2021年05月23日

数時間前に3歳春の牝馬クラシック2戦目、GⅠオークスが終わりました。
無敗の桜花賞馬ソダシが1番人気に推されましたがクロフネ産駒の血は正直で8着に敗れ、勝ったのは3番人気ユーバーレーベンでした。
1994年のダンスパートナー以来27年振りとなる1勝馬の優勝を遂げたユーバーレーベンは馬主がサラブレッドクラブ・ラフィアン、父ゴールドシップ・母父ロージズインメイということで先日亡くなったマイネル軍団総帥の岡田繁幸さんに捧げる勝利となりました。

さて、身内POGではけんたろーさん指名のアカイトリノムスメが惜しい2着、賞金は上積みしたもののトップに立つまでは至らず、という状況。
優勝争いは日本ダービーの結果如何で、一応2頭出しの自分も有資格者ではあります(状況は厳しいと思っていますが(苦笑))。

今日は身内POG指名馬レビュー最終回、これまでに2回の優勝経験のある強者・むらやまさん指名馬を見ていきます。

1位.アルマドラード(ラドラーダの2018)
2位.レイオブウォーター(ノーブルジュエリーの2018)
3位.クライミングリリー(コンテスティッドの2018)
4位.ヘネラルカレーラ(セレブラールの2018)
5位.リュラネブラ(リュラの2018)
6位.イズンシーラブリー(ブルーミンバーの2018)
7位.マイネルジェロディ(マイネエレーナの2018)
8位.オーソクレース(マリアライトの2018)
9位.サトノマジェスタ(ノーブルステラの2018)
10位.ダノンヴェロシティ(マイグッドネスの2018)


1位指名はアルマドラード(牡)。
父はキングカメハメハ、母はラドラーダ(父シンボリクリスエス)。
生産はノーザンF、馬主はキャロットF、美浦・藤沢和雄厩舎所属。

母は現役時代4勝、大きなレースで活躍はできませんでしたが1600万下のユートピアSを勝利しています。
全兄の1頭は日本ダービーと天皇賞・秋のGⅠ2勝を挙げたレイデオロ。
もう1頭の全兄レイエンダもGⅢエプソムCに勝利と実績ありの配合です。
きょうだい全馬が勝ち上がり、かつての自分の指名馬ティソーナはOP勝ちとまさに母は名牝認定ですね。
レイデオロはかつてむらやまさんが指名し優勝に導いた馬ですね。

血統は全兄のレビューから。

個人的には最初、ダート向きの配合と評していましたが母父シンボリクリスエスの奥の深さを教えられた感じですね。。。

ここまでの戦績は3戦未勝利。
母が年齢を重ねているという状況はあるにしても、ここまで走らないとは…。
サラブレッドって、本当に難しいですね…。


2位指名はレイオブウォーター(牡)。
父はディープインパクト、母はノーブルジュエリー(父Smarty Jones)。
生産は社台F、馬主は大塚亮一、栗東・友道康夫厩舎所属。
2019年セレクトセールで1億368万円という価格で取引されました。

母は現役時6勝、OP洛陽Sに勝ったマイラーです。
全姉ノーブルカリナンは現3勝。

血統は5代アウトクロスですが、阪神JFを勝ったショウナンアデラと同じAlzao≒Touch of Greatnessの3×4相似クロス持ちです。
ただ、ショウナンアデラは母がNorthern Dancer4×5クロス持ちでパワーを補強、かつSecretariat・ボールドラツド・Sir Gaylord・Rivermanで瞬発力補強と言う2点のプラスの仕掛けを持っていました。
一方この馬の母ノーブルジュエリーは5代アウトクロス。
パワー面で言うとNorthern Dancerクロスは持ちますが5×6の薄さ、代わりにIn Realityで米パワーを補強していますかね。
瞬発力を補強する仕掛けは自身6代目のShirley Heightsがありますがその1本と効果は弱め。

当然アウトクロス馬ということで気性・体質面の弱さは心配なさそうですが、代わりに能力が大爆発するような配合ではないかと。。

ここまでの戦績は5戦1勝。
新馬戦は7着に敗れましたが2戦目で勝ち上がり、以降1勝クラスで2,2,3着と堅実に走っています。
ただ、もう一歩突き抜ける感じがないのは配合通りの印象です。


3位指名はクライミングリリー(牝)。
父はディープインパクト、母はコンテスティッド(父Ghostzapper)。
生産は社台F、馬主は社台RH、美浦・国枝栄厩舎所属。

母は米国でエイコーンS・テストSのGⅠ2勝を含む重賞を3勝しています。
きょうだいは全馬ディープ産駒の全兄で、デビューできなかった2016年産まれの産駒を除いてみな3勝以上しており、中でも3歳年上のギベオンは金鯱賞、中日新聞杯と重賞を2勝しGⅠNHKマイルCでも2着に入線しています。

血統は全兄サトノフウジンのレビューから。

母の米パワーを強化する配合で、とにかく先行して押し切る競馬を得意とするというのは全兄の競馬ぶりを見ていても分かる通りです。
ただ、あまり米パワー要素が強いので牝馬向きの配合ではないかな、という気はしますが…。

ここまでの戦績は2戦1勝。
初戦は8着と1人気を裏切りましたが、2戦目で変わり身を見せ勝ち上がり。
しかし、その後厩舎で調整中に転倒しキ甲を骨折。
戦線離脱しています。


4位指名はヘネラルカレーラ(牝)。
父はキズナ、母はセレブラール(父ボストンハーバー)。
生産は土居牧場、馬主はノースヒルズ、栗東・角田晃一厩舎所属。

母は現役時代3勝、500万下を2勝したスプリンターでした。
半姉には短距離重賞を5勝したベルカント、マイル重賞2勝のイベリスがいて、素晴らしいスピードを伝えています。

血統はNorthern Dancer6・5×5クロス持ち。
ボストンハーバーがStorm Catと脈絡する形になっています。

母は5代アウトクロス馬ですが、離れた代ながらRoyal Charger≒Nasrullah - Bold Rulerの多重クロスによるスピード増幅とPrincequilloの多重クロスによる柔らかさ、Bull Lea多重クロスによるパワー増幅を行っています。
代々濃いクロスを持つ馬と薄いクロスを持つ馬を配合しながら、緩い父母相似配合となっているという血のバランスが母のスピードの源泉なんでしょう。

その意味で、父キズナの母父Storm CatはBold Ruler・Princequillo・Bull Leaと母がクロスする血を全て持っています。
それはイベリス(父ロードカナロア、その母父Storm Cat)と同様ですね。

ただ、キズナ自体クロスの濃い馬ではないのでバランス的に母にはクロスの濃い馬を迎えたいところ。
セレブラールは5代アウトクロスなのでそこは物足りないかな、と。
ちなみに重賞を勝った半姉の父サクラバクシンオー、ロードカナロアは自身それなりの濃さのクロスを持っていました。

ここまでの戦績は6戦未勝利。
2着と3着がそれぞれ2回ずつあり堅実に走ってはいますが、クロスの爆発力がないからかなかなか勝ちきれないところがあります。


5位指名はリュラネブラ(牡)。
父はロードカナロア、母はリュラ(父ステイゴールド)。
生産はノーザンF、馬主はシルクR、美浦・国枝栄厩舎所属。

母は5戦未勝利。
しかし、おばには桜花賞馬ハープスターがいて、祖母は名牝ベガです。
本馬は母の初仔。

血統はNorthern Dancer6・6・8・5×・6・5・5クロスにNureyev≒Fairy King5×4クロス持ち。
Nureyevの増幅というロードカナロア産駒の成功パターンをおさえています。

ただ、ロードカナロア産駒はとにかくパワー増強が第一の命題。
Nureyevの増幅以外の仕掛け(アーモンドアイのトライマイベスト≒ロッタレース5×2など)があることや、母がパワー充分であること(ダノンスマッシュの母はBramalea≒Gold Digger5×4・5、母父はDanzig×Alydar系)が大事だと思っています。

その意味で本馬の母リュラはステイゴールド産駒のパワーを増幅する成功パターンは特になし。
むしろその母母父が柔らかいトニービンで、本馬の代ではHornbeamクロスも発生しています。
そのため、パワー増幅はあまりできていない印象ですね。
一流競走馬として(人間のアスリートもそうですが)柔らかくしなやかな筋肉を持っていることは大事ですが、過ぎたるは及ばざるがごとし・・・でしょうか。

ここまでの戦績は5戦未勝利。
昨年のドラフト前は話題になっていましたが入厩後にトーンダウンし、レースでは掲示板に1回載ったのみ(5着)で、やはりパワーが足りないのかな?と思われます。


6位指名はイズンシーラブリー(牝)。
父はディープインパクト、母はブルーミンバー(父ファルブラヴ)。
生産は社台F、馬主は諸江幸祐氏、美浦・加藤征弘厩舎所属。

母は現役時代、信越S・ラピスラズリSと芝1200mのオープンを2勝。
また祖母のタヤスブルームはGⅢフェアリーS勝ちと、2代続けてオープン勝ち馬となっています。
全姉トーセンブレスはGⅢフラワーCで2着に入っていますね。
全兄ブルーミングスカイは現2勝馬ですが、GⅡ青葉賞4着と堅実に走っています。

血統はそのブルーミングスカイのレビューから。

Alzao増幅で瞬発力を増す仕掛けが特徴で、好配合だと思います。
ただ、あと一押しパワーや底力を増す仕掛けがあればな~というのはないものねだりですかね?

ここまでの戦績は4戦1勝。
GⅢでクイーンC5着、フラワーC5着と堅実に走っていますが突き抜けきれませんね…。


7位指名はマイネルジェロディ(牡)。
父はスクリーンヒーロー、母はマイネエレーナ(父ロージズインメイ)。
生産はビッグレッドF、馬主はラフィアン、栗東・西園正都厩舎所属。

母はJRA2勝、芝とダートの短距離でそれぞれ1勝ずつ挙げ浦和に転出後にGⅢスパーキングレディーCで3着入線しています。
また、おじにはGⅢアーリントンC2着馬マイネルエルフがいますね。

血統はHalo4×5・5、ノーザンテースト4×4、Northern Dancer5・5×5クロス持ち。
複数のクロスを持つ強い父母相似配合となっています。

スクリーンヒーローと相性のいい血として、Devil's Bagがあるというのは過去のエントリーで書きました。

本馬の配合を見ると、母マイネエレーナがDevil's Bag=Glorious Song3×3という強烈な全きょうだいクロス持ち!!
これでスピードとパワーを増幅、やや血が濃い配合ではありますがスクリーンヒーロー産駒の成功パターンに確実に当てはまっていますね。
ま、米血の非常に濃い配合なのでスタミナ面には不安があるのは仕方ないところでしょうか。。

ここまでの戦績は8戦2勝。
1番人気で9着2回と脆いところがありますが、すでに2勝を挙げ上々のスピードを見せています。
来週の重賞葵Sに出走予定ですね。


8位指名はオーソクレース(牡)。
父はエピファネイア、母はマリアライト(父ディープインパクト)。
生産はノーザンF、馬主はキャロットF、美浦・久保田貴士厩舎所属。

母は宝塚記念、エリザベス女王杯とGⅠを2勝、遅咲きでしたが牡馬相手に中距離戦線で怯まず戦いました。
おじにはクリソライト、クリソベリルという2頭のダートGⅠ馬にGⅡ神戸新聞杯勝ちのリアファルがいます。
本馬は母の初仔。

血統はサンデーサイレンス4×3、Sadler's Wells4×5、Hail to Reason5・8・6・7×5・7クロス持ち。

さて、昨年の今頃エピファネイア産駒のレビュー時に書いたのは、配合のカギは「シーザリオの増幅」にあるということ。
その時はデアリングタクト・シーズンズギフト・スカイグルーヴの重賞連対牝馬3頭が該当するものがある、と書きましたがその後の活躍馬を見てもこの理論に自信を深めました。

・アリストテレス→サンデーサイレンスとSadler's Wellsクロス持ち、HabitatとSir Ivorの脈絡
・エフフォーリア→サンデーサイレンスクロス持ち、SpecialとSevern Bridgeがナスペリオン+Fair Trialが共通、Bold ReasonとMy BupersがNothirdchance≒Revokedに加えBlue Larkspur・Teddyクロスで共通、それらにNorthern Dancerを加えたSadler's Wellsとアイリッシュダンスが脈絡する関係

オーソクレースの場合は母父ディープインパクトというのがアリストテレスと同様。
この時点でサンデーサイレンスクロスとHabitatとSir Ivorの脈絡が発生します。
さらに母母父がエルコンドルパサーでSadler's Wellsクロスに加えNureyevの相似クロスも発生と、アリストテレスと似た配合パターンになっています。

個人的には指名馬リストに入れるも初仔というところで迷い指名を断念したんですが、配合は非常に良いと思いますね。

ここまでの戦績は3戦2勝。
新馬・アイビーSと連勝しGⅠホープフルSでも2着。
春は皐月賞直行の予定でしたが右トモの違和感からレースを回避し放牧へ。
その後の診断では骨折扱いとのことで、春は全休となっています。


9位指名はサトノマジェスタ(牡)。
父はハーツクライ、母はノーブルステラ(父Monsun)。
生産は社台F、馬主はサトミHC、栗東・音無秀孝厩舎所属。

母はドイツ産馬で米GⅡニューヨークBCHなど重賞4勝を含む8勝を挙げました。
半姉はGⅢ京都牝馬S3着のノーブルジュエリーということで、2位指名レイオブウォーターのおじにあたります。

血統は5代アウトクロス。
母父は生粋のドイツ血統馬Monsunですから、これは必然ですね。
一応、祖母Noble PearlはShirley Heightsとヴァイスリーガルという血を持ちますから、父方のアイリッシュダンスとの間でナスペリオンとNorthern Dancerのクロスができますが効果は薄いものです。

気性面と体質面は問題ないですが、パワー補強も弱く、スタミナタイプでスピードがどうか?と気になる点がありますね。。。
とにかく父母の能力がどれだけストレートに伝わるかがポイント。

ここまでの戦績は5戦1勝。
4戦目の未勝利戦を勝ち上がりましたが1勝クラスのあずさ賞では7着に終わっています。


10位指名はダノンヴェロシティ(牡)。
父はキングカメハメハ、母はマイグッドネス(父Storm Cat)。
生産は三嶋牧場、馬主はダノックス、美浦・萩原清厩舎所属。

母は海外6戦1勝。
ただし、祖母はGⅠBCジュヴェナイルフィリーズなど重賞3勝、エクリプス賞2歳牝馬チャンピオンに選出されています。
また、きょうだいはMacho Uno産駒の半兄ダノンレジェンドがGⅠJBCスプリントなどダート重賞8勝、種牡馬入りしています。
さらにディープインパクト産駒の半兄ダノンキングリーはGⅡ毎日王冠など1800mの芝重賞を3勝し日本ダービーでは2着に入線していますね。

血統はNorthern Dancer5・5・7×4・7、Raise a Native4×5クロス持ち。
キンカメ産駒で母父Storm Cat、母系にIn Reality持ちという配合のアウトラインはロードカナロアに似ています。

ちなみにロードカナロアの母レディブラッサムはSecretariat=Syrian Seaというナスキロクロスを持ちます。
一方、本馬は曾祖母Lovin TouchがGay Hostess≒Forest Princess2×1という濃いナスペリオンの相似クロスを持ち、ここにも配合思想に似た部分があります。
とはいえ母が全きょうだいクロスを持つレディブラッサムと比べると効果は弱いですね。

また、ロードカナロアはCormorantが父との間でGraustark=His MajestyとTudor Minstrelクロスが発生して底力と持続力を増幅しています。
本馬の場合は祖母Lovin TouchがYour Hostess=My Host(祖父Hyperion)全きょうだいクロスを持ちますが、やはりキンカメのGraustark、Tudor Minstrelとの結びつきはやや弱いですね。
このあたり、芝でGⅠを勝ちまくったロードカナロアと芝でGⅡ止まりの半兄ダノンキングリーとの違いに現れている気がします。。

ここまでの戦績は3戦未勝利。
初戦が428kgと牡馬にしては馬体が小さいこともありますが、3戦ともに掲示板に載れていない状況です。


こんな時期になりましたがなんとか指名馬レビュー完走!
これから急いで来期の指名馬選びを進めないと…間に合うか!?(笑)