2016年05月

2016年05月28日

2週間ぶりのご無沙汰でございます。ドラフト直前に仕事・プライベートでバタバタしてしまい、なかなか更新できない日々が続いてしまいました。結局2歳馬レビューも完遂できず…。
って、明日も友人の結婚式に出席するのでダービーを生観戦できないんですよね…。
まぁ、今年は身内POGでは指名馬のダービー出走が0という状況。その他のPOGでは指名馬ヴァンキッシュランがダービー出走も現在単勝15倍の6番人気と勝つのは難しそうだな~という感じですから、世間的にはハイレベルの1戦と盛り上がっていても個人的には今一つの盛り上がりというか(笑)。

そんな自分の興味はすでに来季のPOG2016-2017のほうに向いているワケであります(笑)。
で、今年の身内POGドラフトは先週すでに行われました。参加者のみなさん、お疲れ様でした。
一応明日までチェンジ可能な状況にはあるんですが、現状の指名馬を勝手にやや上から目線で(笑)レビューしちゃいます。

今年はベテランけんたろーさんが不参加も、新たにおがわらさんが参加ということで引き続き15名というなかなかの大所帯に。
ドラフト会議も競合多数でなかなか熾烈な状況でした。
ちなみに1位指名競合はトゥザクラウン(トゥザヴィクトリーの2014)が3名競合、ダブルバインド(ラッシュラッシーズの2014)モクレレ(アパパネの2014)ヴァナヘイム(グルヴェイグの2014)が2名競合という感じ。
さすがに15名となるとディープ産駒とキンカメ産駒の良血馬は早々に消えていく状況で、下位でどんな馬を指名するかが勝負の分かれ目になってくる感じでしたね。

では、みなさんの指名馬紹介(アイウエオ順)をしていきます。人数が多いので今回は数回に分けてレビューさせてもらおうかな、と。
まずは新規参加のおがわらさんの指名馬です。
指名時には母名(○○の2014とか)を付箋に書かなければいけないんですが、間違って決まっている馬名を書いてしまい後で選び直しとなるアクシデント!これが後々いい方に転ぶのか、悪い方に転ぶのか!?

1位.コロナシオン(ブエナビスタの2014)
2位.リナーテ(マルペンサの2014)
3位.ジェニシス(パレスルーマーの2014)
4位.グローブシアター(シーザリオの2014)
5位.ムーンシュトラール(ムーンレディの2014)
6位.コンプリートベスト(ミラクルレジェンドの2014)
7位.アスティル(ヒストリックスターの2014)
8位.テソーロ(ベルワトリングの2014)
9位.ミスエルテ(ミスエーニョの2014)
10位.シロニイ(シラユキヒメの2014)

1位はブエナビスタの初仔!見事に単独指名です。
初仔でキンカメ産駒の牝馬がどうかというのはありますが、ブエナビスタは走る仔を出すイメージがプンプン(笑)。姉妹のファインセラ、アーデルハイトの繁殖成績は優秀ですし、母父としてスペシャルウィークはすでにエピファネイア・クラリティスカイとGⅠ馬を2頭出していますからね。自身の能力+αがあればとんでもない大物に!?

2位リナーテは明日のダービーに出走するサトノダイヤモンドの半妹。
マルペンサは初仔から大物を出したということで、中位で残っていれば指名しようかと思っていましたが…甘かった(笑)。
ちなみにヘイロークロス持ちのステゴ産駒って大物はいないんですが、この馬がそのジンクスを覆すか。

3位はシブい!Mineshaft産駒のジェニシスです。
Mineshaft産駒といえばパッと思い浮かぶのが現在種牡馬のカジノドライヴ。これまでの父の実績からも、米パワー血脈で占められた血統からもダート専用の感じはしますが、狙え来年のUAEダービーでしょうか?

4位はグローブシアター、これは明日のダービーに出走するリオンディーズの全弟。ま、血統的には解説の必要なしですな(笑)。

5位指名はムーンシュトラール。2010年の日本ダービー馬エイシンフラッシュの全弟ですな。これまた良血!

6位のコンプリートベストは、地方交流含めダート重賞を8勝した女傑・ミラクルレジェンドの初仔。父エンパイアメーカーで芝適性はどうかもIn Reality、Le Fabuleuxのクロスでパワーとスタミナは満点。こちらは目指せ関東オークス!?

7位はアスティル。あのハープスターの半妹です。ただ、全姉リュラは小柄な馬で現在未勝利。この馬もさほど馬体はないようなので、ここからの成長がカギになりそうです。

8位のテソーロは、ダイワメジャー産駒の隠し玉的存在。
母のベルワトリングは馴染みのないチリ馬ですが、当地ではGⅠ5勝の女傑です。チリ出身の繁殖牝馬はタンタスエルテがパララサルーやタンタアレグリアを出していて、今後面白い存在になるかも。
すでに矢作厩舎に入厩済みで、速攻系としてガンガン働いてくれそうです。

9位は、今年海外で話題のFrankelの初年度産駒、ミスエルテ!
実はおがわらさん、アクシデントで選べなかった馬もFrankel産駒だったのでかなり推されてますね。配合的にはバリバリ欧州血統の父×バリバリ米国血統の母の組み合わせ。
父はすさまじいスピードを武器に14勝無敗の成績を残しましたが、父系を遡るとサドラーズウェルズに行きつくので、日本の馬場が合うかは未知数かな。この馬はミスプロクロスを持つので、それが素軽さに繋がってくれるかがポイントでしょうか。

10位はみんなの人気者(笑)、白毛馬のシロニイです。
このきょうだいは母母父Topsider(産駒にアサティス、デュラブ)が強くでている影響で、特に全姉のマーブルケーキとブチコの成績からは完全にダート馬の印象ですが、まぁパワーは保証されているのでこの馬も目指せUAEダービーでしょうか?

全体的には、コテコテの良血馬が多い印象(笑)でしょうか。あとは、バリバリダート馬が3頭いるのでそれらの働きが上位に入れるかカギを握って来そうです。


続いてはPOG管理人のしんぺーさん。いつもお世話になっております。今年は自分同様下位に沈みましたが(笑)、虎視眈々初優勝を狙います。

1位.アドマイヤエスパー(アゼリの2014)
2位.アドマイヤラッシュ(アドマイヤマリンの2014)
3位.キラーコンテンツ(ミュージカルロマンスの2014)
4位.アルミレーナ(ナイトマジックの2014)
5位.ランガディア(マリーシャンタルの2014)
6位.グローバルピースの2014
7位.サトノホルス(セルキスの2014)
8位.スマイルウィーク(オメガスピリットの2014)
9位.ハナレイムーン(ハウオリの2014)
10位.マイジェンの2014

1位指名は超良血のアドマイヤエスパー!!
母は超名牝のアゼリ。全兄ロイカバードは重賞3着2回でPOG期間中のGⅠ出走はなりませんでしたが、この馬は兄よりも仕上がりがいいらしいので、重賞戦線での活躍が見込めるかも。

2位はアドマイヤラッシュ。
今のところきょうだいは全て父ディープで、アドマイヤスターが1勝、アドマイヤダイオウは3勝で若葉S勝ちと来ればこの馬は重賞勝ちも目指せる!?うーん、もうちょっと残っていれば指名したかったのに…。
母父クロフネ、母母父Gone Westなのでパワー寄りの配合ではありますが、しぶとく末脚を伸ばしてきそうです。
ちなみになぜか上位2頭が近藤利一氏の持ち馬ですね…。久々にアドマイヤ旋風が吹くか?

3位はシルクHC初の1億円馬、ディープ産駒のキラーコンテンツです。
母の競争成績がGⅠ・BCフィリー&メアスプリントなど短距離重賞を4勝というプロフィールは、いかにもディープに合っていそう。
母の血統はバリバリ米血で占められていてノーザンダンサーを持たないので、リアルインパクトに近いイメージがあります。
牧場コメントからもマイラーの声があるので、目指せNHKマイルC?

4位アルミレーナは、赤本のイケてなかった馬列伝のトップにも載った(笑)フォイヤーヴェルクの全妹です。
しんぺーさんはフォイヤーヴェルクが昨年の1位指名馬だったので、そのリベンジですね…。
さすがに兄のときのような威勢のいいコメントは聞かれませんが、素軽くていい馬なのは間違いないそう。
まずは1勝目指して、でしょうか。

ここまでディープ産駒が続きましたが、5位はキンカメ産駒のランガディア。
母マリーシャンタルが18歳時の産駒と高齢なのは気になりますが、母母ダイナカールなので3/4ドゥラメンテと同血。
すでに入厩済みとのことなので速攻要員としても楽しめそうです。

6位グローバルピースの2014は、ホエールキャプチャの全妹ですね。やはりクロフネ産駒といえば牝馬の活躍馬のイメージがあります。
ただ実は全姉は3頭いて、ホエールキャプチャは重賞5勝を挙げましたが他の2頭はそれぞれ未出走と未勝利。ホエールキャプチャが唯一の成功例になっているので、1勝目を挙げられればポンポンと行きそうですが。。。

7位のサトノホルスはハーツクライ産駒。母はドイツの重賞勝ち馬で、母父Monsunという最近増えてきているパターンです。
やや重い血統というイメージもありますが、すでに須貝厩舎に入厩して坂路でいい時計を出しているので、母母父Grand Lodgeがスピードと仕上がりにいい影響を与えているのかな?
すでに阪神開幕週の芝1600mの新馬戦をルメール騎手で予定しているそうですから、厩舎のハーツクライ産駒の先輩たちに続いて大きなところも狙えるかも!?

8位のスマイルウィークは、スペシャルウィーク産駒で半姉がヌーヴォレコルトという渋いところを突いています。
実はこの馬、自分もリストアップはしていました。
スペシャルウィークって最近は活躍馬を出せていないんですが、産駒は牝馬に活躍馬多数。
また母が活躍馬orきょうだいに活躍馬がいる母との配合はなかなかアツいパターンになっていますし、現在は日高で繋養されている同馬をわざわざ種付けしたあたりも期待度の現れで、久々の大物を期待したいところです。

9位は再びディープ産駒のハナレイムーン。最近にわかに注目を浴びている母父キンカメパターンですね。
全兄は2連勝で将来を嘱望されながら骨折でクラシックを棒に振ったキロハナ。祖母はマイルCSを勝った名牝・ノースフライトという血統です。
堀厩舎×金子真人HDの好相性ラインで、まずは兄超えを果たしたいところ。

10位もディープ産駒、マイジェンの2014。今年猛威を振るったヘイロークロス持ちパターンですね。
母のマイジェンは米GⅡギャラントブルームH勝ちのフサイチペガサス産駒。やや米血に偏っている印象はあるものの、パワーとスピードはありそうな配合です。

全体的には、ディープ産駒6頭って多!という感想(笑)これは勝ちに来ていますな…。
ただ、どちらかというとすでに結果を出した馬達の下を獲るのではなく、初仔や2番仔・3番仔が多くチャレンジスピリットもあるかな、と。当たれば一発大きいのが狙える指名って感じですね。


3人目に登場するのは、昨年から参加のなりたさん。今シーズンの順位は11位ですが、来期は上位進出を伺っていられるでしょう。

1位.ルーズベルトゲーム(サプレザの2014)
2位.ベルダム(ドナブリーニの2014)
3位.フュージョンロック(シャピーラの2014)
4位.ミリアムの2014
5位.レッドエレノア(サビアーレの2014)
6位.ペイシャフローレス(プレザントケイプの2014)
7位.Romantic Romanceの2014
8位.レッドアランダ(マンダララの2014)
9位.ナルカミ(ブリッジトウショウの2014)
10位.リトルプリンス(アートスタジオの2014)

1位指名はディープ牝馬の大物候補、ルーズベルトゲーム。
母サプレザはマイルCSに3年連続で出走し、3・4・3着に好走したことですでに日本でもお馴染み。
母父Sahmはミスプロ系ですがサドラーズウェルズ持ち、母系も欧州血統タップリでマイル路線で活躍した母の競争成績より血統的な字面はやや重めですかね。
ただ入厩するのが短距離馬に実績のある安田厩舎ですから、スピード調教がうまくハマれば桜花賞路線に乗って来るかも知れません。
 
2位はこれまたディープ牝馬の超良血馬、ジェンティルドンナの全妹ベルダムです。血統的な説明はもう置いておきます(笑)。
全兄レゲンデは1勝しか挙げられていませんが、どうもこの血統は牝馬の産駒の方が走る傾向がありそうで、空胎明けということもあり期待は高そう。
現状馬体が小柄なので、もう一段階馬体増とパワーアップを図りたいところでしょう。

3位は替わってステイゴールド産駒の牡馬、フュージョンロック。うーん、3位で行かれたかぁ…。
すでに須貝厩舎に入厩済みで、坂路で時計を出している…というのは、ゴールドシップやレッドリヴェールと共通点があります。
血統的には母父がレッドゴッド系で主流血脈をあまり持たないタイプ。母がドイツ馬ということを考えるとなるほど、となりますが。
きょうだいは概してデビューが遅かったんですがこの馬は非常に順調にここまで来ていますから、すでに亡くなったステイゴールド産駒晩年の大物になれるかも。

4位はミリアムの2014。この馬はチェックしてなかったな…。
ちなみに配合的にはダイワメジャー×母父キングカメハメハ。母はJRA2勝とあまりプロフィールに目立ったものはなく初仔ということもあり、POG本でもそれほど大きな扱いにはなっていませんでした。
母父キングカメハメハはディープインパクト・ブラックタイド兄弟との配合では結果を残していますがダイワメジャー産駒では活躍馬がいません。本馬がそのジンクスを打ち破ることができるか注目。

5位はレッドエレノア、ハーツクライ産駒の牝馬です。全兄は日経新春杯を勝っているカポーティスターで、実績のある配合ですね。
ただ、全兄は未勝利勝ち→新緑賞と2連勝を飾ったものの重賞勝ちは明け4歳になってからですから、ハーツクライ産駒らしく晩成傾向がありました。
本馬も5月生まれと遅生まれ、春までに仕上がるか懸念がありましたがすでにゲート試験合格とデビューに向け準備は整ってきているようです。

6位はペイシャフローレス。おお、この馬全くのノーマークだったぞ…。
ただこの馬、半姉2頭は3歳春までに2勝を挙げていて母の繁殖成績は上々。なかでもペイシャフェリスはアネモネSを制し桜花賞とオークスにも出走しています。
本馬は父ヴィクトワールピサ×母父Cape Crossでロジユニヴァースと似た配合形態なので、大物感もありますね。

7位はRomantic Romanceの2014。この馬もノーマーク…。
父Bellamy Roadは日本に馴染みのない馬ですね、血統的にはダンチヒ系×ブラッシンググルーム系の配合ですか。
POG本ではほとんど扱われていなかったものの、HBA北海道トレーニングセールに上場され1ハロン11秒台という走りを披露しています。
Bellamy Road産駒は日本で走っていないため馬場適性は未知数ですが、母母父はVice Regentでダートでもやれそうですね。

8位はレッドアランダ。日本で走ったきょうだいに目立った活躍馬はいませんが、母が海外に残してきた半姉Mandeshaはヴェルメイユ賞などGⅠ3勝を含む重賞4連勝を挙げています。
母はやや高齢ですが、角居厩舎に入厩予定というのはポイント高いですね。

9位はナルカミ。キンシャサノキセキ産駒と穴っぽいところですね。しかも生産者は昨年閉鎖されたトウショウ牧場。。。シ、シブい…。
この馬も7位のRomantic Romanceの2014同様、セレクトセール以外のセール出身馬(2015年北海道サマーセール)。
調べてみたらBTCの坂路をけっこういい時計で駆け上がっているようで、実戦タイプのよう。こなせる距離の上限に限界はありそうですが、短距離戦でポイント狙いでしょう。

ラストの10位は、2頭目のヴィクトワールピサ産駒となるリトルプリンス。こ、この馬もノーマークだ…。
POG本には黄本のみ掲載されていましたが、育成の山田ステーブルでは「ウチの2歳馬では抜けた1頭」と好評価を得ていました。
配合的には母父がA.P. Indy系のBernardini、母父Deputy Ministerなので母系が出ちゃうとダート馬になりそうですが、牧場の評価は芝の長いところ向き、とのこと。父のいいところが上手く出たのかも知れません。

なりたさんの指名馬、全体的にはノーマークだった馬が多かったです。それは、10頭中6頭が日高の生産馬ということによるところがあるでしょうか。しかし、よくいろんな馬を調べられてるんだなぁ…と。
ちなみに我々のPOGでは「KICHIKU値」なるものがあり、社台Gの良血馬、GⅠ馬の下などを指名すると最初にペナルティポイントを取られます。
その意味では、なりたさんは最初にスタートダッシュを決めそうですね。

さて、思ったより長くなったので今日はこの辺りにしておきます。
しかしなりたさんの指名馬を見ていると、POGも奥が深いなぁ…という感じがしますね。


2016年05月12日

4/29に発売となった黄本から数えて4冊目、トリを飾るのは月曜日に発売されたPOG本の真打・須田鷹雄氏監修の赤本こと『POGの達人 2016~2017年』です!(タブロイド系だと、東スポさんのザッツPOGが明けて本日発売ではありますが。)
POGの達人(赤本)2016-2017


まずトップグラビアに選ばれたのは牡牝三冠馬どうしという夢の配合馬、モクレレ(アパパネの2014)
生まれだけでなく馬体も素晴らしいということで「各地でドラフト1位指名されるだろう。」との記述。うん、間違いないですね(笑)。
また、同ページの牝馬のトップはカデナダムール(ラヴズオンリーミーの2014)でした。こちらも兄リアルスティールがドバイターフを制し旬な一頭です。

読んでみてですが、やはり赤本は比較的シンプルなつくりという印象があります。
カラーグラビアは他誌の方が多くの馬を掲載していますし、牧場リポートもシンプルな書き口。
一方で、一番遅く出る本だけあり赤本だけは今年も海外セール出身馬のカラーグラビアが載っています(今年は5頭のみとやや寂しいですが)。
またこれも赤本の特徴で海外トレーニングセールリポートでは須田氏が各馬の馬体だけでなく走りがどうだったか、上積みがありそうかというところを書かれています。ま、須田氏は「カレン」の冠名で有名な鈴木隆司氏のアドバイザーも務めていられますから、「実際の馬主視点」なレポートが見られますね。
しかし悲しいことに今年のアメリカ2歳セールの購買馬は数が減ってしまったようなので()、今年マル外を指名するというのは微妙かも。。。過去にはアジアエクスプレスやアルビアーノといったPOG期間の活躍馬も出ていますから、個人的には面白いと思うんですけどね…。
確かに2頭が購買された当時と比べれば1ドル10~20円程度の円安傾向にあるので、輸入には不利っちゃ不利なんですが…。

閑話休題。
今年も最大の楽しみ?は「イケてなかった馬列伝」(笑)。今年は1ページか…。去年は2ページあったのに(笑)。
やはり今年1番手に名前が挙がったのは、景気のいいコメントで昨年多くの方が1位指名し爆死したであろうフォイヤーヴェルク!!
ま、最近は人気馬が走る傾向が強いとはいえ、ノーザンファーム期待のディープ産駒でも走らないことはあるんだよ、ということですね。
って実は同馬は赤本発売前日の新潟未勝利を勝ち上りと、最後に意地を見せてはいますが(笑)。
そしてイケてなかった馬列伝の掲載馬、7頭中5頭がノーザンファーム産まれのディープ産駒!今年も、ディープの取捨が天国を見るか地獄を見るかの分岐点になるでしょうね。
特に今年のディープ産駒はデビュー以来過去最大の産駒登録数となっていますから、昨年以上の慎重さが求められそうです。

他にも、「牡馬が走る厩舎&牝馬が走る厩舎」も面白い内容。みなさん「池江厩舎は牡馬の方が圧倒的に走る」といったようなイメージはあると思います(それでも池江厩舎はミッキークイーンが出てしまいましたが)。
それを実際にデータに落とし込んだのがこのコーナー。
競走馬としては、全体的に牡馬の成績の方がいいワケですが、それでもあえて牝馬を選ぶならどの厩舎がいいか?という指標や、人気の牝馬が入厩予定でも疑った方がいい厩舎は、といった指標に使えそうです。
自分は牝馬も積極的に取りたいタイプ。今年は牝馬マイスターだった松田博師の引退がありましたが、この本のランキングに名を連ねている調教師さんの管理馬からチョイスしてみたいですね。
全体的には期間内の大物牝馬を出している石坂師(ジェンティルドンナ)、国枝師(アパパネ)の成績が良さそうです。

赤本独自の読み物コーナーは、「エクイノム・スピード遺伝子」について、競走馬理化学研究所の戸崎晃博士にお話を聞いています。
エクイノム・スピード遺伝子といえば2013年に英国ダービーで大本命だったドーンアプローチが、同遺伝子検査で短距離向きと判断され、実際にレースでは最下位に負けたことで名を知られました。ちなみにドーンアプローチの馬主はエクイノム社社長のジム・ボルジャー氏ではありましたが…。
翌年にはダービー前に皐月賞馬イスラボニータが検査を受けて中距離型と診断され、負けはしたものの、フジキセキ産駒ながら2着になったことでも話題に。
具体的にはC:C型は筋量が多くスピードに優れ、短距離適性が高い(1000~1600m)。
T:T型は持久力に優れスマート型で、ステイヤータイプ(2000m以上)。
C:T型は両者の中間で、幅広い距離への適性あり(1400~2400m)。
現状では馬主さんが所有馬の距離適性をつかむために検査を受けるというパターンが多いよう。
もちろん博士が文中で語られているように、競走馬の資質は後天的な環境要因(育成・トレーニング)に占める割合が大きいとは思いますが、もしかしたら今後POGでもこの検査の結果が各馬のプロフィールに載るような日が来るかも…!?

最後に、赤本ライター各氏のオススメ10頭コーナーを集計し簡単にまとめてみます!!
やはり最多指名はディープインパクト産駒で24頭!!2位がキングカメハメハ産駒の9頭ですから、ダブルスコア以上の差を付ける人気。ま、今年はキンカメ産駒の数自体少ないのはありますが…。
以下、なんとルーラーシップ産駒が指名3位にランクイン!新種牡馬ルーラーシップの産駒は意外に人気で、取れないことがあるかも。。。
続いてはステイゴールド・ハーツクライ産駒が同率4位、以下マンハッタンカフェ、ヴィクトワールピサ、ダイワメジャーなどが人気してました。海外新種牡馬では14戦14勝の無敗の名馬、Frankel産駒も票を集めた馬がいました。
個別の馬では、やはり予想通りキンカメ産駒のトゥザクラウン(トゥザヴィクトリーの2014)とディープ産駒のヘリファルテ(シユーマの2014)が同率1位で指名!!
他にもヴァナヘイム(グルヴェイグの2014)、コロナシオン(ブエナビスタの2014)、サトノアーサー(キングスローズの2014)、オーロラエンブレム(ブラックエンブレムの2014)、ラボーナ(ハッピーパスの2014)など上位人気が予想される馬達が当然人気を集めていました。

POG本もある程度目を通し、身内サークルのPOGもドラフトが10日後に迫って来ました。
正直当ブログの2歳馬レビューは今年も行けてキンカメ産駒までになりそうですが(笑)、とりあえず今後もコツコツ記事を書いていこうかと思います。


2016年05月08日

先程終わったNHKマイルCではPO馬のティソーナが出遅れからのブービー負けという最悪の流れで、今期の巻き返しは完全にムリとなった管理人です(苦笑)。
こうなったらもう考えるのは来期のことのみ(笑)、今日も懲りずに2014年産ディープインパクト産駒の注目馬・母が重賞勝ち馬編です。

1頭目はディープ産駒でもおそらく人気はしないであろう、サロニカ(サロミナの2014(牝))です。

父:ディープインパクト
母:サロミナ
母父:Lomitas
生産:ノーザンファーム
馬主:吉田勝己(社台グループオーナーズ)
募集価格:5000万円(一口:500万円)
厩舎:角居勝彦(栗東)

サロミナはドイツ産馬で5戦4勝。デビュー戦から4連勝、3.1/2馬身差でGⅠ独オークスを制したシンデレラガールでした。5戦目、フランスに遠征してのヴェルメイユ賞で10着に負けた後早々に繁殖入りしています。

母父のLomitasはニジンスキーの系統で、独米で19戦10勝。ドイツ時代はGⅠ3勝、連対を外したのは1回のみ、ドイツ最強馬という感じで年度代表馬に輝いています。
母母のSaldentigerinもドイツ産馬でGⅢバーデンヴュルテンベルクトロフィ勝ち、GⅠオイロパ賞2着。
3代前の父母たちもLa Coloradaが独GⅢガツヴァイラーズアルトポカール勝ち、タイガーヒルはジャパンカップにも出走しましたがドイツでGⅠバーデン大賞連覇など重賞6勝、Saldeもドイツで8戦3勝と父父Niniski以外は全てドイツで走った馬達です。

サロミナは父Lomitasがニジンスキー系×Surumu、母Saldentigerinがデインヒル系×Alkaldeといういずれもノーザンダンサー系×ドイツの土着血統という配合で、ノーザンダンサー4×5クロス持ち。
6代母Suleikaは産駒のSanta Lucianaからビワハイジの母アグサンとマンハッタンカフェの母サトルチェンジが出ていて、日本に馴染みのある牝系。
血統の1/2はドイツ独自の血統でSurumuはヘロド系、Alkaldeはブランドフォード系ということで欧州スタミナ系の非主流血脈がタップリ。
ディープに関連のある血という点では父系4代前のLove InがCrepello×Owen Tudor、母系7代目のAureoleがHyperion×Donatello、さらに母系にはもう1本6代目にCrepelloの血が見え、ディープの持つBurghclereの血を刺激しています。
ただ、全体的に重厚な血が多いこと、母・母父ともに中距離~クラシック型ということでディープ産駒の一般的な成功パターンからは外れていますかね。
とは言えディープにドイツ牝系の繁殖牝馬を配合するというパターンはワールドエースの成功もあります。
ワールドエースは母父Acatenango、母はノーザンダンサー1本のみということを考えるとこの馬が重そうな血統だから…とは単純に言えないですね。
サロニカ以降も2年続けてディープと配合されているということは産駒のデキがいいということでしょう。
初仔であることで手は出しにくい感じはありますが角居厩舎預託ということで陣営の期待度は高そうです。


続いて紹介するのは、ソートアフター(ジャズプリンセスの2014(牝))です。

父:ディープインパクト
母:ジャズプリンセス
母父:Bahhare
生産:社台ファーム
馬主:大谷正嗣
取引価格:2160万円(セレクトセール2015・1歳馬セッション)
厩舎:戸田博文(美浦)

ジャズプリンセスはアイルランドで1400mのGⅢ・アサシSと愛パークSを勝利。
これまでの産駒は好成績を残せていませんが、母がスプリンターという時点で触手が動きます(笑)。

母の父はWoodman産駒のBahhare。この馬もやはり短距離馬で、重賞は1400mのGⅡシャンパンSを勝ったのみ。ただ、半兄Bahri(父Riverman)がマイルGⅠセントジェームズパレスS・クイーンエリザベス2世Sを勝利し種牡馬入りしているということで、同様に種牡馬入りしたようです。
Bahhareの母はNijinsky×Bold Bidder、母母Jazz UpはCadeaux Genereux×Chief's Crownですから3/4米血ですが1/4欧血のCadeaux GenereuxがTudor Minstrel4×5、ハイペリオン6・5×7・6にCrepello持ちと、ディープのBurghclereを刺激しています。
また、3代母Slow JazzはSomethingroyal4×4のクロスを持ちSecretariat≒Sir Gaylordの3×3相似クロス持ち、ダンチヒはリファールと相似な血なのでAlzaoの血を増幅。
本馬の配合で言えばヘイロー≒Sir Ivor≒Habitatの3・5×5持ちです。

ディープの血統ポイントをうまく刺激する配合になっていますが、きょうだい3頭で勝利を挙げたのは半兄(セン馬になっちゃいましたが)ハーマンミュートの未勝利のみ。
注目度も低く、セレクトセールの値段もディープ産駒にしては上がりませんでしたが血統的には面白い1頭だと思います。


2016年05月07日

今日2回目の更新は2014年産ディープインパクト産駒の注目馬・母が重賞勝ち馬編です。
ちなみに、昨年のセレクトセール高額馬レビューでドラフトの注目馬でもあるダブルバインド(ラッシュラッシーズの2014(牡))サトノアーサー(キングスローズの2014(牡))サラフィナの2014(牡)とコケレールの2014(牝)サトノルーラー(コンテスティッドの2014(牡))をそれぞれレビューしていますのでそちらの記事もよろしければどうぞ。

で、今日の1頭目ですがサトノシャーク(オジャグワの2014(牡))です。

父:ディープインパクト
母:オジャグワ
母父:Pure Prize
生産:社台ファーム
馬主:里見治
取引価格:-
厩舎:池江泰寿(栗東)

この馬の母オジャグワはアルゼンチン産馬で、彼の地でヒルベルトレレナ大賞などGⅠ5勝を含む重賞10勝を挙げ、アルゼンチン古馬牝馬チャンピオンに2回選ばれている名牝。
初仔となるリベルタンゴ(父Smart Strike)は密かに人気しながら期間内は1勝のみ。
ただ、間違いなく母はディープと配合されるために輸入されたと思われるので、父が代わってこの馬からが勝負という感じでしょう。
アルゼンチンの牝馬といえばディアデラノビアの母ポトリザリスのようにマイナー血統がメインな場合もあるんですが、オジャグワの配合はアメリカのメジャー血統がメインとなっています。

母はミスタープロスペクター4×4、セクレタリアト4×5クロス持ち。母父のGone Westを強調するような構成です。
オジャグワの父Pure Prizeは日本ではマイナーな種牡馬。母父として2013年のダービー3着馬アポロソニックが目立つ程度です。
ただ、その「母父」という意味ではストームキャット系ということでディープとの相性は良さそう。
Pure Prize自身はGⅡケンタッキーCクラシックHを勝った程度の実績しかありませんが父ストームキャット、母がGⅠ8勝を挙げエクリプス賞最優秀3歳牝馬を受賞したHeavenly Prizeという良血で種牡馬入り。
ストームキャット×Seeking the Gold×ニジンスキーですからバリバリの米国血統ですが、血統構成的にはラキシスの母マジックストームと似ていますね。

母母父West by WestはGone West×Cox's Ridgeでボールドルーラークロス持ちということで、こちらも米国血統メイン。他にも母方にはTable Playがナスキロ血統。
全体的に素軽さを強調するミスプロクロスに、柔らかさを強調するセクレタリアトクロスとナスキロがもう1本ということで、仕上がりの早さに関しては微妙かも。
もともと自分はディープ×ミスプロクロス持ちの牝馬という配合にはPOG的に懐疑的な部分があるんですが…。
あとは淡泊さ・ジリっぽさを伝えてしまうGone Westを強調する構成であることも個人的には好ましくないかな~。

馬体は4月時点で540kgとのこと。半姉リベルタンゴも500kgを超えていたように母は雄大な馬体を伝えるようです。
ただ、ディープ産駒は馬体が軽いより重い方がいいとは言え、さすがに550kg近いと足元の心配や仕上がりの遅さが心配になってきますね。
ただ、現時点での牧場ではプロフィールにふさわしい高い評価を得ているようなので、杞憂に終わるかも知れませんが…。
社台F産のディープ牡馬ではトップクラスにランクされる1頭でしょう。


次に取り上げるのは、こちらも社台F産のコージーロージーの2014(牡)です。

父:ディープインパクト
母:コージーロージー
母父:プレザントリーパーフェクト 
生産:社台ファーム
馬主:-
取引価格:-
厩舎:-

この馬は馬主、取引価格、厩舎ともに未定。これは5月16日(月)に行われる千葉サラブレッドセール2歳セッションの目玉の1頭になっているからです。
で、その母コージーロージーは14戦5勝、GⅠ勝ちこそないもののGⅡブエナヴィスタHなど米国で重賞3勝を挙げています。

実はこの馬の全兄ドラゴンテリーは、去年のブログで簡単に取り上げていました。
母父は現在では傍流血統のリボー系Pleasantly Perfect。現役時代はブリーダーズCクラシックとドバイワールドCを勝った名馬です。そもそも父リボー系という牝馬自体少なくディープ×母父リボー系で結果は出ていませんが、母父リボー系はヘイルトゥリーズン系と相性良好。
ブライアンズタイムは母父がGraustarkですし、サンデー系との配合でも母父ローソサエティでマンハッタンカフェ、ハイアーゲーム、ダイワマッジョーレが出ています。
ちなみにPleasantly Perfectの父系祖父His MajestyはGraustarkの全弟。この血統はリボー×Alibhai(父ハイペリオン)×Beau Pere(父Son-in-Law)がスタミナや粘り強さを伝えてくれます。
Pleasantly Perfectの血統で見ると母方のリファールがハイペリオン、フェアトライアル、Son-in-Lawで脈絡しさらにスタミナや粘り強さ、持続力を強調。

母の血統で見てもExclusive Nativeの4×3、ノーザンダンサーの5×4でパワーをしっかり補強、Vaguely Noble持ちと米国馬ながら欧州血統のサポートがいい感じです。
初仔の全兄は未だ未勝利ですが、450kgそこそこの兄に対し本馬は4月時点で490kgの馬体を誇るので、前進はありそうかなと思います。


3頭目は、ゼロメリディアン(ザズーの2014(牝))です。

父:ディープインパクト
母:ザズー
母父:Tapit
生産:ノーザンファーム
馬主:吉田勝己(社台グループオーナーズ)
募集価格:5000万円(一口:500万円)
厩舎:高野友和(栗東)

ザズーはGⅠラスヴィルヘネスS・サンタアニタレイディズシークレットSなど重賞3勝。ケンタッキーオークスも2番人気3着と米3歳牝馬戦線の主役の1頭として活躍しました。
半姉アートプリンセスは1勝馬もノーザンファームに輸入済みで産駒のタップザット(父Tapit)がGⅠ全日本2歳優駿で2着。全姉スターオブサファイアは千代田牧場に輸入と、日本への適性があると判断されているようですね。
近年父にTapitを持つ繁殖牝馬が少しづつ輸入されていて、旬な配合になるかも知れません。

ザズーは父が米リーディングサイアーのTapit。
Tapitは父のPulpitと同様にA.P. Indy系×ミスプロ系の配合で、PulpitもTapitも母がミスプロ系×ニジンスキー系の配合でミスタープロスペクター3×4、ニジンスキー5×3のクロス持ち。
ミスプロ×ニジンスキーと言えばジェイドロバリー、スキャンと同配合でパワーとスピードに溢れます。
ただ底力や特にスタミナは母系からさらに補給する必要があり、Tapitの代表産駒でベルモントSなどGⅠ4勝のTonalistは母父がPleasant Colony。
ザズーの血統にも、母母父にPleasant Colonyの名前が見えます。

母ザズーの配合はミスタープロスペクター4・5×4、ニジンスキー6・4×4とPulpitとTapitのA.P. Indy系×ミスプロ系×ニジンスキー系の配合を継続。
他にもセクレタリアト5×5クロスがあり、Pulpit≒Gone Westの2×3相似クロスと言えるかも知れません。
全体的にボールドルーラーが7・6・7×6・5と本数が多いこともあり主流血脈に偏ってクロスの濃い馬です。

一方でディープとの配合になる本馬は5代内クロスはなし。
母の緊張感のある配合から緩和された配合になっています。
ディープの配合のキモと言えばヘイロー×Sir Ivor相似クロスの継続、Alzaoの血の増幅、Burghclereの血の増幅といった辺りが主流。
一方で本馬はそういった血統要素はないですね(ノーザンダンサーとセクレタリアトを併せ持つとAlzaoの増幅になるが位置が離れている)。
母の血からは底力やスタミナを補給してくれる血がPleasant Colonyくらいしか見えないのもやや気になる部分ではありますが、なにせこの配合パターン(ディープ×A.P. Indy系)は今年ハートレーが出ましたがまだ成功とも失敗とも結果が出きっていません。
自分的には様子見してみたいところですが。。。


昨日に引き続き、POG本のレビューをしていきます。
今日は予告通り、「競馬最強の法則」のKKベストセラーズ出版社から出されている『最強のPOG青本 2016~2017年ペーパーオーナーゲーム完全ガイド』です。
2016-2017最強のPOG青本


今年のグラビア、牡馬トップはトゥザクラウン、牝馬トップはコロナシオン
まぁトゥザクラウンは素人の自分が見ても凄くいい馬だと思います。思いますが…やっぱりドラフトでの争奪戦はハンパないことになるんだろうなぁ(笑)。
コロナシオンも下手すりゃ指名重複しちゃうかも。。。

青本のグラビアで特徴的なのは、黄本や競馬王の本と比べ社台Gの掲載馬がやや少な目で、その分日高の育成牧場の馬達が多めに掲載されているかな、という点。
他のPOG本で取り上げられることの多くなかったNo.9ホーストレーニングメソドなど、浦川BTC界隈の育成牧場や道営門別競馬場の田中淳司厩舎(!)まで。
田中淳司師は昨年道営リーディングでキャリアハイの102勝を挙げ最多勝に輝いており、掲載されているエイシンウルルは父ディープインパクト・母は重賞2勝し2011サマースプリントシリーズのチャンピオンにも輝いたエーシンヴァーゴウという良血。
もしかしたら道営デビュー→函館2歳Sやすずらん賞を狙える馬がいるかも知れません。

さて、この本のウリは何といっても「アンカツVS岡田牧雄」による社台グループ有力馬馬体ジャッジ
一昨年はアンカツさんがやられていましたが、昨年から岡田スタッド・ノルマンディーオーナーズクラブ代表の岡田牧雄氏との対談形式に。牧雄氏といえばマイネル軍団総帥の岡田繁幸氏の弟でもあります。
表紙、裏表紙ともに昨年の馬体ジャッジで2歳王者リオンディーズをイチ押しに挙げたのは青本だけ、という部分を強調されています。元トップジョッキーと馬産地きっての相馬眼を持つオーナーブリーダーの面目躍如といったところでしょうか。
まぁ、昨年も今年も牧雄氏は「社台の馬はいい馬が多い」「腹が立つ」「見たくなかった」といった泣き言が多いんですが(笑)。マイネル・ノルマンディー軍団をはじめとする日高の牧場からもっと強い馬が出れば競馬もさらに面白くなるので、ホントに頑張って頂きたいと思いますね。

閑話休題。
昨年のレビューではサトノケンシロウ、プロディガルサン、ショパンを有力馬、リオンディーズとラルクをお二人のイチ押しと書きながら1頭も指名していない当ブログ(笑)。5頭のうち2頭はアタリ、しかもうち1頭は大当たりだっただけに今年は乗っかった方がいいのかな…と。
今年の両者推し馬は、
トゥザクラウン
ダブルバインド(ラッシュラッシーズの2014・父ディープインパクト)
フルボイス(エヴリウィスパーの2014・父ルーラーシップ)
ヘリファルテ
グレンマクナス(ララアの2014・父ディープインパクト)
といったあたりでしょうか。
ま、トゥザクラウンやヘリファルテなんかは今さら挙げるまでもなく人気するんでしょうけどね。。。
イチ押しでない馬達の他にも好評価を得ている馬は多いですし(牧雄氏曰く社台Gは全体的に高水準)、育成力や厩舎力でどうにかしてしまうパターンもあったりするので、全乗っかりというワケにもいかないでしょうが…。

青本レビューはこんな感じで、赤本が出るまでは再びディープ産駒レビューを進めたいと思います。
というかこの感じだとまたハーツクライ産駒やダイワメジャー産駒やステイゴールド産駒のレビューはできなくなる…(笑)。


2016年05月06日

今日の更新は、昨日予告した通り先程買ってきた毛本こと『競馬王のPOG本 2016-2017年版』のレビューです。
 競馬王のPOG本 2016-2017
例によって、そこまで詳しい内容は書きませんが…。

まず始めはカラーページの牧場レポートから。
トップページはノーザンファーム育成部門、ノーザンファーム早来
去年はこの本の見どころである「毛の馬」に育成馬のアルカサルがチョイスされ、見事デビュー2連勝。
自分も半兄プラパジシャンを指名していた縁もあり弟であるアルカサルを指名。青葉賞こそ残念な結果になりましたが、なかなかの楽しませてもらいました。

さて、競馬王さんの本ですが「独自路線」を貫いている印象。
各牧場のレポートでも「お、この馬チョイスします?」という馬のインタビューが何頭かいました。
最近のPOGの取材って、ご存知の方も多いかも知れませんが牧場側の負担を減らすため数誌の取材陣が集まっての合同撮影会&インタビューの形をとっています。
だから、各雑誌が特色を出そうとするとどの馬を大きく取り上げるか?や、どんな分析記事を載せるか?という部分になる。
その意味で競馬王さんの本は他誌と比較しながら、どの馬が良さそうか考えられる内容になっているんではないかと。

ノーザンファーム早来は編集部&漫画家のグラサン師匠が訪れ、「毛の馬」をチョイスするためのインタビューを行っています。
案内役をされている中尾義信事務局長は、なかなかキャラの濃い方のようですが(セレクトセールでもオークショニアをされている方ですね)、昨年からの「ハービンジャー野郎」(笑)の肩書に加え、今年はルーラーシップも推されているようです。

ルーラーシップといえばキングカメハメハ産駒の後継種牡馬のトップとしてスタリオン入りを果たしました。
ただ、来年以降はあの世界のスプリント王ロードカナロアや、日高で種牡馬入りしたもののローズキングダムといった同父のライバルが初年度産駒をデビューさせますから今年の産駒成績は重要になってきますね。

さて、中盤ではそのグラサン師匠による鉄板競馬POG編が掲載。
中では競馬王のPOG本の名物企画「毛の馬」候補馬が続々登場します。
トップはサトノアーサー(キングスローズの2014)から始まり、グラサン師匠がスターのような輝きを見たというコロナシオン(ブエナビスタの2014)、その他ハービンジャー産駒、クロフネ産駒、Frankel産駒なども登場。
しかし今年も、ディープ産駒・キンカメ産駒ではなく、意外な種牡馬の産駒が毛の馬に選ばれています。結論は袋とじの中に書いてありますので、頑張って隙間から見ようとしたりせず買って読んでみて下さい。(笑)

内容は調教師インタビュー、山崎エリカさんの一口クラブ訪問インタビュー、血統&情報編と続いていきます。
ただ、やはり当ブログは曲がりなりにも「血統ブログ」を謳っていますので、気になるのは巻末特別企画の栗山ノート。
ディープ産駒とキンカメ産駒は20頭、ハーツクライ・ダイワメジャー・ステイゴールド。ルーラーシップ産駒は10頭がピックアップ。
ディープ産駒の好配合馬は、当ブログでも取り上げている馬、これから取り上げようと思っている馬が多数掲載。
ただ、2頭ほどノーマークの馬も載っていましたから今後時間があれば取り上げようかな…。

簡単ではありましたが以上、競馬王のPOG本レビューでした。
今日は青本も買ってきましたので、明日はそちらのレビューもしようかなと思います。


2016年05月05日

さて、来期のPOG2016-2017も間近ということで今日は2回目の更新と行きます。
今回からは2014年産ディープインパクト産駒の注目馬・母が重賞勝ち馬編です。

まず改めてのレビュー1頭目は、ドラフトでは人気の盲点になりそうな、ザウォルドルフ(ウィーミスフランキーの2014(牡))です。

父:ディープインパクト
母:ウィーミスフランキー
母父:Sunriver
生産:ノーザンファーム
馬主:大塚亮一
取引価格:1億5120万円(セレクトセール2014当歳馬セッション)
厩舎:友道康夫(栗東)

セレクトセール2014の当歳馬セッションでは、6番目の高額となる1億5120万円で、大塚亮一氏に購買されています。
母のウィーミスフランキーは5戦3勝で2歳時のみの出走ですが、米GⅠオークリーフSとデルマーデビュタントSを勝っています。仕上がりの早さとマイル適性の高さは、ディープの嫁としては申し分ない資質でしょう。
一方、母は血統表のほとんどが米国血統で占められています。

まず母父Sunriverが見慣れない馬ですが、現役時代は米の芝GⅠハリウッドターフCなど芝重賞2勝にダート重賞を1勝。
それほど競争成績は目立ちませんが、全姉AshadoはケンタッキーオークスやブリーダーズCディスタフなどGⅠ7勝しエクリプス賞最優秀3歳牝馬とエクリプス賞最優秀古馬牝馬の2回タイトルを手にした名牝です。
Sunriverの父はヘイロー系Saint Balladoで、Saint Balladoの母は名牝Ballade。ディープと相性のいい血です。
また、血統表にはヘイローの母であるCosmah3×5と、さらにその母でノーザンダンサーの母となったNatalmaも産んでいるAlmahmoud4×5の名牝クロスがあります。
母母父のブラッシンググルームはこれまたディープと相性のいい血ですね。

母母StarinthemeadowはEight Thirty4×4という珍しいクロス持ち。Eight Thirtyはエクリプス系Rock Sandの系統で、今ではあまり見ない名前。
その父もプリンスキロ系Meadowlakeで、持っている主流血統はレイズアネイティブくらいと米国雑草血統の塊ですね。
ちなみにMeadowlakeはリアルインパクトの母父として名を売りました。Meadowlake自身がスプリンターでリアルインパクトもマイラーですからスタミナ面はどうか?も、パワーに関しては問題なさそうです。

母の配合はNothirdchanceの5×5クロスのみで、ディープとの配合ではヘイロー≒Sir Ivorの3・5×4クロスがメインとなっています。やや欧州スタミナ血統が不足しており、Meadowlakeの名前などからもマイラーかなぁ?という感じも受けますがディープと相性のいい血、とくに名牝系の血がよく見えますからそこと米国雑草血統がうまく化学反応を起こせば面白いことになりそう。

育成は順調で友道師といえばディープ産駒はヴィルシーナ始め5頭の重賞勝ち馬を育てていますから、厩舎も良い感じ。ドラフトでは中位くらいでこっそり取る感じでしょうか?


続いては、これまた人気の盲点になりそうなエレクトロニカ(エレクトラレーンの2014(牝))です。

父:ディープインパクト
母:エレクトラレーン
母父:Dubawi
生産:社台ファーム
馬主:社台RH
募集価格:4000万円(一口:100万円)
厩舎:須貝尚介(栗東)

エレクトラレーンは6戦2勝ですがドイツの牝馬クラシック、独1000ギニー(格付けはGⅡ)を勝利。
その父Dubawiは近年ヨーロッパで産駒がGⅠを勝ちまくり、なんと種付け料は22万5000ポンド(現在のレートで約3500万円)!!とおそらく世界トップ3に入るであろう1頭。
先日のドバイシーマクラシックでは産駒のPostponedが落鉄の影響があったとはいえドゥラメンテを退けています。

母エレクトラレーンの血統はDubawi×Imperialisticというもの。配合はノーザンダンサー5・7×5クロスがメインです。
血統表には、注目すべき血がいくつも見られます。 

Dubawiはミスプロ系ですがPostponedはヨーロッパのクラシックディスタンスで活躍と芝でも走れるところとスタミナのあるところを見せています。
芝向きのキレは、ノーザンダンサー4×5クロスとSir Ivor≒Droneの5×5相似クロスから派生するShareef Dancer≒ダンシングブレーヴの3×3相似クロスが大きい役割を果たしていると考えられます。
またDubawiは血統表の3/4は欧州血統で、特にShirley HeightsやRoberto、ダンシングブレーヴ、High Lineなど欧州クラシックディスタンス向きの血が多く、それらがスタミナを補給してくれていると考えられます。
さらに、Dubawiは名牝の血が多く見られ活力があることにも目が向きます。Dubai Millenniumの祖母Fall Aspen(ティンバーカントリー、Northern Aspenなどの母)、Deployの母Slightly Dangerous(ウォーニング、コマンダーインチーフなどの母)、自身の3代母High Tern(ハイライズの母)。
ちなみにDubawiの母ZomaradahはSlightly Dangerousとダンシングブレーヴを持つので、1/2コマンダーインチーフと同血です。

母母のImperialisticはサドラーズウェルズ系Imperial Ballet産駒で、母父はブラッシンググルーム系Kefaah。
父・母父とも競走馬としても種牡馬としてもお世辞にも一流とは言えない馬ですが、血統表内にはディープと相性のいい血がいくつも見られるのが特徴です。
まずImperialisticが持つフォルリ5×4のクロス。
Fair AlyciaはAlycidon×フェアトライアルという血統なのでディープの2代母Burghclereと相似な血。
ブラッシンググルーム、Vaguely Nobleもディープと好相性。

本馬の配合に戻ってみてもブラッシンググルームとヌレイエフとミスプロを併せ持つヴィルシーナとミッキークイーンがGⅠを勝っていて、サドラーズウェルズ≒ヌレイエフですからこの組み合わせは鉄板ともいえるもの。
さらにミスプロ×リファール×サドラー×Vaguely Nobleという組み合わせはトーセンラー、スピルバーグ兄弟と同様。
ヘイロー≒Sir Ivor≒Droneの3・5×7・7相似クロスから派生したAlzao≒Shareef Dancer≒ダンシングブレーヴの3×5・5相似クロスが切れ味を補強してくれるでしょう。

母父Dubawiのディープ産駒は日刊競馬POGでも指名したリーチザハイツ(先日1戦したのみで亡くなりました。。。)のみですが、Dubawiの父Dubai Millenniumを母父に持つ馬は重賞4勝のディサイファがいます。
今後Dubawiを父に持つ良血牝馬は多く輸入されることも考えられ、なかなかアツい配合になりそうな予感がします。

明日は競馬王のPOG本と青本が発売されるので、そのレビューを書こうかなぁと思います。


昨日のアクセス数は、久しぶりに1000PVを突破!(喜)まぁ、他の人気ブログさんから比べればそれでも微々たる数字なんでしょうが…。
ま、本日もGW中だろうが変わらず記事を書いていきます。自分も暇人だなぁ(笑)。今日はディープインパクト産駒の注目馬・兄弟に重賞実績馬編、最後の更新です。

まず1頭目は、間違いなく人気するであろうムーヴザワールド(リッスンの2014(牡))です。

父:ディープインパクト
母:リッスン
母父:Sadler's Wells
生産:ノーザンファーム
馬主:サンデーレーシング
募集価格:1億5000万円(一口:375万円)
厩舎:石坂正(栗東)

母はサドラーズウェルズ産駒で英2歳GⅠフィリーズマイルを勝利。全姉タッチングスピーチは2年前のドラフトでも相当人気でした。POG期間中は未勝利を勝ったのみと期待ハズレかと思わせましたが、秋には500万下を勝った直後のGⅡローズSでオークス馬ミッキークイーンを差し切り勝ちと、素質を見せつけています。
母の全姉Sequoyahも愛GⅠモイグレアスタッドSを勝ち、その産駒Henrythenavigator(父キングマンボ)は英2000ギニー・愛2000ギニー・セントジェームズパレスS・サセックスSのGⅠ4連勝を果たし産駒もGⅠ・BCジュヴェナイルターフ勝ち馬George Vancouverを出すなど、牝系も優秀です。

本馬の配合自体はノーザンダンサー5×3、ヘイルトゥリーズン4×5、Almahmoud5×5持ち。Almahmoudはヘイロー、ノーザンダンサーそれぞれの2代母でもあるのでその2頭の血を強調する配合になっています。ということは、ディープの血統を構成するヘイロー系×ノーザンダンサー系を刺激しています。
ただ、この馬は母父サドラーズウェルズということでやや重めの要素が入っていますから、他に軽さを補ってくれる要素は欲しいところ。
母リッスンの配合を見るとネイティブダンサー4×4にLalun4×5クロス持ち。
ネイティブダンサーは軽くスピード豊かな血です。
またLalunはケンタッキーダービーオークスを勝ち、Bold Reasonとネヴァーベンドの母になった名牝です。この辺りにリッスンの牝系のスピードと活力の源がありそう。
さらに母系にはRivermanにボールドラツドとスピード豊かなナスキロ血統が2本あり、間接的にディープのヘイロー≒Sir Ivorの相似クロスを刺激しています。
逆に言えば、ヘイロー≒Sir Ivorの相似クロスをしっかり刺激しているがゆえに全姉タッチングスピーチのように緩さから晩成傾向が出る恐れはありますが…。

ま、なんにせよ良血なのは間違いなし。管理するのは全姉も管理し、ディープ産駒はジェンティルドンナを育てた石坂師ですから、安心感がある1頭です。


続いては、またしても人気するであろう1頭(笑)、レッドオルガ(エリモピクシーの2014(牝))です。

父:ディープインパクト
母:エリモピクシー
母父:ダンシングブレーヴ
生産:ノーザンファーム
馬主:東京ホースレーシング
募集価格:6000万円(一口:15万円)
厩舎:藤原英昭(栗東)

母エリモピクシーは重賞にこそ手が届かなかったものの7勝。ただ、全姉エリモシックがエリザベス女王杯を勝っているように素質はお墨付き。
繁殖入りしてからはエリモシックが1600万下勝ちのダノンエリモトップを出すに留まっているのに対し、エリモピクシーは初仔リディル(父アグネスタキオン)がデイリー杯2歳Sを勝ったのに始まり、2番仔クラレント(父ダンスインザダーク)は重賞5勝、3番仔レッドアリオン(父アグネスタキオン)は重賞2勝、4番仔の全兄サトノルパンはGⅢ京阪杯勝ち。
5番仔のレッドベルダこそ未勝利脱出前に事故でこの世を去りましたが、全姉レッドアヴァンセも現在重賞は勝っていないもののOPエルフィンS勝ちと、もうエリモピクシーは完全に名牝と呼んでいいでしょう。

サンデー系種牡馬との交配で活躍馬を出し続けるエリモピクシーは、5代内にネアルコ5×5・5クロスとトムフール5×5クロスを持ちます。ただ、ダンシングブレーヴの母父Droneはサーゲイロード×トムフールという配合なので、バックパサー×ボルキロ配合の3代母デプスと3×3の相似クロスを持っていると言ってもよさそう。
柔らかさを補強しつつ、トムフールで適度にパワーを補強とバランスのいい血を持っています。これが、サンデー系種牡馬と配合されたときにヘイロー≒Drone≒デプスの相似クロスとなるのが爆発力の秘密でしょうか。

ディープとの配合では、すでにレッドアヴァンセの配合を過去のエントリーでまとめています。
内容を補足すると、ヘイロー≒Sir Ivor≒Drone≒デプスの3・5×4・4相似クロスですかね。 
ディープ産駒で濃いリファールクロスを持つ馬は持続力は強化されるが一瞬のキレ削がれるというリファールの特性が強まり、成績が落ちます。
また、この配合は相似クロスが濃いので体質的にも懸念点が出る部分はあります(レッドアヴァンセはエルフィンS勝ち後のチューリップ賞で-14kg馬体を減らし負ける)が、なにせ素質が高いのは間違いないのでディープ牝馬として上位にランクされる馬なのは間違いないですね。


これで2014年産のディープインパクト産駒の注目馬・兄弟に重賞実績馬編は終了。
次の更新では、これまた人気になるであろうディープインパクト産駒の注目馬・母が重賞勝ち馬編をお送りしたいと思います。


2016年05月04日

さて、今日もディープインパクト産駒の注目馬・兄弟に重賞実績馬編です。1頭目はドラフトでも人気するであろうフローレスマジック(マジックストームの2014(牝))です。

父:ディープインパクト
母:マジックストーム
母父:Storm Cat
生産:ノーザンファーム
馬主:サンデーレーシング
募集価格:6000万円(一口:150万円)
厩舎:木村哲也(美浦)

母は米GⅡモンマスオークス勝ち馬。日本での初産駒エスケープマジックはJRA3勝、ディープインパクトを父に迎えた全姉ラキシスはエリザベス女王杯勝ち、全兄サトノアラジンは5勝して重賞勝ちも間近?もう1頭の全兄サトノケンシロウは2戦未勝利も勝ち上りは近そうです。

とにかく母父ストームキャットはディープとの相性は良好ですが、なぜか?
なによりポイントはディープの母父Alzaoを刺激するから。
まずストームキャットの母父セクレタリアトは、Sir Ivorの父サーゲイロードの半弟(母は名牝Somethingroyal)で、ヘイロー≒Sir Ivorの相似クロスを刺激。
さらにストームキャット自身はノーザンダンサー、Sir Gallahad 、Fair Play、Pharamond…などなどでAlzaoと血統的に脈絡するんですね。
今年のクラシック戦線はサザンヘイローでAlzaoを刺激するという血統構成のマカヒキとサトノダイヤモンドが重賞を勝ちましたが、ホープフルSを勝ったハートレーはStorm Cat≒Cold Receptionの相似クロス+Congrats(ノーザンダンサーとセクレタリアト持ち)でディープのAlzaoを刺激していました。

さらにこの馬の配合はストームキャットだけではなく、Storm Bird≒ニジンスキーの3×2相似クロスもポイントですかね。母が相似なノーザンダンサー系種牡馬のクロス持ちでパワーを増幅しています。
とは言え、全体的に母は米血中心でディープ大好き(笑)ハイペリオン、フェアトライアルなどの血を持たないため姉や兄の成績を見ても本格化は4歳以降。本馬も新馬戦は素質で圧倒しながらクラシック戦線では苦戦するシーンは頭に入れておく必要はあるかも。

一方で、牧場の評価は非常に高くきょうだいの中でも最高傑作という雰囲気があるので、あとは池江厩舎→木村厩舎でプラスがあるのか?がポイントになりそうです。


今日の2頭目は泣く子も黙る3冠牝馬、ジェンティルドンナの全妹ベルダム(ドナブリーニの2014(牝))です。

父:ディープインパクト
母:ドナブリーニ
母父:Bertolini
生産:ノーザンファーム
馬主:サンデーレーシング
募集価格:8000万円(一口:200万円)
厩舎:石坂正(栗東)

この馬は解説いらないですか?(笑)
サンデーレーシングでも全体で4番目、牝馬では最高額での募集となっている通り期待度の高さが伺えます。
姉のドナウブルージェンティルドンナが活躍、兄3頭は合計で1勝しかできていませんが牝馬に戻った本馬は姉たちの活躍の再現なるか?というところ。

血統的には母父がダンチヒ×Alydarのパワー型で、名種牡馬Green Desertの3/4同血(母Courtly Dee)のBertolini。
さらに母はリファール持ちでダンチヒとリファールの間でノーザンダンサー、フェアトライアル、Gainsboroughが脈絡しAlzaoの父であるリファールを刺激し持続力を強化。
また直接ディープと相性のいい血かはサンプルが少なく判断が難しいですが、先ほど名前を出したCourtly DeeとMy BupersはBlue Larkspur、War Admiral、La Troienne、Sir Gallahadなどで脈絡し米パワーを増幅しています。
特にBlue Larkspurはヘイローが4×4で持つので、間接的にヘイローの血を刺激していますね。

さて、血統的にはすでに結果が出ているのでこれ以上自分が能書きを垂れる必要もないかと思います(笑)。
現在は秋デビュー目標に乗り込みを続けるも、やや馬体重の成長待ちという部分もあるそう。夏にかけてのさらなる成長が見られれば、きょうだい2頭目の大仕事も期待できそうですかね。


今日の3頭目は、ポポカテペトル(ミスパスカリの2014(牡))です。

父:ディープインパクト
母:ミスパスカリ
母父:Mr. Greeley
生産:ノーザンファーム
馬主:金子真人HD
取引価格:-
厩舎:友道康夫(栗東)

全兄は今年スプリングSを勝利したマウントロブソン
きょうだいのうち父キングカメハメハの2頭は未勝利も父ディープはもう1頭の全兄ハワイアンソルトも期間中に勝ち上りは達成しています。
血統考察は先日書いた3歳牡馬ランキングのエントリーを再掲。

「母はネイティブダンサー5・5×5、ナスルーラ5×5にMr. Greeleyの血統中にボールドルーラー5・4があるというミスプロ・Gone Westの特徴を強化する配合。
その母の影響か、本馬もディープ産駒にしてはキレない感じですね。ま、芝中距離でジリジリ…というのは母母父であるGone Westの特徴ですよね。」

全体的に米血中心の血統で、マウントロブソンは6戦中最速上りは1回のみ、その際の上りも35.6ですから切れないタイプなのは間違いないです。
3代母Eliza Blueは父がIcecapade(≒ノーザンダンサー)、母コレラがロイヤルチャージャー4×3クロス持ちで薄くAlzaoを刺激してはいますが代がやや遠いうえ、Roberto持ちでややパワー寄りのため、中山のような小回りコースが合っているんでしょう。
ただ、今回は厩舎が堀厩舎→友道厩舎と栗東に移るので、あまり中山は使えないかも(笑)。

クロフネを出した母系で活力はありますし、コンスタントに走る馬は出る配合。育成も順調なようなのでドラフト中位あたりで指名して堅実なポイントゲッターを目指してもらう感じでしょうか?


2016年05月03日

今日、予約していた「POGを血統でぶった斬る!!配合パズルでアタリはわかる2016」が到着しました。
もともと、POGを始めるにあたり「血統を勉強してみようかな…」と思った自分が、いろいろ参考にさせて頂いたサイトが、栗山求さんのサイト「栗山求の血統BLOG」、望田潤さんの「血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog」
そしてくりがしらさんが書いておられるブログ「やれなかった・やらなかった・どっちだろう」でした。
で、その流れでくりがしらさんが出版された同人誌は2014年版から買い続けていて今年で3年目。”配合パズル”という目線で、わかりやすく血統を解説しておられて一方的に(笑)非常に参考にさせて頂いております<(_ _*)>。。。

で、一通り目を通してみたのでその感想を簡単にレビューしたいと思います。
あ、あんまり内容を書いちゃうと営業妨害?になってしまいそうなので詳細は、本を購入して読んでもらえれば(笑)。

配合パズルでアタリはわかる2016

まず表紙はメジャーエンブレムということでしょっぱなはダイワメジャー編の考察。
ダイワメジャーと言えばノーザンテーストから受け継いだパワースピード。ただ、それだけでは強い馬は産まれない…ということで、配合のツボとして3つを挙げられています。
①母スカーレットブーケの持つノーザンダンサー≒ラメニナ2×3
②ダイワメジャー自身の持つノーサードチャンス≒ビューマックス4×4
③ダイワメジャー自身の持つロイヤルチャージャー5×5

自分はダイワメジャー産駒の好配合ポイントを4つ設定しているんですが、その内容と③は共通するポイントがあります。ただ、その他の2点は「そんなツボがあったのか!」と目からウロコの内容。
また、最後に挙げられていた好配合馬の中で、1頭は自分がダイワメジャー産駒の中でピックアップした馬と被っていて、少しうれしくなりました。
ある活躍馬の下ですが、ダイワメジャー産駒のレビューが出来たら(笑)紹介したいと思います。

続いては、ペルーサのイラストで始まるゼンノロブロイ編。そのイラストに、血統ポイントとして「ファンの声援♡」とあるんですがこれは(笑)。
さてゼンノロブロイですが、これまでGⅠ馬がサンテミリオンのみ、ということでやや存在感が薄くなっています。とはいえ秋の古馬中距離GⅠ3連勝を成し遂げた2頭のうちの1頭ですから、まだ見限るには早いかも知れません。
ゼンノロブロイの特徴は、母父マイニングということでサンデー+ミスプロが脈絡して生まれる柔らかさだと書かれています(柔らかさが強い→素早い動きはできないが、長めの距離でゆったり走るのが向いている)。産駒が直線の長い東京で良績が多いのも(先週の青葉賞でレッドエルディストが2着)、そうした適性ゆえかも知れないですね。

ただ、その柔らかさは緩さにもつながるので、とにかくパワー血統を増幅させることがカギになってきます。
そのツボはヘイルトゥリーズン×インピッシュ。両者がロイヤルチャージャー、ノーサードチャンス≒ベターセルフ、フレーミングソース≒エイトサーティなどで脈絡し、パワースピードの源になっています。
この血をどう刺激するのか?ということで重要となる血がいくつか書かれています。
ゼンノロブロイ産駒を血眼になってチェックしている人はそこまで多くないかと思います(笑)ので、この本を参考に一本釣りできたらカッコいいですね。。。

続いては、日曜日にモーリスが香港でGⅠチャンピオンズマイルを勝ち、さらに評価が高まっているスクリーンヒーロー編
くりがしらさんが「種牡馬としては失敗すると思っていた」と語られていますが(笑)、実際にこれまでは良質な牝馬に種付けはしていませんでした。
そんな中からモーリスやゴールドアクターを出し、2012年には53頭だった種付け頭数が去年は190頭(ディープ並!)、今年は種付け料が初年度の30万円(安!!)から約17倍となる500万円に値上がりしながら、早々にブックフルになったそうです。

とにかくスクリーンヒーローの血統の特徴は、2代母がJRA賞最優秀5歳以上牝馬に選ばれたダイナアクトレスという良質な母系で、そこで派生している2つの相似クロスが配合のカギを握っています。
・3代母モデルスポートが持つトムフール≒スプリングラン2×3
・母ランニングヒロインが持つヘイロー≒レッドゴッド2×4
どちらも素軽さ、俊敏さを引き出すうえで重要なツボ。
一方、グラスワンダー×2代母父ノーザンテーストから受け継いだ頑丈なパワーをダンジグまたはモデルスポートで伸ばすパターンも好配合として述べられています。
正直産駒数が少なく、くりがしらさんも手探り状態のようですが(笑)、一発大物を狙うなら外せない種牡馬です。今年は産駒数もまだ少ないので、産駒選びは楽かも?

最後は、POGをやるなら絶対に外せないディープインパクト編「姫の巻」
ディープ牝馬の好配合ポイントとして、ディープの末脚の源となった母父アルザオの資質をどう活かすか?を挙げられています。細かいポイントは本の中でいくつか書かれていますので、気になる方はアマゾンでポチってみては?

さて、ここでくりがしらさんには悪いのですが、2015年度版で取り上げられた馬達がどんな成績だったか勝手に見てみたいと思います。上から見た感じで非常に失礼な内容となっているかも知れませんので、先に謝っておきます、スイマセン。

【キングカメハメハ編】
チェッキーノ(母ハッピーパス):4戦3勝、GⅡフローラS勝ち

チェッキーノはお見事!ですが、全10頭で21戦4勝と打率は低いかも…。ちょっと期待ハズレ?ま、キンカメって打率が高い種牡馬ではないですからね。。。

【マンハッタンカフェ編】
活躍馬:なし

総合成績は34戦3勝…。う~ん…。でも、そもそも今年のマンハッタンカフェ産駒は2勝以上3頭、重賞連対2頭と不振で重賞勝ち馬もいないので、あまり参考にならないかも…。ちなみに中で取り上げられたシャケトラ(母サマーハ)は自分も指名しましたが未出走です( ノД`)

【ハービンジャー編】
ドレッドノータス(母ディアデラノビア):4戦2勝、GⅢラジオNIKKEI杯京都2歳S勝ち
ナイトオブナイツ(母シャイニングアレキ):9戦2勝

11頭で44戦7勝、これはなかなかの成績です。世代2位の稼ぎ頭ドレッドノータスが重賞勝ち。2勝馬ナイトオブナイツは世代4位の稼ぎ頭です。

【ディープインパクト編】
プロディガルサン(母ラヴズオンリーミー):4戦2勝、OP芙蓉S勝ち

総合成績は31戦9勝、2勝馬もプロディガルサン、ミッキーグローリー、ロイカバードと3頭いますが重賞勝ち馬がいないのはやや物足りない成績でしょうか…って、お前が言うな!って感じですね(笑)。

今年もディープ産駒の好配合馬が17頭掲載。なかでも牝馬の1頭は自分も(・∀・)bイイ!と思っている馬がいました。おそらくPOGでも指名すると思います。

内容にはほとんど触れていないのでちょっと物足りないレビューだったかも知れませんが…。参考にこの本を買われた方が一人でもいたら、ちょっと嬉しいですね。明日はまた2歳馬レビューの続きをやります。