2016年08月

2016年08月14日

もう開催から1ヶ月が経過しているのに、まだ終わってないの?(笑)というセレクトセール2016・高額馬レビュー。ポケモンGOやってる場合じゃないんでしょうが…(笑)。
つーか今年はディープ産駒の高額落札が呼び水となったのか、その他の産駒でも1億越えが連発!更新が終わらない!!
今日は、そんなディープ産駒以外の2頭を紹介していきます。おそらく、来年のドラフトでも穴人気しそうな馬達です。

1歳馬セッション7頭目の高額落札馬にして、ディープ産駒以外での最高額落札馬となったのが、ランニングボブキャッツの2015(牡)。1億4000万円で金子真人HDが落札しました!

この馬は父ヘニーヒューズ、母ランニングボブキャッツ…と言うより、GⅠ朝日杯FS勝ち馬アジアエクスプレスの全弟と言った方が速いですね。
父ヘニーヒューズは基本的に、いかにもストームキャット系らしいダート向きのパワースピードを伝えます。この辺りは今年のフェブラリーSを勝ったモーニン、レパードSを勝ったアジアエクスプレス、シリウスSを勝ったケイアイレオーネに受け継がれています。
一方で、これまたストームキャット系らしい仕上がりの早さというのも伝えやすく、2~3歳にかけてはスピード能力だけで芝重賞を制するパターンも。これはアジアエクスプレスやファルコンSを勝ったヘニーハウンドが証明していて、古馬で芝重賞を制した産駒はまだ出ていません。
母ランニングボブキャッツは米31戦9勝、準重賞までしか勝っていない中級馬でしたが、前述のアジアエクスプレスを出しGⅠ馬の母となりました。ただ、ほかの産駒の成績を確認したところ初仔のNoble Bolt(父Noble Causeway)が1勝したのみと、コンスタントに良駒を出すタイプではなさそうです。
ただ、父ヘニーヒューズのきょうだいは他にはいないので父が変わって再度期待、というところでしょうか。

血統的には母父に日本の芝でも走れるコジーン系を持ってきたことで、頑強でダート向きの筋肉量豊富な馬体とパワーを誇るヘニーヒューズにナスキロ的なしなやかさを補強。
特にヘニーヒューズの代表産駒であるモーニンもアジアエクスプレスもコジーン持ちで、これはコジーンの2代母父がストームキャットの母父セクレタリアトと3/4同血のきょうだいであるサーゲイロードで、ナスキロ要素を強烈に刺激するのと大いに関係があるんでしょうね。モーニンなんかダート馬とはいえ走りも戦績も典型的な東京向きで、いかにもナスキロ要素がONになってますもんね。

さて、本馬の血統に戻ると5代アウトクロス馬であることに気が付きます。ま、父も母も5代アウトクロス馬なのでその流れを継続してはいるんですが…。
ちなみに父ヘニーヒューズは米国血統の持ち主ながら父系以外は3/4異系でHawaii(ダンテ系)、Meadowlake(プリンスキロ系)、Hagley(レリック系)という状況。代を遡っても4代前にレイズアネイティブの名前が見える程度。
母ランニングボブキャッツは母父Notebookがボールドルーラー系ですがセクレタリアト・シアトルスルーを経ないRaja Baba - Well Decoratedのライン。母母父デピュティミニスターは主流血脈ですが、代が離れていて5代内でノーザンダンサークロスは成立しないわけです。
ですが、父も母も血統を遡ると薄く非主流の米血クロスでパワーを補強しているんですね。レリック、Bull Lea、Eight Thirty、Blue Larkspur、トムフール…。また、父母ともに代を遡るとチラホラと欧州血統が見え隠れしていて(特に母方)、スタミナや底力が補強されていますね。
いかにも日本向きの適性も備えた米国血統馬、というのが評価になるかと。

ま、今になって思えばアジアエクスプレスの勝った2013年の朝日杯FSは勝ちタイムが1:34.7と、阪神開催の過去2年を除けば名前が朝日杯3歳Sから変わった2001年以降で2番目の遅さ(その他の年は毎年1分33秒台を記録)。
もし阪神開催で行われていたらアジアエクスプレスはこのレースを勝っていたのか?などの疑問はありますので、やはり主戦場はダートですかねぇ。


8頭目の高額落札馬はキングカメハメハ産駒のミラクルレジェンドの2015(牡)、これまた金子真人HDさんが1億4000万円で落札。
母のミラクルレジェンドは25戦12勝、3歳夏のGⅢレパードSを皮切りに現在統一GⅠのJBCレディスクラシック2連覇などダート重賞(相当)8勝を挙げた名牝で、その2番仔となります。
さらに母の半弟はGⅠ東京大賞典ほか重賞4勝のローマンレジェンド(父スペシャルウィーク)がいます。
母父フジキセキは芝マイラーもダート巧者も出すんですが、この馬の母はカネヒキリ(その母父デピュティミニスター)同様母父がにダート適性の高いノーザンダンサー系種牡馬Awesome Againでダート向きに出たタイプですね。
2代母パーソナルレジェンドがノーザンダンサー4×3、レイズアネイティブ5×5のゆるい父母相似配合でダート向きのパワー適性が前面に出ている感じでしょうか。

配合は、ノーザンダンサーの5・5・7×6・5にミエスクの2代母であるSanta Quillaの5×5クロス持ち。
3代母Highland Legendがノーザンダンサー、バックパサー、Santa Quillaから構成されているのでキングカメハメハのミエスク、トライマイベストを刺激してます。
で、この馬の適性ですが、芝向きのキンカメ産駒をおおざっぱに言ってしまえば①ノーザンダンサー+ナスキロのラストタイクーン刺激パターンか、②トニービン持ち、あるいは③サンデー+ハイペリオン強化といったパターンに分かれます。
この馬は3パターンのどれも持たず、母のダート適性と配合両面から見てやはりパワー型なのかな?という感じはします。ただ、これまでSanta Quillaのクロスでミエスクを強調したパターンの配合は記憶にないので(勉強不足なだけかも知れませんが。。。)、これが芝向きのスピードを補強してくれる可能性はあるかも知れません。
いずれにしても、キンカメ産駒は母が名牝であれば素直にその能力を引き出すことが多いので、スケールの大きい馬になりそうな予感はしますね。

最近週1ペースの更新とだらけた状態になっていますが、9月の中山・阪神開催を迎えれば良血馬達のデビューが始まるだけに、セレクトセールの話とは別に7月の勝ち馬評価などいろいろまとめて書かなきゃな。。。


2016年08月07日

最近、ブログの更新がおろそかになり気味…。その原因は、今ちまたで話題のポケモンGOに時間を割いているせいです(笑)。
でも、始めるまでは紆余曲折(?)ありました。。。ポケモンGOが出た当日、とりあえず話題だしゲームをインストールしようとしたら、スマホの機種が古すぎて対応していないという悲劇が…。
まぁ、それまで使っていたスマホはwebブラウザがよく落ちるとか、発熱がスゴイとか、突然再起動が始まるとか不具合だらけでそろそろ機種変しようかな~と思っていたので、ちょっと悩みましたがこのタイミングで最新機種に変えてようやくポケモンGOをインストールしました。まぁ、新機種はけっこういいお値段したんですが。
ポケモンGOなんですが、最近運動不気味だったのもあり、ちょうどいいじゃん!って感じですね。町内を歩き回ったりしてだいぶ運動しています。なんか制作側の意図に乗せられてる感じは微妙ですが。。。
ゲームシステム自体は単純なんですがやはりモンスターをコレクションしたくなっちゃいますね。
システムは違うんですがかなり昔、プレステのモンスターファームってゲームでモンスター集めに奔走したのを思い出しました…。

さて、競馬とは関係ない話を長々と書いてしまったので(汗)本題に。
今日は、血統とPOGとは関係ない話題なんですがちょっと個人的に気になったニュースを。

競馬予想家の清水成駿氏が、8月4日午後3時17分、東京都内の病院で死去されました。享年67歳。
自分が競馬…というか馬券に一番のめりこんでいた時期、毎週買っていた新聞が「一馬」でした。
そこで、一面に書かれていたのが一馬のメイン予想家だった氏のコラム「今日のスーパーショット」。走らせる馬主、厩舎、牧場再度の思惑を読み解くという独特の視点に基づき、ハードボイルド・硬派な書き口で展開されたコラムは読みごたえがあるものでした。
まだまだ馬券を始めたてでとりあえず馬柱を追うのがやっとの自分にとっては、そんな視点があるのか!?ホントかよ!?と結構な衝撃があったのを覚えています。
本命を打つ馬も、時に「え、この馬!?」という馬なことがあり”孤独の◎”なんて呼ばれていたそうですが、1998年日本ダービーの14番人気ボールドエンペラー(2着)からスペシャルウィークへの馬連一点(13100円)や、自分は完全に無印にした2007年日本ダービーの牝馬で3番人気のウオッカ(1着)など、これがまた来るからスゴい。

2001年に一馬を退社され、氏の「今日のスーパーショット」が読めなくなった後も一馬を買ってはいましたが、やはりどこか物足りない感じでしたね。
自分の馬券への熱が以前ほどでもなくなったため、買う新聞は安くて3場開催の情報もしっかり載っている東スポに切り替えたんですが、ここでちょうど掲載されていたのが氏の「馬単三国志」でした。
こちらでもやはり走らせる側の視点を読み、三国志に例えたコラムは変わらず読み応えがありました。いきなり三国志じゃなくメジャーリーグの話題に例えられたりして、よっぽど野球が好きなんだなぁ(笑)という回もありましたが。
いつだったか本命馬が十数週連続で馬券に絡んで、東スポ上で神扱いされていた時もありました(笑)。
また近年は、大レースが社台グループ(特にノーザンファーム)生産馬による運動会となっていることに対して一過言ある、とやはり硬派なスタイルを貫かれていました。
ま、 社台グループ(特にノーザンファーム)に関しては相応の努力をされていて、実際に結果を出しているのは認めたうえでの発言だったんでしょうが…。

なんにせよ、当たっても外れてもインパクトのある印、そして読者を思わず唸らせる印をつけるまでの予想プロセス、独自の硬派なスタイル…。自分的には、間違いなく一番好きな馬券予想家、評論家さんでした。
近年は馬単三国志がGⅠメイン→ピンポイント掲載との掲載頻度も少なくなってきていて、コラム中でも闘病を示唆する文脈が見受けられたので気になってはいたのですが…。
自分も趣味で駄文を書いているという意味では、氏のように読む人にインパクトを与える、そして惹きつけ思わず納得させてしまうような文章が書けるようになりたいなんて思っていますが…。
合掌。