングレアル(父ゼンノロブロイ)。
生産はノーザンファーム、馬主はサンデーレーシング、栗東・池添学厩舎所属。

母は13戦して2勝のみのですが、GⅡフローラSに勝利しています。
そしてすごいのはおじにアドマイヤジャパン、アドマイヤオーラ、トーセンレーヴと3頭の重賞勝ち馬、おばにブエナビスタ、ジョワドヴィーヴルと2頭のGⅠ馬がいるビワハイジ一族の一員です。
本馬は母の初仔。

血統は、Mr.Prospectorの4×5にNorthern Dancer6・6・8・5×5クロス持ち。
ラストタイクーン、Storm CatとCaerleonの脈絡が見られますね。

ロードカナロア産駒としてはパワーを増幅したいところですが母は柔らかい芝馬で、かつクロスもパワーではなくスピードとしなやかさ、柔らかさを増幅する方向のものですね。
良血ではありますが、パワー不足が気になるところです。
配合からは、早期から能力を発揮するタイプではないように思えます。

本馬はまだ未出走。
緩さがあるのかなかなか仕上がらず、気性面も問題があるとのこと。
ゆっくりとした目で見てあげたい一頭です。


10位指名はローヌグレイシア(牝)。
父はクロフネ、母はアーデルハイト(父アグネスタキオン)。
生産はノーザンファーム、馬主はシルクレーシング、栗東・池添学厩舎所属。

母はビワハイジ産駒ですから、9位指名のサングノーブルとはいとこ同士の関係です。
ちなみに母はきょうだいと異なって自身は1戦して未勝利で引退しています。
ただ、母系は先程述べた通り超優秀。
きょうだいに大きなところを勝った馬はいませんが、3勝しOP忘れな草賞勝ち、GⅢクイーンC3着がある全姉ロッテンマイヤーを筆頭に、4頭全馬が勝ち上がっています。

血統は、Northern Dancer5×5クロス持ち。
そこから発展してフレンチデピュティとCaerleonの脈絡が見られます。
クロス自体は1本ですが、父がパワー型のクロフネですから母が柔らかいタイプかつフレンチデピュティとCaerleonの脈絡でバランスが取れている印象です。

その他の血の脈絡は見られず、シンプルに父母の能力を活かす配合形。
いとこのサングノーブルとは方向性が異なっていますね。

本馬は7/14中京芝1200m新馬戦でデビュー。
単勝1.5倍の1番人気に推されましたが、出遅れて中段外から追い上げる形に。
しかし忙しい距離で追走に脚を使ったのが影響したか、伸びきれず6着に敗れています。

その後は休養を挟み、距離延長して9/21阪神芝1600m未勝利戦に出走しました。
ここではしっかりスタートを切って逃げるレースを選択しましたが、最後はバテて8着に敗退。

3戦目はダートに転戦し、10/14京都ダート1800m戦に出走。
ここでも逃げる競馬を見せ、勝ち馬には1秒差を付けられたものの3着と初めて掲示板を確保しました。
しかし、4戦目の阪神ダート1800m戦では逃げられず、先行勢が崩れるペースの影響もあったか15着と大敗を喫しました。
どうにもうまく歯車がかみ合いませんが、ペース配分次第で勝ち上がりはできそうです。


さて、最後は管理人ことblood_freamが血統などから、はりまさんの指名馬の中で最も賞金を多く獲得するであろう馬を予想します!
配合的に爆発力は高くないものの、母父に異系のワンポイントエッセンスがあるところが光るアルジャンナですね!
個人的には今、Tiznowを血統表に持つ馬達が気になっているというのもあります。
(自分の6位指名馬・ギルデッドミラーは母父Tiznow。)
アルジャンナはクラシックに参戦するには本賞金が心もとない状況ですが、年が明けてどのような成長をみせてくるでしょうか。