2018年09月

2018年09月22日

すでに
平成最後のPOGである今シーズン
が始まって3ヶ月が経過。

2歳重賞もすでに4つが開催され、スタートダッシュを決めた方とそうでない方の差が徐々に出て来始めた状況でしょうか。。
ということで、一旦参加POGの途中経過をまとめてみようかと思います!

【身内POG】
10頭中出走6頭(出走率60%)、勝ちあがりはアドマイヤマーズとクリソベリルの2頭(勝ち上がり率33%・いずれも新馬勝ち)、うちアドマイヤマーズは2勝。
全成績は[3.3.1.2]となっています。
順位は参加者15名中、プラス清算の6位をキープ。
指名馬罰符が多くスタート時点では12位でしたが、アドマイヤマーズがOP中京2歳Sを勝ってくれて獲得賞金では現時点2位となっています。

今後へ向けての明るい材料は、順調ならアドマイヤマーズがGⅡデイリー杯2歳Sに出走すること。
暗い材料はイニティウムが初戦12着で勝ち上がれるか不透明なところでしょうか…。
また、アメリカンウェイクはノド鳴りで初戦9着後ノドの手術を受け放牧中、グロリアーナが膝骨折で手術を受け放牧中、ウラノメトリアは2歳にして早くも去勢手術を受け(苦笑)放牧中…と3頭が戦線離脱中というところが辛いところですね

自分はまだ未デビューの馬が4頭いますし、参加者の指名馬の中からはまだ重賞勝ち馬が出ておらず、全員の差は小さいことから今後はさらなる順位変動もありそうです。

【M-Kouさん主催POG】
をどうぞ。

こちらの成績は、M-Kouさんが先月8/29時点の途中経過をブログでまとめていただいています。

自分の成績は、15頭中出走8頭(出走率53%)、勝ちあがりはダノンチェイサー、ジャミールフエルテ、クラージュゲリエの3頭(勝ち上がり率37%・新馬勝ち2頭)、2勝した馬はいません。
全成績は[3. 3. 1. 3]となっています。
獲得ポイント順位は参加者12名中なんと2位!!
とは言え、トップのNathanielさんは指名馬ケイデンスコールがGⅢ新潟2歳Sを制していて頭一つ抜け出されているので追いつくのは大変でしょうが…。

約3週間前に取っていただいた集計で、3位以下の方とも僅差なので順位は変動しているとは思いますが、8/29以降もクリソベリルが新馬勝ち、クラージュゲリエはGⅢ札幌2歳Sで惜しい3着に入線しているのでまだ悪くない位置にいるんじゃないかと。
ただ、こちらもアメリカンウェイク、グロリアーナ、ウラノメトリアに加えホウオウエックスが骨折で4頭が戦線離脱中と今後はやや苦しい状況かも…?
今後はOPで勝ち上がった指名馬が活躍してくれることを願うばかりです!

【日刊競馬POG】
今年も日刊競馬POGに参加していますが、これまで指名馬紹介はしていないことに気がつきました(笑)。
8頭まではM-Kouさん主催POGでも指名した馬で、残り1頭は身内POGで指名しているオメガ。
ダノンファンタジーのみ、M-Kouさん主催POGでも身内POGでも指名していない馬です。

<指名馬>
ダノンチェイサー(看板馬)
サトノジェネシス
アメリカンウェイク
ベルクワイア
ジャミールフエルテ
ダノンファンタジー
クリソベリル
ウラノメトリア
オメガ
ベルヴォワ

というか、なぜアドマイヤマーズを指名していないのだ、俺...orz。
10頭中出走7頭(出走率70%)、勝ちあがりはダノンチェイサー、ジャミールフエルテ、ダノンファンタジー、クリソベリルの4頭(勝ち上がり率57%・新馬勝ちはジャミールフエルテとクリソベリル)、2勝馬はいません。
全成績は[4.5.1.3]となっています。
順位は参加者2999名中、311位。全体の1/10くらいの順位には入っています。
まぁ全国から参加されるPOGなので、上にはまだまだ猛者がいらっしゃるんですが。。
現実的に考えると、最終的に100位以内に入ることができれば健闘というところでしょうか…。


トータルで見ると、どのPOGでも真ん中より上位に入っていて、まだ上を目指す余地はあるのかな、と。
まだシーズンは約3/4が残っていてGⅠもこれからですが、まだ楽しめるシーズンになりそうです(笑)。


2018年09月17日

9月6日、北海道・胆振(いぶり)地方を震源とする最大震度7の大地震が発生しました。
被災者の方々には心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。

お亡くなりになった方も多数いらっしゃり、停電など機能停止になった街もある中、日高町で行われる予定だった門別競馬も11日から13日の開催が取りやめになりました。
ただ、幸いなことにノーザンファームなどの大手牧場ではそこまで大きな被害報告は出ていません。
とはいえ、施設に停電があったり交通網の混乱が出ていたりで、GⅠ馬スワーヴリチャードもノーザンファーム空港牧場からの帰厩に遅れが出るなどの影響はあるようです。
少しでも早い復旧に向け、自分も募金など小さくてもできる事をしたいですね。

さて、仕事があまりにも忙しく(苦笑)約1ヶ月ぶりの更新となる今回ですが、身内POG指名馬レビューの第7回・はりまさんの指名馬を紹介していきます。
ここ10年ほど優勝からは遠ざかっていますが、それでも18年でトータルプラスのPOG猛者。
そして自分と指名馬が被ることが多く(今年はダノンチェイサーが競合して獲られました…)、先輩でありながらライバル感が強いお方です(笑)。

1位.ダノンチェイサー(サミターの2016)
2位.ベルクワイア(スカーレットベルの2016)
3位.エールディヴァン(ワイの2016)
4位.サトノバリオス(ヒアトゥウィンの2016)
5位.レッドルゼル(フレンチノワールの2016)
6位.ノーブルスコア(ファイナルスコアの2016)
7位.アルティマリガーレ(アルティマトゥーレの2016)
8位.ヘヴンズコーヴ(パラダイスコーブの2016)
9位.カイザースクルーン(アイスフォーリスの2016)
10位.マイエンフェルト(アーデルハイトの2016)


1位指名はダノンチェイサー(牡)。
父ディープインパクト、母サミター(父ロックオブジブラルタル)。生産はノーザンファーム、馬主はダノックス、栗東・池江泰寿 厩舎所属。
この馬は今年の注目馬レビュー・ディープインパクト産駒編でも取り上げていて、M-Kouさん主催POGでも指名した馬なので血統評価は高いです!
また、2017年セレクトセール1歳馬セッションでは2億7000万円の高値で取引されました。

母サミターは英国産で、GⅠ愛1000ギニーとガーデンシティSを含む重賞3勝をあげた活躍馬。
3歳休み明け初戦の一般競争と2戦目の仏1000ギニーは着外に敗れましたが、それ以外のレースでは全戦4着以内に入る安定感がありました。
本馬は2番仔、きょうだいは全兄が1頭いますが、この馬はデビューしていません。

この馬の持つクロスは、Northern Dancer5×5・5・6にAlzao≒Green Desertの3×4相似クロスです。
血統的にはやはりミッキーアイルと同じ母父ロックオブジブラルタルがキモ。
一方で、ミッキーアイルの母スターアイルがロックオブジブラルタル×Nureyevという配合だったのに対し、サミターはDanzig3×4クロス持ちで、ここはダノンプレミアムの母インディアナギャルと共通しています。
基本的には上記2頭同様、豊かなスピードが武器のマイラータイプという想像がつきます。

他に配合的な特徴としては、この馬はGreen Desertの母父Sir Ivor以外にPush a Button、Red GodがHalo≒Sir Ivorの相似クロスと脈絡し、父の配合を継続発展する形となっています。
ミッキーアイルとダノンプレミアムに比べそういった血が多いことを考えると、2頭よりは差し脚を活かした競馬が出来るタイプでしょうか。
(個人的には、Red GodはHaloと脈絡する血が多いものの、相似とまでは言えないと思っていますが…。)

さらに、母母父Rainbow Questというのも大物感があり、マカヒキやアンビシャスもこの血を持っています。
そもそもRainbow Questの父Blushing Groom持ちではミッキークイーン、ヴィルシーナ・ヴィブロス、スマートレイアーなどの活躍馬がいます。
Red GodがHaloと脈絡する血が多いことと、母系のBlandfordクロスにTudor Minstrelがディープの母系のBurghclereと結びつくのがその要因でしょう。

そういえば、先程この馬はマイラータイプといったんですが、母系の欧州スタミナ系の血が結構多いんです。
中でも母が持つFlower Bowl、Tudor Minstrelクロス、Fair Alyciaは上記Burghclereと強く脈絡する血です。
2400mどんと来い!とは言えないものの、2000mまでは十分こなすとは思っています。

本馬はすでにデビュー済み。
新馬戦ではヴィルシーナの息子・ブラヴァスなどの素質馬を押しのけ1番人気に推されましたが、レースでは2番手追走も伸びず期待を裏切る4着に敗れました。
しかし6頭立てながら3番人気となった2戦目の未勝利では、一転中段を追走し差し脚を活かす競馬で最速上りを叩きだし勝ち上がり。
初戦が重馬場だったのに対し2戦目では良馬場となったこと、距離が2000mから1800mに短縮されたことも好走の要因かも知れませんね。

2位指名はベルクワイア(牝)。
父ロードカナロア、母スカーレットベル(父エリシオ)。生産はノーザンファーム、馬主はキャロットファーム、美浦・国枝栄 厩舎所属。
ドラフト前に、ノーザンホースパークマラソンの優勝景品となったことで話題になりました。おそらく、それでPOGで指名された方もいるハズ(笑)。

母は現役時代ダート5勝の中級条件馬。
3/4半兄のダノンリバティ(父キングカメハメハ)は重賞2着4回を記録しています。
他にも半兄ガムラン(父シンボリクリスエス)が3勝、半姉フォンターナリーリ(父クロフネ)が5勝など、きょうだいはコンスタントに走っています。
また、叔父にはダートGⅠ9勝を挙げ、2007年には最優秀ダートホースに選手されたヴァーミリアンがいます。
叔父には他にもサカラート、キングスエンブレム、ソリタリーキングと3頭のダート重賞勝ち馬がいるファミリーです。
さらに4代母スカーレットインクからはダイワメジャー・ダイワスカーレットが出ており、一族の枝葉を広げています。

血統ですが、Northern Dancer6・6・8・5×4・5クロス持ち。
さらにNureyev≒Fairy Kingの5×4相似クロスを持つところもポイントでしょうか。
ロードカナロア産駒の重賞勝ち馬2頭はNureyev直接クロスと相似クロス持ちなので、これは好印象です。
また、ラストタイクーンとStorm CatとエリシオがNorthern Dancer×ナスキロで脈絡するのも父の配合を継承発展していてポイントになっています。

ちなみにこの馬はロードカナロア×エリシオ×サンデーサイレンスという配合。
重賞2勝馬ステルヴィオはロードカナロア×ファルブラヴ×サンデーサイレンスという配合。
エリシオとファルブラヴはともにFairy King×Slewpyの組み合わせで3/4同血ですから、ベルクワイアとステルヴィオは13/16同血となっています。

一方で、2頭の配合の差は母がNorthern Dancerクロスを持っているか。
ロードカナロア産駒の重賞勝ち馬2頭は母がNorthern Dancerクロスを持っていません。
この馬は母がNorthern Dancerの3×4というなかなかのクロスを持っていて、ややパワーが勝ってしまっている印象はあります。
この馬は父がロードカナロアといえど、母・きょうだい・おじとダートで活躍している一族で配合もパワー優先なので、芝のダート向きという印象はあります。

すでに本馬はデビュー済み。
初戦は東京芝マイルの新馬戦で単勝1.3倍という人気を集めましたが、先行して2着に惜敗。
2戦目は先行馬を見る位置から競馬を進めましたが、今度は先に抜け出した勝ち馬を捉えられず2着。
今日の3戦目では一転して中段から競馬を進めるものの直線伸びず、初めて2着を外しました。
現状は先行しても差してもやや甘いところがありますね。
すでにnetkeibaの掲示板でも、ダート挑戦の話をする方がいますが果たして…。

3位指名はエールディヴァン(牡)。
父ディープインパクト、母ワイ(父Galileo)。生産は追分ファーム、馬主はG1レーシング、美浦・堀宣行 厩舎所属。
250万円×40口の総額1億円で募集されています。

母は海外で1勝をあげるにとどまり、きょういだいは半兄フリーフォール(父ヴィクトワールピサ)が1勝、半妹ディーチェ(父ダイワメジャー)は未勝利と成績が振るいません。
それでも、祖母Rumplestiltskinはマルセルブサック賞にモイグレアスタッドSと海外芝GⅠを2勝。
さらに母の全妹Tapestryは英GⅠヨークシャーオークスを勝っています。
さらにさらに、4代母は名牝Miesqueで、3代母MonevassiaはKingmamboの全妹であり孫にはリアルスティールがいて、世界でも指折りの名ファミリーの一員です。

ちなみに母はGalileo×デインヒルですから、あのFrankelやGⅠ7勝のHighland Reelなどと同じ配合で、とにかく欧州で走る馬が産まれまくっているニックスですね。
さらに母はNorthern Dancer3×4・5クロスにSadler's Wells≒Nureyevの2×4相似クロス持ち。
Northern Dancerの血が強く日本ではやや重い印象も受ける配合でしょうか…。

とはいえ、母父としてディープインパクト×Galileoという配合ではこれまで10頭がJRAでデビューし6頭が勝ち上がり、うちヴァンキッシュランとカンタービレが重賞を勝っています。
(ちなみに2頭ともラストタイクーン持ち)
母数が少ないとはいえなかなかの高アベレージですね。
さらに海の向こうでは本馬と7/8同血のSaxon Warriorが英2000ギニーとレーシングポストTのGⅠ2勝を挙げています。

Galileoは2代父がNorthern Dancerで、Hopespringseternal母父Miswakiの母Hopespringseternalがナスキロラトロですから緩くAlzaoと脈絡してくるのがポイントになっているんでしょう。

この馬はNorthern Dancer5×4・5・6クロス持ち。
近い代でクロスする血はこれくらいですが、この馬はこの位の近親度で良いでしょう。
というのも母が父母相似配合によって産まれていて、Northern Dancer・Mr.Prospector・Natalma・Special・Buckpasserのクロス持ちとかなり煮詰まった血統構成になっています。
本馬の代では緊張→緩和の血統構成に3/4Northern Dancerでバランスの良い配合と言えるでしょうね。

現在は北海道から山元トレセンに移動し、入厩に備えてトレーニングを積んでいるそうです。
ディープインパクト×Galileoはヴァンキッシュランもカンタービレも3歳になって力を付けたので、晩成傾向はありそうですが、日本でもSaxon Warriorに続くGⅠ馬になれるでしょうか。

4位指名はサトノバリオス(牡)。
父ディープインパクト、母ヒアトゥウィン(父Roi Normand)。生産は下河辺牧場、馬主はサトミホースカンパニー、栗東・池江泰寿 厩舎所属。

母ヒアトゥウィンは南アフリカGⅠを2勝。
そして全姉サトノワルキューレはGⅡフローラS勝ち馬。昨期の自分の指名馬で、お世話になったので弟を獲られたのは悔しいですねぇ。

この馬の血統については、昨期の自分の指名馬レビューと、「サトノワルキューレが直線一気のごぼう抜き!GⅡフローラSレビュー!!」で解説しているので、そちらを見ていただければ。

期待の高かった本馬ですが、デビュー戦は小倉芝1800mで1.4秒差の3着に敗退。
この1戦はただただヴェロックスの強さだけが際立ったレースでした。
ま、全姉は10月デビューでじっくり力を付けていったので、本馬もまだ成長が見込めるハズ。2戦目でどのようなレースを見せてくれるでしょうか。

5位指名はレッドルゼル(牡)。
父ロードカナロア、母フレンチノワール(父フレンチデピュティ)。生産は社台ファーム、馬主は東京ホースレーシング、栗東・安田隆行 厩舎所属。

母はダート4勝の中級条件馬。
半姉レッドエトワール(父ワークフォース)は1勝、フィルムフランセ(父シンボリクリスエス)は2勝。派手さはないものの堅実に勝ち上がっています。
なお、近親に重賞で活躍した馬はいません。

血統はNorthern Dancer6・6・8・5×5・5クロスにNureyev5×5クロス持ち。
そしてラストタイクーン・Storm Catとフレンチデピュティ・カノープスがNorthern Dancer×ナスキロで脈絡。
母がダート馬という部分も含め、配合の方向性として、2位指名のベルクワイアに似ていますかね。
ナスキロが1本多いのとNorthern Dancerクロスが1代遠いことを考えると、ベルクワイアほどパワー・ダート適性に振れた配合ではないと思います。
とはいえ、母がフレンチデピュティ×フジキセキというダート短距離向きの配合であることを考えるとマイルもギリギリの距離適性でしょうか。。

本馬は本日の阪神芝1400m新馬戦でデビューし、直前の調教などから単勝1.4倍の1番人気に推されました。
レースではハイペースの2番手を追走し、先段を見る位置で進めたニホンピロヘンソンから0.5秒差の3着に敗れています。
今回は惜しい敗戦でしたが、勝ち上がりは遠くなさそうです。

6位指名はノーブルスコア(牝)。
父ディープインパクト、母ファイナルスコア(父Dylan Thomas)。生産はノーザンファーム、馬主は二木英徳氏、栗東・藤原英昭 厩舎所属。

母は海外6戦5勝、伊GⅠリディアテシオ賞に勝利しています。
祖母Holy Moonに重賞勝ちはないものの、産駒は叔母にあたるチェリーコレクトが伊オークス・伊1000ギニーのイタリア牝馬2冠、チャリティーラインがリディアテシオ賞勝ち、WordlessがGⅢヴェルジェール賞勝ちというイタリアの名門ファミリーです。
本馬は母の初仔。

ちなみに、叔母チェリーコレクトは自分の9位指名馬ダイアナブライトの母。なので、ダイアナブライトとは7/8同血のいとこの間柄です。

Northern Dancer5×5・6・7・6クロスとLyphard4×6クロス、デインヒル・Caerleon持ち。
さらにTom Foolの素軽いスピードとBusandaの米パワーのサポート。

ダイアナブライトの違いでいうと、ディラントーマスの母Lagrionですね。
LagrionはDiesis×Mount Hagen×Francis S.という軽くて速い血統構成。
また母系のTom Foolをさらにクロスしているので、チェリーコレクトよりもマイラー色が濃い馬という印象です。

本馬はすでにデビュー済みで、新潟芝マイルの新馬戦で1.9倍の1番人気に推されました。
レースでは中段前目につけ直線で差し脚を伸ばしましたが、外からさらにキレる脚で伸びたアマーティから1.1/4馬身差の2着に負けました。
ま、勝ち上がりはそう遠くないうちにできそうな感じですね。

現在は、オーナーである二木英徳氏がパワハラ問題で揺れる日本体操協会会長の会長と、馬自身とは関係ないところで話題になってしまっていますが、実力で話題になりたいところです。

7位指名はアルティマリガーレ(牝)。
父ハービンジャー、母アルティマトゥーレ(父フジキセキ)。生産は社台ファーム、馬主は社台レースホース、栗東・佐々木晶三 厩舎所属。

母はGⅠにこそ手が届かなかったものの、GⅡセントウルSにGⅢシルクロードSとスプリント重賞2勝の活躍馬です。
祖母エアトゥーレもGⅡ阪神牝馬S勝ち、3代母スキーパラダイスはGⅠムーランドロンシャン賞など重賞3勝、GⅠエイコーンS勝ちのSki Goggleを祖とする名門牝系に属しています。
さらにおじには皐月賞馬キャプテントゥーレ、GⅢ小倉記念勝ちのクランモンタナなど近親にも活躍馬が多数いますね。
半姉はOPラピスラズリS勝ちのアルティマブラッド(父シンボリクリスエス)など。

血統はNorthern Dancerの5・7・6・5×5にLyphardの5×4クロス持ち。
この馬の配合のポイント①は上記Lyphardクロスを通したFair Trialの脈絡でしょう。
祖母エアトゥーレはFair Trialの5×5クロス持ちで、先行して粘り切る競馬を得意としていました。
そして父ハービンジャーはLyphard以外にも4代父Danzigと祖母GuapaからFair Trialの血を受け継いでいて、父母間でFair Trialが脈絡しています。

この馬の配合のポイント②はNasrullahを軸とした血の脈絡でしょう。
まずNasrullah×Hyperion配合ですが、父方にはBlushing GroomとYoung Emperor、母方にはトニービンとSki Goggleの計4本が見られます。
そしてもう一つがナスキロ配合で、父方にはIruleにSir Ivor(厳密にはナスキロではないですが)、母方にはMillicentの計3本があります。
いずれも斬れる末脚を引き出してくれる効果が見込めますね。

ただ、配合全体でいえば欧州血統の色がやや強く、やはり祖母・母譲りの持続力を活かした先行馬になりそうに思えます。

8位指名はヘヴンズコーヴ(牡)。
父ドリームジャーニー、母パラダイスコーブ(父キングカメハメハ)。生産は社台コーポレーション白老ファーム、馬主はサンデーレーシング、美浦・奥村武 厩舎所属。

母は未出走。
輸入繁殖牝馬の祖母はGⅠオークリーフBCS勝ち馬。
近親には今のところ活躍馬はいません。
本馬は母の初仔。

本馬は5代内にクロスを持たないアウトクロス配合です。
その中でも配合的にポイントと思えるのは祖母キャッシュインクルーデッドの血の活かし方でしょうか。
祖母の父・IncludeはTurn-toの4×4・4という強めのクロスでスピードを強化する配合形となっています。
そして祖母キャッシュインクルーデッドはその配合を発展継承させるようにHail to Reasonの4×5・5とTurn-to5・5・5×6・6クロスを持っています。
そして本馬の代ではやや代が離れますがHail to Reasonの5×6・7・7が発生しています。

他にはLt. Stevens=Thongの5×7とドリームジャーニーのツボを押さえたクロスもありますが、いかんせん代が遠くスピードの強化という点では物足りないでしょうか。
ドリームジャーニー自身、構成する血はサンデーサイレンス、ディクタス、メジロマックイーンと異系色の強い馬が多く、クロスを成立させづらい血統ではありますが…。

その意味で全弟オルフェーブルの代表産駒はラッキーライラックとエポカドーロは母父がスピードバリバリのMr.Prospector系。
この馬も母父キンカメはMr.Prospector系ですが、キンカメはスピードに特化したタイプではないですからね。

本馬はすでにデビュー済み。
初仔ということで初戦は馬体重426kgで出走してきました。
ただ、2番人気に推されるもレースでは後方追走のまま2.1秒差の15着でゴール。
2戦目も後方追走から差を詰められず、2.0秒差の11着に負けています。
現状のままでは勝ち上がりは難しそうで、放牧で大きな成長があるかがカギになってくるでしょう。

9位指名はカイザースクルーン(牡)。
父ルーラーシップ、母アイスフォーリス(父ステイゴールド)。生産は社台コーポレーション白老ファーム、馬主はサンデーレーシング、美浦・相沢郁 厩舎所属。

母は重賞勝ちこそないものの、2歳から6歳まで息長く走り、GⅠオークスで3着に入ったほか現役ラストレースのGⅢ中山牝馬で2着に入線しています。
4代母DahliaはキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスS連覇など、GⅠ10勝を挙げた名牝。
その産駒にも種牡馬となって来日したデイカードレム、ダハール、リヴリアがいます。
本馬は母の初仔。

血統はノーザンテースト4×5クロス持ち。
この馬の配合は、このクロスをから派生するHyperionの強化がポイントになっています。
ノーザンテーストといえば名牝Lady Angela(Nearcticの母)の3×2という強烈な牝馬クロスの持ち主。
Lady AngelaはHyperion×Abbots Trace(父Tracery)という配合となっています。

一方、本馬の3代母ベゴニアの血統を見るとAlibhaiの5×4クロスにFlower Bowl≒Honeys Alibi(両馬ともAlibhai×Beau Pere)の4×3クロス持ち。
さらにFlower Bowl≒Honeys AlibiとAureoleが、Hyperion・Blenheim・Clarissimus・Son-in-Lawで脈絡しています。
そしてベゴニアがクロスで持つAlibhaiはHyperion×Traceryという配合で、これらの血を強化しています。

父ルーラーシップはノーザンテースト以外にFlower Bowl、Alibhai、Tudor Minstrel(Hyperion・Son-in-Law・Swynford)の血を持ちます。
このように、父母間ではHyperionを軸にした欧州スタミナ・持続力血統の強化がなされていることがわかります。
父母ともにやや晩成傾向があるため、ノーザンテーストクロスにHyperionの強化でパワーを増幅することで、早期から活躍することが可能になるハズです。

本馬は7月福島の芝1800m新馬戦でデビュー済み。
1番人気に推され、レースでは小回りを意識した早め先頭の競馬で押し切って見事新馬戦を制しました。
次走は来週の中山OP戦・芙蓉Sを予定。
このレースではポポカテペトルの全弟・ボスラジや母にアルゼンチンGⅠ馬を持つミッキーブラックなども出走してきますので、まず試金石になってきそうです。

10位指名はマイエンフェルト(牝)。
父ハービンジャー、母アーデルハイト(父アグネスタキオン)。生産はノーザンファーム、馬主はシルクレーシング、栗東・池添学 厩舎所属。

母は1戦未勝利ですが、祖母は日本でも数本の指に入る名牝であるビワハイジ。
近親の活躍馬はブエナビスタほか多数います。
半姉ロッテンマイヤー(父クロフネ)はOP忘れな草賞勝ちで、きょうだいも全馬が勝ち上がっています。

半姉アーデルワイゼ(父エイシンフラッシュ)の血統は「2017 - 2018シーズン、21th身内POG指名馬レビュー!!(第7回)」でレビューしています。
父がKingmanbo系からNorthern Dancer系に替わった本馬の血統はNorthern Dancer5・7・6・5×5にNijinsky6×4クロス持ち。
父がすでにNorthern Dancerの血を4本持つので、母に1本のみというのは好印象ですね。
また、Nijinskyクロス持ちもハービンジャー産駒の好配合です。

さて、名牝である祖母のビワハイジの配合は、ForeseerとSir GaylordがそれぞれTurn-toとPrincequilloで脈絡するのがポイントとなっています。
特にサンデー系種牡馬との間ではHaloがForeseerとSir Gaylordにさらに脈絡するため、これが産駒に極上のキレを伝えました。

そしてこの馬の代では、Sir Ivor≒Halo≒Foreseer≒Sir Gaylordの6×4・4・5相似クロスに、母方のSir Gaylordと父方のIruleが脈絡しています。
そこから発展したShareef Dancer≒Caerleonの4×3相似クロスも効果を発揮しそうです。

すでにゲート試験には合格しており、デビューも間近に見えているようです。
配合的には、半姉ロッテンマイヤー以上の成績をおさめてもおかしくないでしょう。


平成最後の夏も過ぎていこうとしていますが、2歳ステークスもすでに4つが終了。
現状の仕事の忙しさだと毎週の更新は難しいかも知れませんが(苦笑)、とりあえず年内にPOG指名馬レビューだけは終わらせたいなぁ…。