2019年08月

2019年08月10日

ディープインパクトが亡くなって約10日…。
先週の競馬でもディープインパクト追悼競争が施行され、未だに各メディアでもこの話題が取り上げられていた中、先程さらに衝撃のニュースが飛び込んできました。

先日種牡馬引退が発表され、余生を送っていたキングカメハメハが昨日夜亡くなったことが分かりました。18歳でした。
近年は生殖器に腫瘍が出来、その影響による体調不良が報道されていましたが、まさかディープの後を追うように亡くなるとは…。

現役時代はいわゆる「マツクニローテ」でNHKマイルC、日本ダービーの「変則2冠」を達成。
NHKマイルCは大外一気の競馬で2着に5馬身差(同レース最大着差)を付ける大圧勝、1.32:5という時計もレースレコードでした。
日本ダービーは1000m通過57秒6という超ハイペースを早め先頭から押し切る強い競馬!
2分23秒という時計も1990年にアイネスフウジンが記録したダービーレースレコードを2秒も更新する時計での勝利でした。
しかし、3歳秋には激戦の影響か右前浅屈腱炎を発症し早々に現役を引退することになりました。

引退後は初年度産駒から牝馬クラシック3冠を制したアパパネなどを輩出し、2010,2011年と2年連続でリーディングサイアーの座を獲得。種牡馬としての地位を不動のものとしました。
一方、ディープインパクト産駒が出てきてからは昨年まで7年連続でサイアーランキング2位とディープの牙城を崩すことはできませんでした。
ただ、すでに産駒のルーラーシップ、ロードカナロアが種牡馬としてそれぞれGⅠ馬を輩出し、「種牡馬の父」として孫世代の産駒たちがターフで活躍しています。
来年は2冠馬ドゥラメンテが種牡馬デビュー、現役の日本ダービー馬レイデオロも種牡馬入りは間違いないところで、日本で「キングカメハメハ系」としてサイアーラインを築いていくことになるでしょう。


まぁ、何のかんの言っても、悲しいかな我々は競馬が行われていれば馬券も買うし、ディープ産駒もキンカメ産駒もいなくなっても変わらずPOGもやるワケです(苦笑)。
というワケで今回からは、2019 - 2020シーズン身内POGの自分以外の参加者の方の指名馬レビューをしていきます。

アイウエオ順で、今日は柏倉さんの指名馬紹介です。
柏倉さんは一昨期のPOGから参加されて今回がまだ3回目となります。
まだキャリアが浅いこともあってか過去2年はOP以上で勝った馬を指名できず、上位進出はできませんでした。
ただ、GⅠ馬の子供や活躍馬の下、良血Frankel産駒などを指名されているので、いつ爆発してもおかしくないですね!


1位.シルヴェリオ(シルヴァースカヤの2017)
2位.サトノレガシー(スカイディーバの2017)
3位.タイミングハート(リッスンの2017)
4位.フェアレストアイル(スターアイルの2017)
5位.ブレッシングレイン(レインデートの2017)
6位.イグニタス(ガーネットチャームの2017)
7位.ウインキートス(イクスキューズの2017)
8位.テゴナ(サーリセルカの2017)
9位.ネクサスアルかナム(ボージェストの2017)
10位.ヴァンタブラック(プチノワールの2017)

1位指名はシルヴェリオ(牡)。
父はハーツクライ、母はシルヴァースカヤ(父Silver Hawk)。
生産はノーザンファーム、馬主はサンデーレーシング。栗東・池添学厩舎所属。
1口300万円×40口の総額1億2000万で募集された高額馬です。

プロフィールを見ればそれも納得。
母はGⅢのミネルヴ賞(芝2500m)とロワイヨモン賞(芝2400m)に勝ち、半兄Seville(父Galileo)が豪GⅠザメトロポリタン勝ち馬。
父ディープインパクトの半兄2頭、シルバーステートは5戦4勝と高い素質を見せながら故障により引退し種牡馬入り。
もう1頭の半兄ヘンリーバローズは、新馬戦で後のダービー馬ワグネリアンと大接戦を演じ、未勝利戦は4馬身差の圧勝を飾りながらこちらも故障で引退し種牡馬入りしています。
今回、父がハーツクライに代わり体質は丈夫!というコメントでドラフト前に大人気した1頭ですね。

血統はHail to Reason4×4にNorthern Dancerの5×5クロス持ちで、シルバーステートたち同様シンプルな父母相似配合になっています。
一方で、シルバーステートら父ディープの半兄2頭と異なる点も。
それは、父母ともに配合のポイントが共通しており、そのポイントを本馬の代で継続・発展させている点にあります。

ハーツクライ自身は、血統のキモとしてBlue Larkspur・Sir Gallahad・Teddyの脈絡によるNothirdchance≒Revoked≒Businesslikeの4×5・6相似クロスを有しています。
一方、本馬の母シルヴァースカヤも以前「2017 - 2018シーズン、21th身内POG指名馬レビュー!!(第13回)」で触れているように、同様の仕掛けを有します。
具体的にはBlue Larkspur・Sir Gallahad=Bull Dogの脈絡によるNothirdchance≒Rarelea≒Bull Pageの4・4×5相似クロスです。

つまり、本馬の代では父母の相似クロスが継続・発展してNothirdchance≒Revoked≒Businesslike≒Rarelea≒Bull Pageの5・6・7×5・5・6という相似クロスが発生しています。
半兄2頭にはこういった仕掛けはなく、最良の父に能力のある母を迎えたベストトゥベストの配合でしたが、本馬は兄に足りなかった米パワーを強化する意味では非常に興味深い配合と言えるでしょうね。

一方で、長所を伸ばすこの配合も見方を変えればある方向性の能力ばかりが強く、融通には欠ける配合とも言えるカモ知れません。
具体的には、父母ともに長距離型でやや晩成(母は3歳3月デビュー)、米パワーを活かした持続力型…。
この長所はあまりPOG向きではないので、そこが懸念点かなぁ、と。。。

本馬は6/23の阪神芝1800m新馬戦でデビュー。
ただパドックでは馬っ気を出すなど集中力を欠き、子供っぽさを出していたようです。
レースでは1番人気に推されましたが、やや重めの馬場にも苦戦したか後方から差を詰められず1秒差の4着に敗れました。
今後は放牧に出て秋まで待機…のようですが、2,3歳戦では苦戦が予想されそうです。


2位指名はサトノレガシー(牡)。
父はディープインパクト、母はスカイディーバ(父Sky Mesa)。
生産はノーザンファーム、馬主はサトミホースカンパニー。栗東・池江泰寿厩舎所属。
2017年のセレクトセール当歳セッションでは2億1060万円という高値で取引されました。

母は米4戦2勝、GⅠフリゼットSに勝利し、BCジュヴェナイルフィリーズでも3着に入っています。
おばのクイックリトルミスはGⅠハリウッドスターレットS2着など重賞入着3回。
一方本馬のきょうだいは1頭が未出走、JRAで出走した3頭は全兄アルビオリクスが挙げた未勝利戦の1勝が唯一の勝利…と、あまり優秀な成績は残せていません。
みなセレクトセールやクラブで高額で募集されているように、期待度は高いハズですが本馬は果たして。

血統を見ていくと、本馬は5代内ではアウトクロス。
ということで母の血統を掘り下げてみたいと思います。

母はSecretariat5・5×4、Mr.Prospector4×4、Bold Rule6・6×5・5クロス持ち。
血統表は主に米国血統で構成されています。
Bold Rule系とRaise a Native系が血統表の半分以上を占める、やや煮詰まった配合ですね。
そんな中で、母父Unbridledが持つDr. Fager、Le Fabuleux、In Realityの血は貴重な1/4の異系血脈として存在しています。

本馬の配合に戻ると、ディープとニックスのStorm Cat、Unbridledが母系にあるのは好印象。
ただ、やはり母の配合の核をなすのはSecretariatにMr.Prospectorと、柔らかさしなやかさに素軽いスピードが特徴の血。
特に気になるのはディープと相性の悪い母のMr.Prospectorクロスですね。
ついにグランアレグリアが母父Pulpit 系+母Mr.Prospectorクロス持ちのGⅠ勝ち馬となったものの、スピ―ド任せのレース振りで負けるときは人気でもコロッと負ける淡泊さがありました。
今期もリアアメリアが新馬戦で8馬身差勝利を飾り今後が期待されていますが、いずれも牝馬。
きょうだいも走っていませんから、本馬は牡馬としてこのジンクスを破ることが出来るのか、がポイントになります。


3位指名はタイミングハート(牡)。
父はディープインパクト、母はリッスン(父Sadler's Wells)。
生産はノーザンファーム、馬主はキーファーズ。栗東・武幸四郎厩舎所属。
2018年セレクトセール1歳セッションでは2億520万円という高値で取引されました。

本馬も良血馬ですね。
母はGⅠフィリーズマイル勝ち馬、全姉タッチングスピーチはGⅡローズS勝ち馬です。

さて、本馬は上記プロフィールもあり毎年のようにPOGでは人気の1頭。
血統は、これまでもきょうだい達をレビューしています。

Northern Dancer5×3、Hail to Reason4×5、Almahmoud5・7×5クロス持ち。
父のHalo≒Sir Ivorと母方のIrish River・ボールドラツドが脈絡し、末脚の斬れを増幅。
ただ、一方でパワーを増幅する血は少ないために緩さからくる晩成傾向が懸念点…というのがこれまでの認識。
これは、今までのきょうだいの成績からも明らかでした。

全兄サトノルークスは2歳未勝利→2歳500万下→リステッドすみれSと3連勝で今年の皐月賞とダービーに駒を進めましたが、それぞれ14,17着と歯が立たずに終わりました。
この馬も素質は高そうですが、3歳春までに真の一線級と戦うには相当な鍛練を積まないといけないかも知れません。
現在はゲート試験合格後の再放牧に出ていて、デビューは秋以降になりそうですね。


4位指名はフェアレストアイル(牝)。
父はディープインパクト、母はスターアイル(父ロックオブジブラルタル)。
生産はノーザンファーム、馬主はサンデーレーシング。栗東・中内田充厩舎所属。

母は現役時代2勝をあげるに留まりましたが、本馬の全兄ミッキーアイルは卓越したスピードを武器にNHKマイルC、マイルチャンピオンSとGⅠ2勝(重賞6勝)。
他にもきょうだいは全馬JRAで勝ち星を挙げていて、優秀なファミリーです。

血統は、「2017 - 2018シーズン、21th身内POG指名馬レビュー!!(第9回)」で全兄スターリーステージをレビュー。
Northern Dancer5×5・5・4クロスでパワーを大幅に増幅しているのがポイントですね。
さらに母が豊富に持つハイインロー血脈はHighclereと脈絡し、欧州パワーとスタミナ・持続力を補強。
パワーで言えばAlydar・Buckpasserの血は米パワーを補強。
また、ロックオブジブラルタルの母Offshore BoomはNorthern Dancer+ナスキロ血脈でAlzaoと脈絡。

ディープに必要なパワーの増幅をこれでもか!、と行いながら、スタミナと持続力に末脚も強化と、ディープ産駒の配合としては非常に優秀だと思います。
ただ、ミッキーアイルの走りを見ても分かるように、やはりこの配合で最も発現されるのは「パワースピード」。
全姉スターリーステージの距離適性を見ても、マイルがギリギリという感じになりそうです。
現在は、秋の阪神デビューを視野に入れているようです。


5位指名はブレッシングレイン(牡)。
父はディープインパクト、母はレインデート(父Unbridled's Song)。
生産はチャンピオンズファーム、馬主はキャロットファーム。美浦・木村哲也厩舎所属。

母は現役時代米国で2勝の下級条件馬ですが、祖母Missed the StormはGⅠテストS勝ち馬です。
一方、きょうだいにJRAの平場で2勝以上を挙げた馬はいません(全姉ミュゼリトルガールは障害未勝利勝ちで通算2勝)。

Northern Dancer5×5クロス持ちで、母系にはディープとニックスのUnbridled's SongとStorm Catが見えます。

ただ、2位指名のサトノレガシー同様、母がUnbridledとStorm Cat両方の血を持つ牝馬はディープインパクトとはあまり相性が良くないというイメージがあります。
UnbridledとStorm Catの間には、Eight Thirty≒War Relicの相似クロスが発生しMan o'War由来の米パワーを増幅。
ディープとの関連で言えば、母父Storm Catで母系にWar Relicの血を持つのはキズナやアユサンがいまて、決して相性が悪いことはないハズですが…。
また、ラキシス・サトノアラジンきょうだいは本馬同様Storm Cat、Unbridled's Songの祖父Fappiano持ちです。

気になる点を挙げるならば、曾祖母Missed the WeddingがNasrullahの3×4クロス持ちで、ここがスピード強化と同時に柔らかさを強調してしまっているのかなぁ?というのが一つ。
もう一つは、先程名前を挙げたキズナはAcropolis、アユサンはYour HostとHyperionの血を引くスタミナ豊富な欧州血脈を有しますが、本馬はそういった血がない点でしょうか。
全兄カフジジュピターが新馬戦では2000mを勝ち上がりながら、前走1400mを走っているあたりその影響でしょうか。


6位指名はイグニタス(牡)。
父はハービンジャー、母はガーネットチャーム(父ファルブラヴ)。
生産は追分ファーム、馬主はG1レーシング。栗東・池江泰寿厩舎所属。
ハービンジャー産駒の注目馬として挙げた1頭です。

母は現役時代3勝、祖母オリエントチャームは4勝と、ともに大きいレースでの活躍はありません。
ただ、祖母の全兄には種牡馬ゴールドアリュールなど活躍馬が多数いるニキーヤ牝系の一族です。
おじペルシアンナイトはGⅠマイルチャンピオンS勝ち馬。
現3歳の半兄グラナタスは、すでに2勝を挙げています。

血統は、Northern Dancer5・7・6・5×4・5クロス持ち。
母はFairy King≒Nureyevの2×3相似クロス、Hail to Reasonの5・7×4にNorthern Dancerの3×4・6クロス持ち。
そして、ファルブラヴとReluctant GuestがNorthern Dancer+ナスキロで脈絡するという、強力な父母相似配合の持ち主でした。
父もNorthern Dancerの多重クロスにHail to Reason持ち、HasiliとShareef DancerがNorthern Dancer+ナスキロ、ロイキロ血脈。

つまり、父と母は血統的なポイントが似た馬同士で、さらに父母相似配合となっている中、さらにその特徴を継続発展させた父母相似配合、ということになります。
全体的にはFairy King≒NureyevがNorthern Dancer+ナスペリオン、ファルブラヴ・Reluctant Guest・Hasili・Shareef DancerがNorthern Dancer+ナスキロ、ロイキロでサンデーサイレンス持ちと考えると、中距離向きで長い直線での末脚勝負を得意とするタイプと考えられます。

ただ、配合としてはやや煮詰まったイメージを受けますね。
異系血統として働くサンデーサイレンスも3代目に引っ込んでおり、やや存在感が薄くなっています。
また、ナスペリオンやナスキロ、ロイキロの本数が多いことから緩さがあり、仕上がりには時間がかかるタイプかも知れません。
現在は外厩で調整中のようです。


7位指名はウインキートス(牝)。
父は新種牡馬ゴールドシップ、母はイクスキューズ(父ボストンハーバー)。
生産はコスモヴューファーム、馬主はウイン。美浦・宗像義忠厩舎所属。

母は3歳夏までにGⅢクイーンSとOPクローバー賞に勝ち、重賞2着2回3着3回を記録した孝行娘。
数少ないボストンハーバー産駒の芝重賞勝ち馬でした。
半兄ウインイクシードは現在まで3勝をあげており、きょうだいは手堅く走るタイプですね。

血統は5代アウトクロス。
今のところ、ゴールドシップはその競争成績とオルフェーヴルと似た方向の配合であることから、長距離パワー型と判断しています。
なので母は短距離スピード型であることが好ましいハズ。
本馬の母父は短距離スピード型のボストンハーバーで、母もマイラーでしたから相性はいいと思われます。
また、母父ボストンハーバーにはステイゴールド産駒のクロコスミアがGⅡ府中牝馬Sに勝利していますね。

一方で、ボストンハーバーは軽すぎて底力に欠けるタイプなのも事実。
父ゴールドシップはゴールデンサッシュやメジロマックイーンの持つ欧週血統の影響を受けた非常に底力のあるタイプでした。
ただ、本馬の母は米国血統メインでゴールドシップの持つ、Alycidonなどの底力ある欧週血統と脈絡する血はありません。
距離適性としてはマイルから中距離になりそうです。


8位指名はテゴナ(牝)。
父はジャスタウェイ、母はサーリセルカ(父ウォーエンブレム)。
生産は富田牧場、馬主はディアレストC。栗東・庄野靖志厩舎所属。

母は現役時代5戦未勝利で引退しました。
祖母も現役時代は新馬戦の1勝のみ。
おじ、おばに活躍馬はいませんが本馬の5/8半姉メイショウタチマチは、現在までに4勝をあげ今は3勝クラスで走っています。
遡ると、イタリア3歳牝馬・古牝馬チャンピオンに選出されチャペルコンサート(GⅠオークス2着)とムードインディゴ(GⅢ府中牝馬S)を産んだリープフォージョイが曾祖母になります。

血統はNorthern Dancer≒Icecapadeの6・4×4クロス持ち。
今春の「POG2019-2020 注目馬レビュー! 注目種牡馬編⑧ ジャスタウェイ産駒編」では、ジャスタウェイ産駒のキモを4つ挙げてみました。
・母がNorthern Dancerクロス持ち
・Northern Dancer+ナスキロ・ナスペリオン血脈持ち
・母系の異系血脈
・牡馬は母が中距離型、牝馬は母が短距離型・マイラー

ポイントに当てはまっているのは3つ目。
本馬の母父ウォーエンブレムは、父のMr.Prospector以外は全て異系血脈で、祖母リープフォージョイは父がNative Dancer系のSharpo、母父がIn Reality産駒のKnown Factですから異系も異系。
雑草的な活力は十分でしょう。

ただ、Northern Dancerによるパワー強化、ナスキロ・ナスペリオンによる末脚の斬れの増幅は期待薄。
また、母は現役時掲示板に載っていないものの5戦中4戦で芝1800、ダート1700、芝2000mを走っていることから距離適性は中距離寄りでしょうか。
典型的なスピード型ではなさそうです。
現役時代、世界トップのレーティングを記録した父の能力が受け継がれれば、面白い存在になるでしょうか。


9位指名はネクサスアルカナム(牡)。
父はエピファネイア、母はボージェスト(父キングカメハメハ)。
生産はノーザンファーム、馬主は吉田勝己。栗東・梅田智之厩舎所属。

母は現役時代ダート戦2勝の下級条件馬。
ただ、祖母はエリザベス女王杯連覇のアドマイヤグルーヴ、曾祖母は名牝エアグルーヴ。
おじはクラシック2冠馬のドゥラメンテという輝かしい一族に属しています。
本馬は母の初仔。

血統はサンデーサイレンスの4×3にHail to Reason5・6×5クロスに、Sadler's Wells≒Nureyev4×5相似クロスを持っています。
サンデーサイレンスの奇跡の血量を持つ馬も、普通に出て来ましたね。。
まずエピファネイア産駒のキモはサンデーの血をどうクロスするか、だと思いますがそこは本馬はしっかりおさえています。

全体的にはRoberto系×Kingmambo系の配合でBramalea≒Gold Digger5×5相似クロスが発生。
さらにSadler's Wells≒Nureyev相似クロス持ちですから、これはパワー型に出やすい配合ですね。
父がスタミナと重馬場をモノともしないパワーで活躍したエピファネイア、母がダート2勝ですから、さらにその傾向は強いと思います。

さて、新種牡馬エピファネイアですが産駒たちは6頭中4頭が1200mで勝ち上がっていて、父とは異なった適性を得意にしているようです。
産駒デビュー前はパワー型ではあるものの、父とその母シーザリオの適性が伝わるならマイル~中距離型が出るのでは、と思っていましたが…。
ま、父はジャパンカップと菊花賞を勝ってはいますが、現役時代は行きたがる前向き過ぎる気性で有名な馬でした。
産駒にはその気性が強く伝わって、短距離で走る馬が出ているように感じます。

本馬は6/15の阪神ダート1200m戦でデビュー。
父産駒らしい短距離型で、配合から見たダートパワー型、というタイプですかね。
レースでは後方追走からなだれ込むようにして9着でゴール。
騎手があまり追っていないようにも見えましたが、Roberto系らしい使いながらのタイプ、ということだったんでしょうか。

2戦目は中2週で7/6中京芝1200m。
ここでも後方追走からのレースでしたが、最後は何頭か交わして5着と掲示板に載りました。
瞬発力勝負に強いタイプではないでしょうから、勝利への条件はレースで前に行けるようになることでしょうか。


10位指名はヴァンタブラック(牡)。
父はブラックタイド、母はプチノワール(父シングスピール)。
生産はノーザンファーム、馬主はシルクレーシング。栗東・須貝尚介厩舎所属。
M-Kouさん主催POGでの指名馬になります。

母は未出走も半姉ローブティサージュ(父ウォーエンブレム)はGⅠ阪神JFとGⅢキーンランドCを勝利。
祖母リッチアフェアーは英重賞2勝で、アサクサデンエン・ヴィクトワールピサきょうだいを産んだホワイトウォーターアフェアの全妹になります。

配合は、「M-Kouさん主催POG 2019-2020 指名馬公開!」で簡単に紹介済み。
また、同血の半兄(父同士が全兄弟)ブレイニーランの血統は、「2017 - 2018シーズン、21th身内POG指名馬レビュー!!(第9回)」でもレビューしています。

Haloの3×4・5クロス(Halo≒Sir Ivorの3・5×4・5)にBusted4×5クロス、Northern Dancer5×5クロス持ち。
母がMachiavellian持ち・Haloクロス持ち・Glorious Song持ち・Northern Dancer×Special持ちというところはヴィルシーナ・ヴィブロスと共通ですね。
パワー、内回り向きの小器用な機動力、スタミナと持続力を強化していますから、キタサンブラックのようにある程度前につけて粘りこむタイプでしょうか。

本馬は7/21に中京でデビュー予定でしたが、調教が良化せず一旦放牧に出されました。
入厩時は陣営のテンションも高かったんですが、調教が進んでも動きがあまり良くならないことからトーンダウン・・・。
再入厩してデビューするまで、もうしばらく時間がかかるかも知れません。
ま、血統的に共通点があると先程名前を挙げたヴィルシーナ・ヴィブロスもGⅠ勝ちは古馬になってからでしたから、本馬も晩成タイプの可能性はあるでしょうね。。。


最後に、管理人ことblood_freamが血統などから、柏倉さんの指名馬の中で最も賞金を多く獲得するであろう馬を予想します!
ここはディープインパクト産駒の中でもポイントをおさえた完成度の高い配合から産まれた、フェアレストアイルでしょう!
ややパワーと前進気勢が強い配合ですが、牝馬ならマイルまで何とか持てばレース選択ができますので…。