2015年07月

2015年07月26日

今日行われたGⅢ、函館2歳Sはキャリアの浅い2歳馬どうしの1戦ということもあり、オッズも混戦模様でしたが、終わってみればブランボヌールの完勝でした。

レースは2番人気メジェルダが逃げるも、半馬身差で3頭ほどがピッタリと後ろを追走する息の入らない流れ。
稍重のやや時計がかかる芝で前半3Fが34.1、後半3Fが36.5と前後半の差が2.4秒ですから先行勢には苦しい展開でした。
で、勝ったのは道中中段から末脚を伸ばしたブランボヌールで、キッチリ前を捕えて世代最初の重賞制覇の栄誉を手にしました。
2着には後方4番手から追い込んだメジャータイフーン
牝馬が強いというレース傾向通りの結果になりましたね。 

メジェルダは父ディープインパクト、母ルシュクル(母父サクラバクシンオー)
この組み合わせからは弥生賞でも3着に入ったアデイインザライフが出ていますね。
また、父がディープの全兄であるブラックタイド×母父サクラバクシンオーの組み合わせではスプリングSを勝ったキタサンブラックが出ています。
また、母ルシュクルの母(ブランボヌールの2代母)アジアンミーティアはディープと配合されて新潟大賞典を勝ったダコールを出しています。

配合のキモはおそらくアンブライドルド
アンブライドルド持ちのディープ産駒はダノンプラチナ、ダノンバラード、ダコールなどが出ています。偶然にも全馬頭文字が「ダ」だ(笑)。
これは頭文字が「ダ」のアンブライドルド持ちディープ産駒を狙えと!?←ブランボヌール違うし(笑)。

アンブライドルドは父系はミスプロ系であるものの、母系がスタミナ、底力溢れる欧州系の血統で、父系としてでなく母系に入っても優秀なサポートをしてくれます。
代を経てもそれは変わらず、直仔Unbridled's Songが母父のダノンプラチナがGⅠ勝ち。
ちなみに、ブランボヌールの2代母アジアンミーティアはUnbridled's Songの全妹ですね。

一方母父サクラバクシンオーは底力がやや足りなかったり、やや詰めが甘いところのある産駒が多く、GⅠを勝った馬はいません。
ただ、ブランボヌールはアンブライドルドのサポートがありますからこれからの成長次第では面白いところがあるかも。

今日のレース振りを見ていればブランボヌールは1400mまでは問題ないはず。
ただ、母ルシュクルは芝1200mオンリーの馬でしたから、マイルは今後のレースを見てみないとなんとも言えないかも。
馬体も430kg前後とやや小柄ですから、できればあと10kg以上増やしたいところ。

また、函館2歳Sは勝ち馬が2,3歳GⅠで活躍しておらず、チョイ負けしたローレルゲレイロ、アイムユアーズ、ロゴタイプなどのほうがGⅠで連対しているというデータがありますが、ディープ産駒のブランボヌールがこのデータを覆せるでしょうか?


2015年07月25日

明日、今年の日刊競馬POGで実質2位指名をしたヴァンキッシュランが函館芝1800mの新馬戦でデビューします!

この馬、この記事で解説はしていますがかなりの良血馬です。
実際、セレクトセールでは2億円近い値を付けてますしね。
4月に一度角居厩舎に入厩してゲート試験まで合格した後に放牧、再入厩後は北海道でOP古馬の胸を借りて調教を積んでいました。
当初は札幌開催でのデビューと言われていましたが、前倒しでの函館最終週デビューとなりました。

前倒しできるのは順調な証拠だと思いますね。OP古馬の胸を借りたのも期待されているからこそ。
助手さんのコメントなどでも、ドッシリして落ち着きがあるところが好評価されてます。
まぁ、明日の舞台は洋芝函館最終週のやや荒れた馬場ではありますが、母の血統的にはそれもこなせるはず。

調教を見ましたが、まぁ現状では可もなく不可もなく…といったところでしょうか。
鞍上の岩田Jも強く追っていませんでしたし、時計もそれほど目立つところもなく…。
某掲示板では、その目立たない調教から不安視する声もあるようですが、期待馬を初戦からガンガンに仕上げてくるわけもないのでこれでどれだけ走れるかしっかり見守りたいです。

まぁ、いろいろ言われるのは注目の裏返しですからね。
よく、子は親を選べないなんて言いますがサラブレッドの場合は親以外に馬主さんも調教師さんも騎手も選べない中で、自分の走りでその馬生?を切り拓いていかなくちゃならないんですから。。。
まぁ、この馬の場合は島川さんには申し訳ないんですが馬名に「トーセン」が付かなかっただけでもラッキーですよ(笑)。
とりあえず言いたいのは、明日のレース頑張れよ!!ってことです!


2015年07月20日

今日も引き続きセレクトセール2015・1歳馬セッション高額馬のレビューをしていきます。今日は2頭分イッキにいっちゃいます。
その2頭はディープインパクト産駒のサラフィナの2014コケレールの2014。この1歳馬セッション5番目と6番目の高額取引馬は、ともに購買者が(株)キーファーズさん。
(株)キーファーズさんは、マツシマホールディングス代表取締役・松島正昭氏の法人名義ですね。

まずサラフィナの2014のレビューから行きます。
この馬は1億6000万円でお取り引き。
動画を見ても、(http://www.jrha.or.jp/walking/2015/player.html?key=select2015-walk71_pc)やはりいい馬ですね。なんとなく父のディープに似た感じで、面影を感じさせます。

サラフィナは仏国産。アガ・カーン殿下の持ち馬として走り、11戦6勝の成績を残し全欧3歳牝馬チャンピオンの座に付きました。
GⅠはサンクルー大賞典、仏オークス、サンタラリ賞の3勝。また、2011年の凱旋門賞では1番人気にも推されています(7着)。
レース画像をいくつか見てみましたが、道中最後方からとんでもない末脚で差し切る戦法がスゴかったですね。

サラフィナは、サドラーズウェルズ直仔のRefuse to Bend産駒。
母父は欧州で名BMSとして名を馳せるDarshaanで、ノーザンダンサー系、中でもサドラーズウェルズ系との相性は有名なところ。High Chaparralなどの母父になっています。
母母父Top Villeも欧州では名BMSとして有名で、やはりサドラーズウェルズ系と好相性でMontjeuなどの母父になっています。
自身は上記のダブルニックスを持つ、5代アウトブリード配合馬。血統的爆発力は高くないかもしれませんが、健康的で活力がある仔を生んでくれそうです。

さて、サラフィナの2014の血統も見ていきましょう。
クロスは5代内ではノーザンダンサーの5×4のみ。少し代を広げてもヘイルトゥリーズン4×6が目立つくらい?
ただ、疑似ディープ×キングマンボ配合があるのは個人的に高ポイント。
この馬は、どちらかといえば異系配合で活力と父母の能力をシンプルに生かす方向性でしょうか。最近はディープ産駒でも母の血統内のノーザンダンサー保有率が高い傾向がありますから(昨日のキングスローズの2014とか…)、先々の配合の事を考えれば悪くないことだと思います。


さて、引き続き2頭目のコケレールの2014にいきましょう。
この馬は1歳牝馬最高額の1億3500万円で取引されました。それだけ期待のほどが伺えます。
動画を見ても(http://www.jrha.or.jp/walking/2015/player.html?key=select2015-walk78_pc)、いい馬だと…って、もうこれいいか。セレクトセール高額取引場が悪い馬体なハズないんですから(笑)。

コケレールはデビューから4連勝で仏牝馬GⅠサンタラリ賞に勝利した才媛。馬名はフランス語で「ゴキブリ」なんですが。何故(汗)。。。
海外で繁殖入りしていて、すでに3頭の産駒がいますがいずれも未勝利。
日本に輸入されてからはずっとディープインパクトと配合されていて、全兄ラヴィエベールはシルクHCで8000万円(一口16万円)で募集されていて、藤澤和厩舎に入厩予定です。

血統は、ノーザンダンサーの5×5・5。これは母が持つ名牝Flaming Pageの4×5から派生したThe Minstrel≒Nijinskyの3×3という珍しい相似クロスに由来していますね。
ディープと相性のいいカーリアン持ちで、キレる末脚を使ってくれそうです。
また、母父Gone West系というと昨年ショウナンアデラが出たように、これから増えてきそうな配合形態。
ただ、Gone Westというと早熟な芝のマイラーで底力に欠ける…というのが一般的な評価。なので、ショウナンアデラのようにヌレイエフを併せ持つのがベターかなと思ってます。
この馬はそれがなく、代わりに持つThe Minstrel≒Nijinskyがどれだけ底力を補強してくれるか、でしょう。


最後に、この馬を購買された後で(株)キーファーズの代表・松島氏は「武豊騎手を乗せて凱旋門賞を勝つのが夢。」と仰られたとか…。
血統、馬体的には文句のない2頭ですから、2年後果たして海外へ旅立っているかも…。


2015年07月19日

今日も引き続きセレクトセール2015・1歳馬セッション高額馬4頭目、キングスローズの2014のレビューです。

この馬の取引額は1億9500万円!2億には届かなかったとはいえ、それでも十分高い馬ですよね。。。
購買者はまたのご登場、里見治氏です。

まぁ当然いい馬ですよ(笑)。しなやかそうな身のこなしで、皮膚もピカピカで…。じゃなきゃ2億近くならないっす(笑)。

母はオーストラリアとニュージーランドで走り、GⅠニュージーランド1000ギニーを含む8勝をあげています。
キングスローズ自身はノーザンダンサー主体の血統構成で、ノーザンダンサー4・5×3・5・5と5本のクロスを持っています。
また、ノーザンダンサーの母であるNatalmaは5・5・6×4・6・6と6本のクロス持ち。これは祖母デインヒルがNatalmaの3×3クロス持ちでもあることに由来してますね。

で、この馬の血統としては、ノーザンダンサー5×5・6・4・6・6とリファール4×5のクロス持ち。また、Alzao≒Dancing Showの3×4相似クロスも魅力的ですね。
ヌレイエフ、ダンチヒなんかは当然ディープと好相性の血ですし、Rivermanもキレを補強してくれます。(これでミスプロも併せ持っていれば最強だったんですが…)
ややパワー寄りの配合ですが、ディープは母がスプリンター・マイラーでパワーを補強してくれるような馬のほうがいいことが多いですからね。

あとは、ノーザンダンサーの血が濃いので気性難や足元の不安といった要素がでなければ、いうところでしょうか。
珍しいニュージーランド産の母を持つ本馬が活躍すれば、これまで馴染みが薄かったニュージーランドの繁殖牝馬がもっともっと輸入されることになるかも知れません。


2015年07月18日

今日はセレクトセール2015・1歳馬セッション高額馬3頭目のレビューをします。

初回・第2回はディープインパクト産駒でしたが、今回はTapit産駒のシャンパンドーロの2014です。
Tapitといえば2014年北米リーディングサイアーであり、現在アメリカ最高の種牡馬と呼ばれなんと種付料は30万ドル(約3700万円)とディープもビックリな高額!いまや産駒を手に入れるのも大変な状況です。
日本でもテスタマッタがGⅠフェブラリーSを勝利していて、ダート向きながら活躍が期待できます。

そしてこの馬の取引額ですが、前日紹介したラッシュラッシーズの2014と同額の2億3000万円!しかも税抜きです!!消費税だけで1840万円!けっこうな(ry
購買者はラッシュラッシーズの2014と同じ金子真人氏(金子真人HD名義)。てか、1日でいくら使ってんすか!?(笑)

本馬の馬体をセレクトセールの上場馬情報で確認しましたが、(http://www.jrha.or.jp/walking/2015/player.html?key=select2015-walk108_pc)やはりディープ産駒とは違いムチムチの筋肉質の馬体ですね。

シャンパンドーロは米3勝ながら牝馬GⅠをエイコーンS、テストSと2勝しています。
母の弟Ruler On Iceも米クラシック・ベルモントSを勝っているように、血統的にも筋が通っています。

配合は、5代内クロスがノーザンダンサー5×5とレイズアネイティブ5×5、父の血統内のミスタープロスペクター4×5。もう少し範囲を広げてみると、Tom Fool~Buckpasser、ボールドルーラー、Sir Gaylordのクロスが発生してますね。
なので、Weekend Surprise≒Champagne Ginnyの4×3とLassie Dear≒Lady Capuletの5×4相似クロスが発生…って感じでしょうか。
ただ、父Tapitはミスプロ、ニジンスキー、In Realityのクロスを持つパワースピード型で、祖父A.P. Indyから非常に影響力の強い系統としてアメリカに君臨しています。なのでこの馬もダート向きなんだろうな~とおぼろげながら思っています。

母と父の相性を考えると、日本に繁殖牝馬として輸入されたGⅠハリウッドスターレットS勝ち馬ララアがTapit×El Pradoという配合。
本馬は母父がEl Prado産駒Medaglia d'Oroですから、相性は悪くなさそう。この馬が活躍すればこの配合がニックスと言われるかも知れません。

しかし、この馬どういう現役生活を送るんでしょう。。。
この馬が自分の貧弱な想像力(笑)通りのダート馬だとして、日本には3歳時にダートの高額レースはあまりありません。
2億3000万という値段をペイするには交流重賞を勝ちまくるか、海外のビッグレースを勝つしかないわけで…。
しかし、金子氏ほどの方がその程度のことを考えていないハズはありませんから、やはり海外狙いで買ったのか!?なんて思ってしまいます。
1年後が非常に興味深いですね。


2015年07月17日

さて、前回のジョコンダⅡの2014に続き、セレクトセール2015・1歳馬セッション高額馬のレビューをしたいと思います。
実際は第2回になりますが、タイトル的には第1回目になってます(笑)。

さて、今回は1歳馬2番目の高額で取引されたラッシュラッシーズの2014です。
この馬の取引額はなんと2億3000万円!しかも税抜きです!!消費税だけで1840万円!けっこうな馬が1頭買えますよ!! Σ(°Д°)
購買者は金子真人氏(金子真人HD名義)。いやー、今も持ち馬がGⅠ勝ったりしてるとは言え、馬に賭ける情熱がすごいっすわ…。

さて、母のラッシュラッシーズは英国産馬で、英愛仏などで17戦5勝、コロネーションS、ヨークシャーオークス、愛メイトロンSといった牝馬GⅠ3勝を挙げました。
母は4歳時にいったん現役を引退し繁殖入りするも、Sea The Starsとの仔を流産した後現役復帰した(復帰後勝利は挙げられず)という変わった経歴を持っています。

まず、本馬の馬体ですがセレクトセールのサイトで確認した上場馬情報(http://www.jrha.or.jp/walking/2015/player.html?key=select2015-walk50_pc)で歩いている動画を見てみました。
この馬も高額馬らしく、毛艶ピカピカ、皮膚が薄く柔らかみがありそうで踏み込みも深い…と、高額になったのも納得のデキでしょうか。
そこそこの馬っていいのかが分かりづらいですけど、すごくいい馬とすごく悪い馬ってさすがに素人目にもハッキリ映りますね。

血統的にも、いい感じです。
ディープ×キングマンボ配合(今回から父ディープの場合はこの言い方にします)、ディープと相性のいいVaguely Noble持ち、ハイペリオン濃いめで底力十分な血統です。
そのほかにもディープと相性がいいと思われる配合が…。 
詳細は、来年の2歳馬レビューの際にもう少し踏み込もうと思いますがパッと見でも魅力的な血統。
母父Galileoが重すぎないか、懸念点はその一点になるかな?

ディープインパクト産駒はこれまでに15頭が平地GⅠを勝利しているんですが、金子氏所有のディープインパクト産駒って、GⅠ勝ちがないんですよね(キングカメハメハ産駒はアパパネ、ラブリーデイがGⅠ勝利)。
果たして金子氏にとって初のディープ産駒のGⅠ勝ち馬になれるのか!?
って、来年プロディガルサンあたりがGⅠを勝っちゃう可能性もあるんですが(笑)。

とにかく、この馬は2016年のPOG的にも要注目馬!としたいですね。


2015年07月14日

今年のPOGもまだ始まったばかりですが、北は北海道・苫小牧のノーザンホースパークで、日本最大のセリ市セレクトセール2015が7/13,14の2日間に渡って開催されます!

これまでもここから多くのGⅠ勝ち馬、クラシックレース勝ち馬が登場し、今年もミッキークイーンが出身馬としてオークス勝ち馬となったように、POGでも要注目なのは間違いなし!
というワケで、今日から注目馬のレビューをしていきたいと思います!
最近の傾向として、中には海外でデビューする馬もいるかも知れませんがもしかしたら「POGでは指名できなかったけど、海外の大レースを勝った!」という馬がいつか出るかも知れませんね。

さて、第一回は昨日7/13の1歳馬セッションで最高落札価格を更新した、ジョコンダⅡの2014です!
この馬は今年の牡馬クラシックを賑わせたサトノクラウンの半弟。
そして、海外で英GI・チェヴァリーパークSを勝ったLightening Pearlを姉に持ちます。

購買者は毎年セレクトセールで高額馬を購入されることでおなじみの、里見治氏。奇しくも兄弟で同じ馬主さんとなりました。
ただ、父Marjuのサトノクラウンが5800万円で落札されたのに対し、父がディープインパクトに替わった本馬の落札額は驚きの2億3500万円!!!
はぁ…ため息しか出ないですわ(笑)。

まず、セレクトセールのサイトで上場馬情報が確認できるので(http://www.jrha.or.jp/selectsale/joujou_list1.html)、実際に歩いている時の動画を見てみましたがまぁ歩き方はバネがありそうで踏み込みも深くて、素人目にもなんとなくいい馬なんだろうな…と思わされますね。

肝心の血統はというと、5代内にSir Ivorの5×5・5、ノーザンダンサーの5×5クロスがあります。
ということで、この馬はAlzao≒Touch of Greatnessの3×3という相似クロス持ちになります。
ん?この相似クロスどこかで見たな?と思ったら、昨年の阪神JFを制したショウナンアデラが持っているんですね。
ショウナンアデラの母父Elusive Qualityは父がミスプロ直仔Gone West、母Touch of Greatness。
本馬の母父Rossiniは父がミスプロ直仔Miswaki、母Touch of Greatnessということで配合に共通点がありますね。

本馬は実はMachiavellianからヘイローの血も受け継いでいるので、Sir Ivor≒ヘイローの5×5・6・5持ちです。
これが動画で見た柔らかそうな馬体に影響を与えているんでしょうか。
また、5代内では5×5だったノーザンダンサーのクロス、実は母系の奥の方にリファールとニジンスキーの血(2本)があるためノーザンダンサー5×5・7・8・8の多重クロスを保有しています。
なので、よく見るとAlzao≒Touch of Greatness≒Air Distingueの3×3・4とも言えなくもない。
とことんまでAlzaoを強調し、馬体のしなやかさ・柔らかさを追求した配合系と言えるかも知れません。
もしかしたらとんでもない末脚を持った馬に育つかもですね!

ただ、「POG的には」馬体が緩くて仕上がらない…古馬になってから大成するという可能性はあるかも。。。
Miswakiが内包している米パワースピード血統Buckpasser、母系の奥にある欧州パワースピード血統Tudor Minstrel、欧州持続力血統Court Martialなどもあるものの、やはりAlzao≒Touch of Greatness≒Air Distingueの3×3・4は強烈なインパクトがありますね。
ま、これはあくまでPOG観点での話なので、リアル馬主である里見氏は(もちろんこの馬でダービーを勝てれば最高でしょうが)最悪古馬になって活躍してくれても万々歳でしょうけど。。。

さて、今日7/14には早くも当歳馬セッションが行われますが、本ブログでは次回以降もセレクトセール2015の1歳馬セッション注目馬のレビューをしていきたいと思います(笑)。

あ~、一口馬主の記事全然更新してないや…。


2015年07月12日

今日も身内POGの指名馬紹介に続いて今期参加している日刊競馬POG 2015-2016 の指名馬レビューをしていきたいと思います。
今回は身内POGとの重複分を除くと最後となる第7回目、トウショウジャイロのレビューです。

この馬は父が最近2歳戦線で好調のダイワメジャー、母がスプリント重賞5勝のシーイズトウショウという血統。角田厩舎の所属馬です。
母は初仔のスサーナトウショウ、2番仔ヒアーズトウショウが未勝利で終わりましたが、現3歳の3番仔トウショウピストが全戦掲示板に乗り2勝を挙げる好成績を収めています。

血統は、ダイワメジャー産駒の好配合パターンである「母がハイペリオン多め」に当てはまっていますね。
母父サクラバクシンオーはハイペリオンの4×6・5。母母ジェーントウショウは5代内にこそハイペリオンのクロスを持ちませんが、ハイペリオンの孫であるYour Host産駒でハイペリオンの父Gainsborough4×5クロス持ちのソシアルバターフライ4×4クロス持ち。で6代内で見ると、ハイペリオン6・6×5持ちです。
母シーイズトウショウ自身で見ればハイペリオンの5・7・6×7・7・6。
この馬自身もハイペリオン4×3のクロスを持つノーザンテーストの血が3×4でクロスされており、ダイワメジャーの特徴(先行力のあるパワーマイラー)がさらに強化される配合という感じ。

まぁ、ハイペリオンもあまり濃くなりすぎると硬質なパワーが強調され過ぎて、馬体の柔らかさ・しなやかさが弱まってしまうので、末脚のキレが弱い、距離が持たなくなるといったような弊害があるんですが。
母父トニービンでやはりハイペリオン濃いめのコパノリチャードなんかも、デビュー当初はマイルを走ってましたが今や完全なスピード押し切り型のスプリンターですからね。

ただ、この馬はデビュー前に兄より距離の融通性があり、マイルもOKという情報を聞いていたので、朝日杯・NHKマイルCも狙えてアリだろうと。
さらに、入厩前に坂路で出した 52.8-38.4-25.0-12.4 という好時計にやられちゃいました。

で、大きい所も狙える速攻系として指名したワケですが…6/6阪神芝マイルでのデビュー戦は3着に負けてしまいました…orz
結果的には超スローの行った行ったの競馬で、最初に3馬身くらい出遅れて外回ることになったのが大きかったですね。
馬体もまだ少し太く、余裕のある仕上げという感じがしましたし。。。
人間、スケベ根性を出すとロクなことにならない(笑)という典型例ですから、皆さんも気を付けましょうね……え?お前には言われたくない?(笑)

さて、トウショウジャイロの近況ですがデビュー戦後は一旦短期放牧に出ていました。
先日すでに帰厩したようで、すでに今日CWコースで時計を出しているようですから復帰戦も近いと思います。
とりあえず短距離に使う予定はないようなので、次戦は新潟の芝マイル戦かな?
まずは1勝目指して頑張ってほしいですね。


2015年07月11日

週中は時間がとれず、久しぶりの更新になってしまいました。
引き続き、身内POGの指名馬紹介に続いて今期参加している日刊競馬POG 2015-2016 の指名馬レビューをしていきたいと思います。
今回は第6回目、牝馬タンタビクトリアのレビューです。

この馬についても指名前のレビュー↓で、簡単な血統解説をしています。

母タンタスエルテはミスプロ系×サドラーズウェルズ系の配合馬です。というワケで、ここでもまたまたまた出ましたサンデー×キングマンボ配合!(笑)
ま、この馬はヌレイエフ持ちではなくサドラー持ちなのでやや重めの"疑似"キングマンボなんですけどね。
サドラーズウェルズを4世代以内の近い位置に持ってオープンを勝ったのはトーセンラー・スピルバーグ兄弟、アンビシャス、アダムスピーク、本馬の全姉パララサルーと、ヌレイエフ持ちに比べるとやはり頭数は少ないです。
ただ、先ほどのオープン勝ち馬のうちアダムスピーク以外は全馬サンデー×キングマンボ配合を内包していますから、この配合の強力さが見て取れます!

で、以前のレビューでも言及しているようにトーセンラー・スピルバーグ兄弟の母プリンセスオリビアもタンタスエルテ同様欧州で活躍馬を多く出すミスプロ系×サドラーの配合馬です。
さて、もう少し詳しく見ていくとそのプリンセスオリビアとタンタスエルテには共通点があります。それはリファールクロス持ちで、しかもリファールの血統要素を強く持っていることなんですよね。
まずプリンセスオリビアはリファールに加え、リファールの母Goofedのクロス持ち。
そしてタンタスエルテはと言うと、そもそも自身がリファールのクロスを持っているんです。

これは何がいいかというと、ディープの母ウインドインハーヘアの血統要素であるリファール的資質・「持続力」を刺激し強化することになるからだと思います。
ウインドインハーヘアは父がリファール直仔のAlzaoで、しかもリファールの母父Court Martialの4×5のクロス持ちです。
Court MartialはFair Trial直仔で、Son-in-Lawの血を持っています。さらにGainsborough(ハイペリオンの父)の血を持つため、ハイペリオンの血を持つ馬と配合されたときに望田潤さん言うところのハイインロー要素…つまり持続力、粘り、スタミナが非常に強化されるんですね。
リファールはノーザンダンサー(4代前にハイペリオンを持つ)とCourt Martialの配合馬なのでまさしく持続力血統。
つまりプリンセスオリビアもタンタスエルテもディープと配合されると長くいい脚を使う馬になるということ。ま、それは反面ジリっぽさも強調することなので、トーセンラーのように2,3着が多いタイプになることもあるんですが。
ただ、タンタスエルテはリファールを単体で持っているワケではありません。他にジリっぽさを補う素晴らしい血統要素を持っています。

まず、ディープと相性のいいカーリアン
母系に入っていい血統で、カーリアンの血を持つディープ産駒はダノンシャーク、ジョワドヴィーヴル、サトノラーゼン、カミノタサハラなどが出ています。
カーリアンは父ニジンスキー、母のForeseerがRound Table×Hail to Reasonという血統。Foreseerの配合はディープの持つSir Gaylordの血統構成を引っくり返した形の相似配合なので、カーリアンとAlzaoはゆるーい相似配合と見ることができると思います。
これはしなやかさとキレを大いに増幅してくれますね。

あとは、Tudor Minstrel
母系の奥のほうに入っているので見つけにくいんですが、代表馬にはマルセリーナ、ジョワドヴィーヴル、ヴィルシーナ、ミッキーアイル…など。
この馬もやはり母系に入っていい馬です。血統的にはハイペリオンの孫であり、Son-in-Law持ち、かつ名牝Lady Josephineを3代母に持つことで血統構成の似たディープの4代母Highlightと密接に結びつき、パワースピード、持続力、底力といった要素を補強してくれます。

全体的には母父Stukaがミスプロ系の父に欧州系の母という配合で、非常に底力を感じて好感が持てますね。
また、母も欧州血統優勢で底力がありそう。
かつ、サンデー×キングマンボ配合にリファールクロスで持続力を強化しながらカーリアンでしなやかさとキレを増幅し、Tudor Minstrelでパワー、持続力、底力を強化しているんですからこの馬の血統はもう言うことなしですよ(笑)。

さて、最後にタンタビクトリアの近況。
4月末に脚元に不安が出て一頓挫あったんですが、一応回復傾向にありそろそろ運動再開できるかも?という状況らしいです。
もちろん順調であれば言うことないんですが、中柄の牝馬ですからあまり夏場に頑張っても…というところはありますしね。
この馬の血統の底力からすれば乗り出してからは一気に良化してくれるのでは?晩秋~冬のデビュー目指して頑張ってほしいです。


2015年07月07日

引き続き、身内POGの指名馬紹介に続いて今期参加している日刊競馬POG 2015-2016 の指名馬レビューをしていきたいと思います。
今回は第5回目、ショウナンアデラの弟アフェクテューズのレビューです。

この馬についても指名前のレビュー↓で、簡単な血統解説をしています。

これまでの指名馬レビューでも再三言及していますが、懲りずにこの馬もサンデー×キングマンボ配合の持ち主です(笑)。
プラスしてRiverman持ちということで言えばディープブリランテ、ミッキークイーンと共通点がありますね。
5代血統ではノーザンダンサーの5×5・5とSir Ivorの5×5クロス持ちで、Alzao≒Touch of Greatnessの3×3相似クロス持ちでもあります。

母父Elusive Qualityは競走馬としては3流も種牡馬入りしてから米リーディングサイアーに上り詰めました。
Elusive Qualityは父系こそ米国血統のミスプロ系(Gone West経由)ですが、父Elusive Qualityの母Touch of Greatnessは完全な欧州血統馬です。
血統表にもハイインロー血統のGraustarkの名前が見えるあたり、単純な米国ミスプロ系でないことが活力を与えているのではないかと…。このあたりは少し前にレビューした米三冠馬American Pharoahの父Pioneerof the Nileの血統に通じるものがありますね。
また、少し面白いのはElusive Qualityの血統って、ミスプロ+ストームキャットの配合系とも見てとることができるんですよね。
で、母系にキングマンボ型の配合+ストームキャット持ちといえばリアルスティールに共通している配合です。

さて、アフェクテューズの母オールウェイズウィリングの母系にも目を向けましょう。オールウェイズウィリングの母Always Loyalは当然欧州血統馬。GⅠ仏1000ギニーを勝っている名牝です。
こちらも血統表には、Le Fabuleux、Vaguely Nobleなどといったスタミナ・底力血統が並んでいます。
わけても、Vaguely Nobleはディープと非常に相性のいい血で、トーセンラー・スピルバーグ兄弟、ボレアス・マウントシャスタ・ カミノタサハラ・ベルキャニオン兄弟、レッドオーヴァル、サトノルパン…などなどが出ています。
このあたりはディープの5代母HypericumがVaguely Nobleの父父Aureoleと3/4同血(ハイペリオンとFeolaのハイインロー配合)になるあたりにポイントがありますね。
もう少し踏み込むと、この馬のディープ×キングマンボ配合+Vaguely Noble+Turn-to持ちという配合の部分は、トーセンラーとも共通していると言えます。

さて、去年自分は牡馬の1位でこの馬と配合的に非常に近いティルナノーグを指名しました。
ですが、ショウナンアデラはGⅠを制したのに対しティルナノーグはデビュー2連勝を飾った後はOPで掲示板に乗るのがやっと…orz。
この差がどこにあるのかと考えると、下の2点なんですよね。
①母父がほとんど米血のGone West⇔母方は欧州血脈(しかもAlzaoと相似クロスが発生)のElusive Quality
②母方にVaguely Noble
やはり、ディープの配合のキモはハイペリオンにあるのかなぁ…と思ふ今日この頃。

で、今年はティルナノーグを指名しショウナンアデラを指名しなかった反省として、この馬を指名しました。
でも、こういうのってホントはショウナンアデラのタイミングで指名しないとダメっすよねぇ(笑)。
これで走らなかったらサイコーにカッコ悪いですよ(笑)。

さて、この馬の近況について。6月には手塚厩舎に入厩し夏デビューを見据えていたんですが、右肩の筋肉痛で一旦放牧に出されました。
姉のショウナンアデラもあまり足元が強くなく、春は一度も出走することがありませんでしたから気になるところです。
この馬はこれから立て直しても秋~冬にデビューできればOKと思ってます。来春姉が立てなかったクラシックの大舞台を目指し、慎重に行ってほしいですね。